/ 選手強化 / TEAM JAPAN DIARY
TEAM JAPAN DIARY
最新のレポート

2011/05/09

東日本大震災:JOC医療ボランティアチーム活動レポート

東日本大震災の被災地支援にむけて編成したJOC医療チームが、岩手県大船渡市の避難所を拠点に活動しました。医師による内外科の診察のほか、トレーナーによるリハビリ、健康維持のための体操教室などを実施。医療が機能していない被災地で、多方面からの健康サポートを行っている医師・トレーナーたちの活動を報告します。


JOCでは、オリンピックやアジア大会などの国際総合競技大会時に、日本代表選手団本部としてメディカルスタッフ(ドクター)を現地に派遣し、選手の健康面のサポートをしています。今回は、阪神・淡路大震災で医療ボランティアとして派遣された経験があり、日本代表選手団本部ドクターの経験もあるJOC情報・医・科学専門部会の増島篤医師の呼び掛けで、被災地へのJOC医療チーム派遣が決定しました。


「JOCの競技大会本部での医療サポートと、震災ボランティアの医療サポートには出張して、医療本部を作りサポートをするという共通点があり、震災翌日にテレビを見ながら、自分たちの専門性を生かして、被災地のために出来ることがあると考えました」と増島医師は振り返ります。


医療チームは、内外科を担当する医師と、リハビリを行うトレーナー、そして運営をサポートする事務局員により編成。JOCの声がけにより、医師のべ16人、トレーナー13人が手を挙げ、3月28日から4月28日までの約1か月間を4日間交代で計9チームの派遣が決定しました。


ボランティアとして被災地に赴く場合、まず最初に必要なのは、ボランティア自身の衣食住やトイレなどの生活手段を確保することです。JOC医学サポート部会長の赤間高雄医師のネットワークから、被災者やボランティアの受け入れをしている本増寺を活動拠点にすることが決まりました。


現場は混乱しているため、支援活動する避難所などの情報は事前に入手できません。JOC医療チーム第一陣は、「まずは行って現状を見ることが先決。行けば何とかなる」(増島医師)と、3月28日朝8時半に味の素ナショナルトレーニングセンターをワゴン車で出発しました。午後4時過ぎに大船渡市に到着すると、大船渡市役所保健福祉課を通じて、支援医療体制を確認。高台にあった大船渡病院が無事だったため重症・重傷の患者の受け入れが可能になっている一方、町医者がまったく機能していないことが判明しました。


翌日の29日は大船渡中学校の避難所を担当。岡山県から派遣されて来た保健師が、すでに被災者のヒアリングとカルテ作成を済ませていたことから、すぐに医師とトレーナーによる適切な処置が出来ました。31日以降は、市民文化会館「リアスホール」に拠点を移動。医師による診療所と、トレーナーによるリハビリルームを開設しました。診療所を置いていない避難所へは、各県から派遣されている保健師が巡回し、患者が見つかると医師が往診。また毎日夕方には大船渡市の保健福祉課によるミーティングに参加し、保健師や全国から集まっているボランティア医療チームらと情報交換を行いました。毎日刻々と変化する被災地のニーズを把握しながら、翌日以降の体制を検討することになりました。

Img_7457 大船渡市に拠点を置いたJOC医療チーム、増島医師

 

診 療所に訪れる患者の多くは、被災直後は健康だった方々。数週間にわたる避難所での生活のうちに、頭痛や発熱、下痢、胃腸炎、打撲、腰痛などさまざまな症状 を発症しているそうです。また震災から約1カ月後くらいからは、津波が残したヘドロが乾き、その粉塵を吸って肺炎になるケースも急増しました。訪れる患者 は、一日に約20人程度。医療現場が崩壊している震災間もない時期から4月末にかけて、合計で300人強の方々に医療を施しました。

ま たリハビリルームでは、理学療法士の資格を持つトレーナーたちによる治療を実施。震災前からリハビリ中だった方だけでなく、避難中に怪我をした方、避難所 生活で筋力が落ちてしまい歩けなくなってしまった高齢者の方などが、多くリハビリルームに通って来ます。温熱治療器で温めたり、マッサージをするなど、適 切な筋肉トレーニングや運動を指導し、回復を図っていました。

JOC 医学サポート部会のトレーナー、板倉尚子さんは、「皆さん気持ちが落ちているので、『大丈夫だから』という声がけから始まります。手や背中を触ったりして 安心してもらい、気持ちを元気にすることが大切です。今後、避難所を出て仮設住宅で生活する日に備えて、活動性を上げ、外で暮らしていける体力をつけられ るような運動を提供したいと思っています」と話します。

も う一人のトレーナー原木早智さんも、温かく親身に接するリハビリを心がけているとのこと。気持ちが塞ぎこんで寝たきりになっていく高齢者の方に、「大丈 夫。自分で立てるよ、あせらずにね。」などと励ましの声をかけながら、手を握ったり身体をさすったり、心溢れるリハビリを実施。その甲斐あってか、震災後 は車椅子生活をしていた高齢者の方が、人に支えられれば歩けるまでに回復していました。

Img_7486 やさしく声がけする原木トレーナー

 

さ らに、避難所生活は運動不足になりがちなことから、各避難所を回って1日1回の体操教室を行いました。気持ちが落ち込んでいると、肩を落として猫背になっ た姿勢のまま固まってしまう方が多いため、肩回りの筋肉をほぐしたり、楽しくゲーム感覚で出来る運動などを行います。体操教室では、被災者のみなさんに笑 顔が見られました。

  Img_7518 体操教室でみなさんの笑顔を誘う板倉トレーナー

 

JOC医療チームは、4月末まで活動。その後は、被災地の医療体制が復興への道をたどり始める時期となり、地元行政による支援へとバトンタッチします。


班 長の増島医師は活動を振り返りこう話しました。「ここは、困っている人を助けるという医療の原点。こちらから声をかけて、医療やリハビリを行います。救急 の現場で様々なことを目の当たりにして判断して動くということは簡単なことではありませんが、被災者の方々が1日でも早く元気を取り戻してもらうことを願 う一心で活動してきました」。


今こそ“Team Japan”として日本が一つにならなければいけない時です。JOCはスポーツの力を信じて、今後も新たな復興支援活動を継続して行っていきます。


 

Img_7538 災害派遣のワゴン車で現地入りした

Img_7535 医療チームが設置した血圧計は、避難所の方々が自由に利用できる


2011/05/08

フィギュアスケート世界選手権:日本は男子が銀、女子が金の活躍

日本の代替開催としてロシアスケート連盟により開かれたフィギュアスケートの世界選手権(4月25日〜5月1日)。大震災の影響も懸念されましたが、チームジャパンは、安藤美姫選手が金メダル、小塚崇彦選手が銀メダルと、それぞれ実力を発揮する大会となりました。

 Aflo_mrva068070 世界女王となった安藤選手(アフロスポーツ)

 

■小塚崇彦選手が悲願の銀メダル

日本男子は、ショートプログラム(SP)で織田信成選手2位、高橋大輔選手3位、小塚崇彦選手6位と、全員がメダル圏内で発進しました。

 

翌日のフリースケーティング。最終グループ一番滑走のパトリック・チャン(カナダ)が、4回転ジャンプ2本を含む圧巻の滑りを見せ、総合280.98の歴代最高得点をマークします。スケーティングのスピード、ターンやステップの正確さ、ジャンプの大きさ、どれを取ってもフィギュアスケートの理想といえるお手本のような滑りで、残る5選手にプレッシャーをかけました。


日本から最初の登場は織田選手。SPで決めたような流れのある4回転トウループを期待されますが、3回転になってしまい、さらにジャンプのルール違反を犯します。結果として232.50点で大きく引きはなされる結果に。続くアルテュール・ガチンスキー(ロシア)が4回転を決め、241.86と高得点をマークすると、織田選手はメダル圏外となります。


そこでメダルへの期待がかかったのは、バンクーバー冬季オリンピック銅メダリストの高橋選手。しかし、スケート靴とブレードを固定しているネジが壊れるアクシデントで、演技を中断します。応急処置をして最滑走しましたが、実力を発揮できずに総合232.97点で、この時点で4位。日本のメダルは小塚選手の肩にかかりました。


祖父の代から続くフィギュアスケート一家に生まれたサラブレットの小塚選手。今シーズンのテーマは「独立」でした。試合前の食事の準備や、道具の用意、振付師の選択や練習内容まで、親や佐藤信夫コーチに任せっきりだった生活を一新。「何でも自分でやる。自分に責任を持つ」と決めてシーズンを過ごしてきました。その結果、10月〜12月のグランプリシリーズではファイナル3位、12月の全日本選手権では初優勝と、勢いに乗って迎えた世界選手権でした。


そして迎えた小塚選手のフリー。なんと本番で、初めて4回転トウループをクリーンに決めます。そのまま波に乗ると、すべてのエレメンツを完璧にこなし、銀メダルを獲得しました。「自分が何をするべきか分かって、冷静に演技できました。自分を信じることが出来るだけの練習をしてきていたから」と小塚選手。


課題といわれてきた演技面も、プログラムコンポーネンツで82.26と、高橋選手をしのぐ高い評価を得ました。「実力を出し切るという考えではなくて、力を自分でコントロールできる事が大事だと分かりました。技術をコントロールできるから、パフォーマンス(演技)にも良い影響が出る。もっと実力を上げることが、自分の課題だと思います」。これまで技術の正確さばかり注目されてきた小塚選手でしたが、正確さを追及したその先に、演技全体をひとつのストーリーのように切れ目無く見せる演技力という新しいステップに踏み出したのです。


トリノ冬季オリンピック以降、高橋選手がけん引してきた日本男子に誕生した新たなエース。ソチ冬季オリンピックまでの現役続行を高橋選手も宣言し、これからの3年間、日本男子が凌ぎあい磨きをかけていくスタートとなる一戦でした。

Aflo_mrva067801 銀メダルを獲得した小塚選手(アフロスポーツ)


■安藤美姫選手が意味のある金メダル、浅田真央選手は忍耐のシーズン


日本女子は、SPで安藤美姫選手が2位、浅田真央選手が7位、村上佳菜子選手が10位の発進。フリースケーティングでは、村上選手はジャンプでアンダーローテーション(90度未満の回転不足)があり得点が伸びず、総合8位となります。


SPで出遅れながらもメダルを期待された浅田選手。トリプルアクセルは、モスクワ入りする前からも含めて、練習でまったく成功していなかったといいます。そんな状態で本番にトライすることは「常識ではありえない」(佐藤信夫コーチ)ことですが、浅田選手は「挑戦したかった」といい、本番で挑戦。回転不足の両足着氷だったものの、転倒せずに耐えました。


佐藤コーチは「トリプルアクセルを跳ぶなというと、今度はやる気を削いでしまう。難しい判断。しかし定石とは違う部分があるのが浅田選手だということが分かってきたし、まだ分からないことが多く(コーチとして)消化不良なのですが、すべて来シーズンに向けてイチから作り直していきたいです」と語りました。


浅田選手にとっては、基礎のスケーティングを重視する佐藤コーチのもとに8月に移り、ジャンプフォームの修正と基礎力スケーティングの強化など、新しい課題へ一気に取り組んだシーズンでした。結果を出せないのは当然のことです。「すごく波のあったシーズンでした。単独のジャンプさえ安定しなかった時期を考えると、早く良くなったと思います」と浅田選手。このオフの間に、佐藤コーチ流の「基礎を先に固める」指導のもとでスケーティングをさらに磨き、その土台の上にジャンプを作り直していくことが大切です。


一方、安藤選手は、落ち着いた演技で好印象のフリーを滑りきります。SP首位のキム・ヨナ選手(韓国)を抑えて、日本人初となる2度目の世界チャンピオンに輝きました。


「今シーズンは練習を信じて本番に臨めるようになりました。コーチともすでに4、5年一緒にやってきて、お互いに言葉を交わさなくても良い練習をしていると分かる安心があります。それが納得のいく演技につながるようになりました」と安藤選手。


今シーズン、グランプリシリーズ2連勝、全日本選手権優勝、四大陸選手権で自身初の200点超えと、もっとも安定した成績を残してきた安藤選手が、安定感を武器に頂点を極めました。


女子は、2011年世界ジュニア選手権の金銀メダルを獲得したロシアのアデリーナ・ソトニコワとエリザベータ・タクタミシェが来シーズンからシニアに参戦。ソチ冬季オリンピックに向けて、ジャンプも演技力もさらに質の高いものが求められていきます。オリンピック経験者の安藤選手、浅田選手がけん引力となり、日本女子全体のレベルを上げていくことが、これからの課題となりそうです。

Aflo_mrva068024 忍耐のシーズンとなった浅田選手(アフロスポーツ)

2011/05/07

フィギュアスケート世界選手権:ロシアスケート連盟が日本への思いを込めた大会演出

東日本大震災の影響で、東京から急きょモクスワに開催地を変更して行われたフィギュアスケート世界選手権(4月25日〜5月1日)。ロシアスケート連盟は、日本への思いを込めた開会式の演出を行い、被災地へのエールを送りました


■開会式はプーチン首相が出席、「日本にささげる詩」が流れる


4月27日に行われた開会式では、日本への鎮魂をテーマにした演出が行われました。冒頭では、着物風の衣装をきた奏者による、和太鼓の演奏。続いて、氷上に大きな日の丸が映し出され、民族衣装のスケーターたちが手をつないで輪を作ると、会場全員で黙とうをささげました。

Aflo_mrva067729 大きな日の丸が氷上に映し出された(アフロスポーツ)

開会式に出席したプーチン首相は「日本は地震、津波、原発事故に見舞われた。特に原発事故がいかに大変か、我々はよく知っている。国民、政府が今、一丸となって立ち向かっているところだ日本が、尊厳と勇気を持って、この試練を乗り越えられると信じている」と述べました。

Aflo_mrva067722 プーチン首相があいさつした(アフロスポーツ)

 

またロシアスケート連盟が作詞した「日本にささげる詩」が会場のスクリーンに映し出され、会場からは大きな拍手が贈られました。


『ロシアスケート連盟から日本にささげる詩』

地球が傷みで呻き声を発した自然力の強さで全世界がショックを受け、

命の破片や叫びの一部を水は深海に流した。

しかし、何があっても太陽は東に昇る。地震と津波は、光に勝てない

われわれの神様が地球のみなの生命を保つことを祈る

桜が咲く公園はたくさんあることを白樺が咲く公園はたくさんあることを

鳥が春の歌を歌えることを旗が勝利の祝いで挙げられることを、祈る

子供達が大人たちへ祈る。

皆さん、我々はこの地球で手をつなぎ、

1つの家族であることを忘れないでほしい


2011/04/11

東日本大震災支援:ウエアなど1万426点を陸前高田市へ搬送

東日本大震災の被災地を支援しようと、JOCは4月8日、選手をはじめ、日本全国のスポーツ関係者から提供されたジャージや毛布などの支援物資1万426点を、陸前高田市に向けて発送しました。味の素ナショナルトレーニングセンターを出発した10トントラックは、翌9日には同市に到着し、被災地の方々に支援物資が配布される予定です。

Img_7235 次々とダンボールを運び込む選手たち


JOCは3月11日の地震以降、各競技団体に向けて、防寒具や毛布、衣類などの支援物資の提供を呼びかけました。各競技団体は、競技会で制作した未使用のジャージやダウンジャケット、ウィンドブレーカー、Tシャツ、靴のほか、選手個人の衣類などをJOCへ提供。中には、柔道の福見友子選手やスケート/ショートトラックの桜井美馬選手などオリンピアンからのメッセージ付きのウエアも見られました。


4月8日は、味の素ナショナルトレーニングセンターで合宿や練習中の選手やコーチら約100名が搬入の手伝いのために集合しました。バスケットボールチームのほか、フェンシングチームからは太田雄貴選手などが参加し、ダンボール517 箱、計1万426点の衣類を、10トントラックに搬入。チームジャパンの結束力もあってか、約1時間半ですべての物資を積み終わりました。


前日夜の余震の影響で、東北自動車道は一部通行止めの状態。トラックは一般道も使いながら、選手たちから寄せられた心の品を、陸前高田市の市民のもとへと届けます。

Img_7263  ダンボール517箱が搬入された

2011/04/09

平成23年度JOCエリートアカデミー入校式を開催

JOCは4月6日、の素ナショナルトレーニングセンター「平成23年度JOCエリートアカデミー入校式」を行いました。第4期生となる今年度は、レスリング3名、卓球4名、フェンシグ5名の計12名が入校しました。同事業は、JOCと各競技団体が共同し2008年にスタート。オリンピックをはじめとする国際競技大会で活躍できる選手育成を目標に、各競技団体から推薦され有望なジュニア選手を集め、味の素ナショナルトレーニングセンターを練習と生活の拠点にして集中的な指導を行っています。
Aflo_sswa035205 エリートアカデミー4期性を代表して梅林さんが決意表明(アフロスポーツ)
Aflo_sswa035206 エリートアカデミー生と来賓の方々で記念撮影を行った(アフロスポーツ)
 

入校式では、まず始めに、東日本大震災で被災され
お亡くなりになられた方々へ黙祷をささげました。

来賓・主催者の紹介、国歌斉唱に続いて、福田富昭JOC副会長が「JOCはジュニア期からきちんとしたスポーツ指導をしなければならないと考えています。エリートアカデミーでは、勉強、スポーツ、寝食の教育をしっかり受け、また各種目のコーチから指導を受け、世界で活躍できる選手になっていただきたいと思います。また選手を引退してからも指導者として選手を育てていって欲しいと願っています。みなさん、将来の日本のスポーツ界を担う選手としてお手本になれるよう頑張ってください」とあいさつしました。


続いて来賓を代表して、文部科学省スポーツ青少年局競技スポーツ課の芦立訓課長が登壇。「12名の皆さんを送られる家族の方々には不安もあると思います。トップスポーツを支える逸材を体系的に育てることと合わせて、スポーツ界をリードする人材を育成したいというJOCの思いを文部科学省も応援しています。家庭からの支援に加えて、これからは地元の北区や学校など様々な支援を受けていくことになります。12名のみなさん、これからも頑張って下さい」とエールを送りました。


その後、4期生12名の紹介につづいて、福井烈JOC選手強化担当理事が激励の言葉を述べました。「東日本大震災で日本中の人々が心を痛めているこの時にあなた方はエリートアカデミーに入校します。心と身体を鍛えた真のアスリートとして、人間力を発揮することが、日本の力になります。みなさんには身体と同時に心も鍛え、人として成長して欲しいと思います。そのためには、常に全力で取り組んでほしい、感謝の気持ちを持って欲しい、我慢強く生きてほしい、そして負けず嫌いであってほしい。切磋琢磨して日本を代表するアスリートになってほしいと思います」と激励しました。


またエリートアカデミー在校生を代表して、エリートアカデミーキャプテンの久良知美帆さん(2期生)が「私は高校1年生の春、たくさんの不安と緊張と大きな期待を胸に、ここに来ました。最初は戸惑い行き詰ることもありましたが、今ではここに来て良かったと思っています。ここでは競技だけでなく、人との出会いがあります。オリンピックという夢に向かってみんなで頑張りましょう」と歓迎の言葉を贈りました。


続いてオフィシャルスポーツウエアを提供している、ミズノ株式会社の上治丈太郎専務取締役と、株式会社アシックスの山根至東京支店長より、記念品の贈呈が行われました。


最後に、4期生代表梅林太朗さんが決意表明を行いました。「僕の目標はオリンピックでメダルを獲ることです。でもすぐに達成できるわけではありません。階段を一段一段上るように目標を1つ1つ達成しなければなりません。エリートアカデミーでの目標は、全中(全国中学校体育大会)とインターハイ(全国高等学校総合体育大会)で優勝すること、仲間と協力して生活をしてあいさつや学校の勉強をしっかりすること、家族やコーチへの感謝の気持ちを忘れないことです。1つ1つの目標を達成して、本当の目標を達成するよう頑張ります。また僕は東日本大震災の年に入校します。レスリングを通して日本を元気にできる選手になります」と、しっかりした口調で話しました。


12名が入校し、エリートアカデミーの在籍者数は1期生から合わせて計36名。この36名が共同生活をしながら、チームジャパンの一員として日本のスポーツ界を代表する選手を目指していきます。


2011/03/28

東日本大震災:被災地支援のJOC医療チームが出発

東日本大震災の被災地支援に向けて編成したJOCの医療チームが28日、岩手県大船渡市に向けて出発しました。医療チームは、岩手県大船渡市を拠点に、同市や陸前高田市の病院や避難所への往診を行う予定です。

Pkg113280017 ワゴン車で出発する医療チーム

 

第一陣となる医療チームは、JOC情報・医・科学専門委員会委員の増島篤氏(整形外科)、医学サポート部会長の赤間高雄氏(内科)、同部会員の難波聡氏(産婦人科)の3名のドクター、理学療法士の菅原一博氏、JOCの事務職員2名の計6名で結成。まずは4日間の行程で医療支援を行うとともに、現地で必要な医療や物資の調査を行い、JOCからの医療支援内容を明確にする。今後、約1ヶ月間にわたり約4日間の交代により、第二陣以降の医療チームを派遣する予定で準備を進めています。

 

第一陣の医療チームは28日の早朝、出発。味の素ナショナルトレーニングセンターでトレーニングしている約100名の選手、スタッフらが見送りました。増島氏は、「オリンピックやアジア大会で培った医学サポートを生かし、被災した方々に少しでも役立つよう全力で支援したいと思います」とあいさつ。市原則之JOC専務理事は「どういうニーズが現地にあるのか把握してきていただきたいと思います。行政の届かない所をサポートできるよう頑張って下さい」と話し、医療チームを送り出しました。

Pkg113280039 見送りに駆けつけた選手ら

Pkg113280091 医療チームを市原専務理事が激励

(写真提供:フォート・キシモト)

2011/03/23

第1回NFキャリア担当者会議:「JOCキャリアアカデミー」と「アスナビ」の活動を報告

JOCのキャリア事業のさらなる活性化に向けて各競技団体(NF)のキャリア担当者と情報共有を図ろうと、JOCは3月11日、「平成22年度 第1回NFキャリア担当者会議」を約40名の担当者が出席し開催し、今後NF担当者が担う業務の確認などを行いました。

Img_7135 「JOCキャリアアカデミー」と「アスナビ」の担当者ら

 

JOCでは、2008年より味の素ナショナルトレーニングセンターを拠点に行っている「JOCキャリアアカデミー」事業と、2010年に開始したトップアスリートの就職支援ナビゲーションシステム「アスナビ」の2事業を、キャリア関連事業として進めています。今回は、それらの活動状況を各NFのキャリア担当者と共有し、事業を有効活用するための業務を確認するのが目的です。

「JOCキャリアアカデミー」については、八田茂ディレクターが説明しました。現役時代から先々のキャリアについて考える機会を持たせる「キャリアアカデミーガイダンス」や、インタビュー対応力などの人間力を磨く「スキルアップセミナー」、自ら考え行動する力を付けさせる「ジュニア向けセミナー」などの事業を報告。さらにキャリアカウンセラーによる個別カウンセリングも実施していることを話し、各NFからの積極的な利用を呼びかけました。

また「アスナビ」については、JOCゴールドプラン委員会/スポーツ将来構想プロジェクトの指導者・選手環境整備ワーキンググループの荒木田裕子チーフ(JOC理事)が報告。トップアスリートと企業が雇用関係を結ぶことで、選手にとっては安定した練習環境が確保でき、企業にとっては社員の一体感醸成や社会貢献活動に繋がるなど、双方にとってメリットがある関係を目指している事業内容を説明しました。その上で、2010年10月には経済同友会で、2011年2月には東京商工会議所で、それぞれ説明会を実施し、すでに4名が企業と雇用契約を結んだことを紹介しました。

荒木田チーフは、「今後ものこのような活動を続けて全国展開をし、オリンピックを目指すアスリートが競技に集中できるような環境を作りたいと思います。この事業を進めていくうえで、選手の成績も大切ですが、人間力のある社会人としてしっかりした考えを持てる選手を巣立たせていくことは、競技団体の皆さんのご協力がないと出来ません。ぜひ共に事業を進めていきましょう」と呼びかけました。

 Img_7136 NFのキャリア担当者ら

2011/03/15

ロンドンオリンピックまであと500日、市内には巨大カウントダウン時計が登場

来年7月27日に開幕するロンドンオリンピックまであと500日を3月15日に迎え、開会式までの時間を示す巨大なカウントダウン時計が、ロンドン中心部のトラファルガー広場に設置されました。
Aflo_owdc521807 カウントダウンクロックが登場(アフロスポーツ)

時計は、ロンドンオリンピックのオフィシャルタイムキーパーを担うオメガ社が製作。デジタル表示で、高さ6.5m、幅5m、重さ約4tの巨大な時計です。式典にはロンドン市のジョンソン市長や英国のトップアスリートらが出席し、ジョンソン市長は「カウントダウンがたった今始まった」と話しました。

いよいよチームジャパンの戦いも、500日のカウントダウンが始まりました。応援よろしくお願いいたします。

2011/03/01

JOCの就職支援「アスナビ」:東京商工会議所で114社に対し、6名の選手が実情を説明

2月25日、JOCが進めているトップアスリートの就職支援ナビゲーション「アスナビ」の事業として、ロンドンオリンピック・ソチ冬季オリンピックを目指す選手6名が、114社146名の企業役員等の前で、就職先を見つけられない状況を説明し、それぞれが企業のために貢献できることを話した上で、支援を求めました。

市原則之JOC専務理事は「トップアスリートの活躍は国民、特に子どもたちに大きな夢や希望を与えてくれます。一方で、トップアスリートでもなかなか就職できず将来の生活に対する不安を抱えているのが現状です。JOCとしては、選手たちの雇用をサポートしていかなければならないと考えております」と、アスナビを始めた経緯を説明。荒木田裕子JOC理事は「日本のトップスポーツは企業に支えられてきましたが、バブル経済の崩壊後、企業のスポーツに対するニーズが変化し、スポーツを企業理念と結びつけ強化に取組む企業と、休廃部により撤退に向かう企業の二極化が進んでいます。結果、多くの選手が職や支援を失い、競技生活を断念、または就職活動との同時進行を余儀なくされ十分な練習時間の確保に苦労しています。今日は、『アスナビ』で雇用が決定した選手1名と、就職先を探している選手5名が集まっており、アスリートの生の声を聞いていただきたいと思います。また就職支援を希望する18競技団体33名の選手の資料も配布しました」と、支援を求めました。

Aflo1035_110225_0007 Aflo1035_110225_0085 あいさつする市原専務理事(左)と荒木田理事

登壇した選手は6名。キッコーマン株式会社に内定している竹下百合子選手(カヌー/スラローム)は「就職が不安で練習に集中できない時期もありましたが、今回キッコーマンに内定したことで、競技に打ち込めるようになりました。結果を残すことが恩返しになると思って頑張ります。たくさんの選手が支援を待っているので、そのモデルになれるよう頑張りたいと思います。ご支援ありがとうございます」と、感謝の気持ちを述べました。

Aflo1035_110225_0028 竹下百合子選手

残る5名は、就職先を求めての自己紹介。114社の企業役員等を前に緊張しながらも、それぞれの思いを語りました。

■家根谷依里選手(スキー/スノーボード・アルペン)
「冬の競技は海外での練習など資金繰りが難しく、私自身は配膳のアルバイトをしながら競技を続けてきました。次のオリンピックでメダルを獲得するためには集中して練習する環境が必要だと考えています。もしご支援いただければ、企業の方にメリットを感じていただけるよう、責任と自覚を持って目標達成に向けて頑張ります」

Aflo1035_110225_0030 家根谷依里選手

■上山容弘選手(体操/トランポリン)
「競技を通して、自分自身と向き合い、目標を達成するためのプロセスを学びました。それが北京オリンピック出場や世界選手権個人総合男子で4回連続メダルを獲得し世界新記録樹立に繋がったと思います。これまで、子どもたちを対象にしたトランポリン教室や小学校での講演会などスポーツの振興やトランポリンの普及に関わってきました。支援いただいた企業でも社会貢献活動に協力していきたいと思います」

Aflo1035_110225_0034 上山容弘選手

■朝日健太郎選手(バレーボール/ビーチバレー)
「6人制バレーの時はサントリーにお世話になりました。この経済状況が悪い時代に私たちが企業のために出来ることは、社会を元気にさせることです。皆様方は『企業活動が社会を豊にする』という理念で活動されていると思いますが、スポーツを通じて社会を元気にする気持ちで、選手を応援していただければと思います」

Aflo1035_110225_0042 朝日健太郎選手

■森ゆかり選手(ライフル射撃/ピストル)
「ピストル競技には自衛官の時代に出会いました。結婚して主婦に専念しようと考えましたが競技熱を冷ますことが出来ず、就職しないまま復帰しました。2010年の世界選手権で4位となりロンドンオリンピックに内定しています。メダル獲得のために、不安要素のない環境で競技に専念できればあり難いです」

Aflo1035_110225_0067_2 森ゆかり選手

■武田奈也選手(スケート/フィギュアスケート) 
「いまフィギュアスケートは人気があり、スケート場を個人貸切するか海外に行かないと練習ができないのが現状です。早稲田大学卒業後も、ソチ冬季オリンピックや世界選手権出場を目指し競技を続けたいと思っているので、ご支援よろしくお願いいたします」

Aflo1035_110225_0072 武田奈也選手

東京商工会議所の岡村正会頭からは「詳細な契約形態などは、どのようなものを希望されていますか」と質問があり、荒木田理事が「オリンピックまでは毎日の出勤は難しく、練習に集中できればと思います。またスポーンサードではなく、引退後も雇用を継続し、選手が企業に貢献していく雇用関係を望んでおります」と説明しました。

この「アスナビ」では昨年10月14日に経済同友会に協力を仰ぎ、43社に対する説明会を開催。それを受けて、水泳/競泳の古賀淳也選手が「第一三共株式会社」と雇用契約を締結、水泳/競泳の上田春佳選手とカヌーの竹下百合子選手が「キッコーマン株式会社」に、フェンシグの下大川綾華選手が「テクマトリックス株式会社」にそれぞれ内定をいただいています。

「アスナビ」は、JOCゴールドプラン委員会/スポーツ将来構想プロジェクトの「指導者・選手の環境整備ワーキンググループ」を中心に進めてきた就職支援プロジェクト。JOCは今後も、企業と選手のマッチングを行うべく「アスナビ」による支援を行っていきます。

(写真提供:アフロスポーツ)

2011/02/24

平成22年度JOC地域タレント研修会を開催、8地域の選手と指導者が集結

JOCは1月14日〜16日、味の素ナショナルトレーニングセンターで「平成22年度JOC地域タレント研修会」を開催しました。JOCが支援している11地域の「地域タレント発掘・育成事業」のうち、8地域の選手55人と指導者10人が参加。選手たちは、他地域県の選手たちと交流し刺激を受けあうとともに、スキル開発・向上につながるプログラムを受けました。指導者たちは、それぞれの取り組みの情報や知識を交換しあい、世界で活躍できるトップアスリートを育成する意識醸成につなげました。またトップアスリートや中央競技団体の関係者も参加し交流を深めるなど、充実したプログラムが展開されました。

 Img_3710_2 8地域から55人の選手が集まった

「地域タレント発掘・育成事業」は、全国の各都道府県や市区町村が才能のある若い選手を発掘・育成することを目的に行っている事業。山口県のようにセーリングとレスリングに種目を特化しているスタイル(種目特化型)や、岩手県のように身体能力の高い選手を見出し適性種目を探すスタイル(適性種目選択型)、北海道美深町のように他種目からエアリアルに転向させるスタイル(冬季種目転向型)など、発掘スタイルは様々で、対象となる年代も地域によって異なります。(※下記図参照)

1月15日は早朝7時に開会式を行い、その後ハンドボールのJOC専任コーチングディレクター田中茂氏とネメシュ・ローランド氏が指導し、全員でハンドボールの朝練習を実施。朝食後は、JOC情報・医・科学専門委員会の久木留毅委員による「スポーツ教育プログラム」の講義。久木留氏は、トップアスリートに求められる資質として「考える力が大切。勝ち負けには原因があり、『なぜ』を振り返ることが重要」と話し、選手たちを激励しました。

Img_3482 久木留委員による講義が行われた

続いて、選手たちは国立スポーツ科学センター(JISS)のスポーツ医科学体験・ボクシング・テニス・アーチェリー体験などをグループごとに回りました。スポーツ医科学体験では、エルゴメーターに乗りながら脈拍の増減を測るなど、JISSが行っている研究事業の一部に触れて感心した様子。ボクシング・テニス・アーチェリー体験では、普段とは違う競技を体験することで、身体の使い方の違いなどを実感していました。

Img_3521 アーチェリーを体験した選手たち

午後は、チャレンジプログラムが行われました。JOCが進めている「NTCコントロールテスト」5種目に加え、ジュニアの能力適性を見る材料になりうる種目など、計14項目を実施。有望選手を見出そうと集まった中央競技団体の関係者らは、地域のタレントたちがライバルと競い合いながら自分の限界にチャレンジする様子をチェックしました。タイムや距離などの記録だけでなく、「体幹がしっかりした動きをしている」「バネがある」「体重移動がうまい」など、アスリートとしての資質にも着目。多くの関係者が有望な選手を目にする機会となりました。

Img_3629

Img_3650 Img_3652 様々なコントロールテストが行われた

夜に行われた交流パーティーでは、2004年アテネオリンピック体操団体金メダリストの水鳥寿思選手や2008年北京オリンピックウエイトリフティング代表の齋藤里香選手など8名が参加。受講生は、トップアスリートに各地域の紹介や質問を投げかけ、充実した時間を送りました。

翌日は、レスリングのJOC専任コーチングディレクター江藤正基氏の指導による朝練習からスタート。続くトレーニングプログラムでは、陸上競技のJOC専任コーチングディレクター小林敬和氏により、基本動作をきちんと身につけるためのトレーニングが行われました。またランチセッションでは、1998年長野冬季パラリンピックで日本人初の冬季パラリンピック金メダルを獲得したアルペンスキーの大日方邦子氏から、あきらめずにチャレンジすることの大切さなどを伝えていただきました。最後に福井烈JOC選手強化本部担当理事のあいさつで閉会。選手たちは、次は日本代表として再会することを誓い合いました。

地域と中央が一体となり、地域で生まれた才能を見つけ、育て、世界に羽ばたかせる、地域タレント発掘・育成事業の可能性を改めて認識する機会となりました。

Map

JOCが支援する地域タレント発掘・育成事業一覧