大会

第30回オリンピック競技大会(2012/ロンドン)

レスリング

見どころ

男子のみどころ

 男子は1988年ソウル大会以来の金メダル獲得が目標。戦後のオリンピックで、不参加だった1980年モスクワ大会を除いてすべてメダルを獲得しており、その継続は最低目標。2009年世界選手権から3年連続でメダルを獲得しており、軽量級はどの階級でも世界一に近い実力を持っている。

 具体的には、
・男子フリースタイル55kg級・湯元進一(自衛隊)=2009年アジア選手権で前年の世界王者を破って優勝
・同60kg級・湯元健一(ALSOK)=2008年北京大会で銅メダル、2011年世界選手権で銅メダル
・同66kg級・米満達弘(自衛隊)=2009年世界選手権で銅メダル、2010年アジア大会で前年の世界王者を破って金メダル、2011年世界選手権で銀メダル
・男子グレコローマン55kg級・長谷川恒平(福一漁業)=2010年アジア大会で世界V5の選手を破って金メダル
・同60kg級・松本隆太郎(群馬ヤクルト販売)=2010年世界選手権で銀メダル
 以上の5選手が金メダルを射程距離においている。

女子のみどころ

 女子は、実施された2004年アテネ大会、2008年北京大会でともに「金2、銀1、銅1」を取っており、3大会連続の金メダル獲得、全階級メダル獲得が目標。

 55kg級の吉田沙保里(ALSOK)と63kg級の伊調馨(ALSOK)は、あらゆる競技の中で日本女子では達成した選手がいない五輪3連覇が期待されている。

 吉田は2009〜11年の世界選手権、2010年アジア大会でも優勝しており、今回も金メダルを目前にしている。伊調は前回の北京大会後に休養したが、復帰した2010年から2年連続で世界選手権優勝と衰えぬ実力を発揮。その他の国際大会にも精力的に出場を続け、白星街道を突き進んでいて、V3の可能性を高めている。

 48kg級の小原日登美(自衛隊)は、五輪では実施されない51kg級で6度にわたって世界チャンピオンに輝いた選手。北京大会55kg級出場の夢が消えて引退したが、2010年に48kg級での五輪挑戦を目標に復帰し、2年連続で世界選手権優勝と実力を見せた。

 72kg級の浜口京子(ジャパンビバレッジ)は過去5度、世界選手権で優勝した実績を持ち、五輪は2大会連続銅メダル。2010年世界選手権でも銅メダルを獲得。今年5月のワールドカップでは北京大会金メダリストを破っており、実力のすべてを出せばメダル争いに加わる実力はある。

兄弟でのオリンピック出場

 男子フリースタイル55kg級の湯元進一と60kg級の湯元健一は双子兄弟(健一が兄)。日本レスリング界では、姉妹でのオリンピック出場は2004年アテネ大会と2008年北京大会の伊調千春・がいるが、兄弟でオリンピックに出場するケースは、同時のみならず、違った大会であっても初。

 世界の舞台での双子のオリンピック出場は、1980年モスクワオリンピックにアナトリー&セルゲイのベログラゾフの双子兄弟(ソ連)が出場し、ともに優勝したほか、1988年ソウルオリンピックでのデュアン&デニスのカズラスキー双子兄弟(米国)、ジム&ウィリアムのシャール双子兄弟が出場した例などがある。

吉田沙保里の記録への挑戦

 女子55kg級の吉田沙保里は、2002年の世界選手権で優勝して以来、世界選手権9度、オリンピック2度の計11度、世界の頂点に立った。

 オリンピックと世界選手権の最多優勝記録はアレクサンダー・カレリン(ロシア)の12度(1988〜2000年=オリンピック3度・世界選手権9度)、2位がアレクサンダー・メドベジ(ソ連)の10度(オリンピック3度・世界選手権7度)、3位がブバイサ・サイキエフ(ロシア)の9度(1995〜2008年=オリンピック3度・世界選手権6度)。

 今大会で吉田が優勝すれば「12度目の世界一」となり、アレクサンダー・カレリンの記録と並ぶ。オリンピックと世界選手権の連続優勝記録も、アレクサンダー・カレリンの「12年連続」が最高。吉田が12大会連続優勝を達成すれば、カレリンと並ぶレスリング界の最多連続世界一となる。

オリンピック3度連続出場

 女子の吉田沙保里(55kg級)、伊調馨(63kg級)、浜口京子(72kg級)は3大会連続のオリンピック代表。過去、男子で10選手がオリンピック3度連続代表となっており(4度連続を含む)、11〜13人目のオリンピック3度連続代表となった。








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