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アスリートメッセージ

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(写真提供:フォート・キシモト)

4月24日から始まる世界卓球選手権・団体戦に出場する日本男子チームには、今回3人の高校生が選ばれた。彼らは3人ともドイツに拠点を置き、早くから海外で戦っている。
「試合をしながら強くなっています。ここでどこまで上げることができるかですね。今度の世界選手権では、若い選手たちが伸びればメダルも狙えると思っています」
松下選手は彼らに助言をし過ぎないようにして、本人たちが『気づく』ことを尊重したいという。
「経験は人から聞いて得るものではないので。もちろんサインは送りますが、彼らには重圧の中でいい試合をして、『気構え』というものを感じとる機会にして欲しいですね。簡単に積み上げたものは簡単に崩れてしまいますが、苦労して積み上げたものはなかなか崩れないのですよ」

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(写真提供:フォート・キシモト)

卓球は直径40ミリのボールを、変化や緩急をつけながら打ち合い、前後左右へと走り続ける競技。
レクリエーションとしてのピンポンとは、ひと味違う競技としての卓球の魅力をたくさんの人に見てもらいたい。パワー、スピード、駆け引き、気迫、豪快さと緻密さ、クールさと激情。
選手が見せたい卓球を、観客が見たい卓球を、思い切り披露できて、しかも楽しい趣向のあるイベントができたら……。松下選手の思いに信頼できる友人でもある世界の強豪選手たちが「松下さんが言うのなら」と賛同してくれて、昨年末、日本ですばらしい対戦が実現した。観客席は満員御礼。テレビ中継も実現した。「現役選手だからこそできるイベントもあると思うのです」

オリンピックには1992年のバルセロナ大会から4大会連続で出場している松下選手。2年後の北京大会も視野に入っているという。「日本代表に必要と言われたら5大会連続出場も実現したい。いつまでも僕が選ばれていていいのかなという気持ちもありますけど。日本が好きだから、代表として戦うことはやっぱり嬉しいですよ」
選手として、人として鍛えてきた『太い幹』が松下選手をしっかりと支え、その枝葉を大きく伸ばし続けている。挑戦はまだまだ終わらないのだ。

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松下浩二(まつしたこうじ)

1967年愛知県生まれ。38歳。
明治大学を卒業後、協和発酵、日産、グランプリ、ミキハウスを経て、現在はグランプリに所属。1993年に日本人初のプロ卓球選手に。スウェーデン、ドイツ、フランス、中国リーグに参戦。
オリンピックはバルセロナ大会からからアテネ大会まで4大会連続出場。1997年の世界選手権ダブルスで銅メダル、2000年の世界選手権では団体戦で銅メダルを獲得。2006年4月24日からドイツ・ブレーメンで開かれる世界卓球選手権・団体戦に出場の予定。


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