コラム/インタビュー

アスリートメッセージ

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第29回全日本女子選抜体重別選手権大会より 写真
(提供:フォート・キシモト)

自分はまだ発展途上だと繰り返すように言う塚田選手。柔道を始めたのは中学1年生からと比較的遅いほうだ。 「中学の部活で始め、遊びの一環のようなものでした。今思うと、もっとマジメに練習しておけばよかったと思います。中学3年生で全国大会に出たいと思っていたけれど、結局、実力がなくて出られませんでしたし・・・」
しかし昇段試験を受けた時の塚田選手を見ていた同級生の保護者に、土浦日大高等学校への進学を勧められて入学。ここで柔道の基礎を叩き込まれ、東海大学へ進学した。
「大学ではいろんな先生方や先輩たちに巡り合え、とてもいい影響を受けました。大学の環境がとても気に入っています。これまで様々な人たちとの出会いがあったから、ここまで強くなれたと思います」

塚田選手は柔道をしている人に悪い人はいないという。 「私が知っている柔道家は素晴らしい人ばかり。憧れの選手は井上康生先輩、薪谷翠先輩、阿武教子先輩です。康生先輩は心遣いがすごく出来る方で、その辺を見習いたいと思います。薪谷先輩は同じ重量級で分かり合える部分も多いですし、教えられたこともたくさんあります。阿武先輩はアテネオリンピックの調整合宿から面倒を見てもらっていました。練習で調子が悪いときも、アドバイスをもらったりしていました。阿武選手が一緒じゃなかったら、きっとオリンピックも最後まで持たなかったと思います」

チャンピオンともなればライバル選手達から研究される。しかし塚田選手の事を一番研究しているのは自分自身だという。
「自分の出た大会のビデオを見て、練習日誌をつけて課題を洗い出しています。そこで考えたことや疑問を先生達にぶつけてアドバイスをもらっています。他の選手がいくら私の研究をしても、それは過去の私に過ぎないのです」

柔道といえば体重コントロールも避けては通れない。塚田選手の階級は体重制限がない分、気をつけないと体重管理も甘くなってしまうと言う。 「ベスト体重よりも増えると動きが鈍くなるし、自分の体を使いこなせないと勝つことはできません。以前、試合に負けたときも監督から『お前、体重があるだろう』と指摘されたことがあるのですが、体重のせいで負けたといわれたのは悔しかったです。ですから常にベストコンディションで動けるよう管理には気をつけています。ただトップになる選手は、どの階級でも減量に苦しんでいるようには見えないんです。きっと減量に苦しんでいるようでは代表になれないのだと思います」

柔道に関してはストイックだが、自称息抜きの名人というくらいプライベートも楽しむ。
「車を買ったので仲間を連れて、温泉や山に行ったりします。海を見ているとすごくすっきりしますよ。また集中したいときは細かい作業が好きなので、絵を描く事もあります」
柔道以外のスポーツではチームゲームに興味があるという塚田選手。「選手としてではなくてもいいんです。ドリンクやタオルを配ったりする役でもいいので(笑)、チームの一員として連帯感が感じられることをしてみたいです」とお茶目に話すが、個人競技である柔道というスポーツの孤独さが、かえって感じられる言葉に聞こえた。

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第21回皇后盃全日本女子選手権大会の表彰式より
(写真提供:フォート・キシモト)

この先、2大会連続オリンピック出場や全日本女子柔道選手権の連覇更新など様々な期待が塚田選手にかかってくる。彼女自身が目指す『真のチャンピオン』となるために何が必要だと考えているのだろうか。
「絶対負けないと思う強い意志を持つことだと思っています。私がなりたいと思う理想の選手は自分自身に厳しい人。そういう人は必ず勝っています。憧れに近づくためにも1日1日を大切にして行きたいと思っています」

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塚田真希(つかだまき)

1982年1月5日生まれ、茨城県出身。169cm、四段。 土浦日本大学高等学校から東海大学に進学。現在、綜合警備保障所属。 第28回オリンピック競技大会(2004/アテネ)78kg超級優勝。 2002年〜2006年皇后盃全日本女子柔道選手権優勝(5連覇)、2003年〜2006年全日本女子柔道選抜体重別選手権大会78kg超級優勝(4連覇)、2005年フランス国際柔道大会優勝。


< アスリートに質問! 塚田真希選手からの回答 >

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