コラム/インタビュー

アスリートメッセージ

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2005FISノルディック世界選手権より
(写真提供:アフロスポーツ)

嫌々始めたスキーも今は楽しいと高橋選手。多くの選手が頭を抱えるルール改正も楽しいと考えるそうだ。
「ルールが変わった瞬間は、確かにものすごいストレスを感じます。でもルール改正によって微妙にテクニックや用具が変わります。そのルールに対応した技術を発見するのが楽しいんですよ。ジャンプという競技はとにかくルールで縛るのです。例えばスキー板の長さや金具をつける位置、重さ、幅はもちろん、ジャンプスーツのカッティングの位置やゆとりは裸体から6センチ以内ということまで決まっています。

そのルールのすき間を見つけるのも楽しいです。他の選手もルールの穴を見つけて、少しでも有利な方向に持って行こうとしています。例えばジャンプスーツも身長に対し、股下何センチと決まっているのですが、測定の時はルールの範囲の長さにして、飛ぶときは股下部分を無理矢理引っ張って、少しでも風を受けるようにする。そんなわずかなことでも優勝したりする選手がいるんですよ。そうするとまたルールが変わったりするんですけどね」

ジャンプの板の長さは選手の身長の146%までと国際スキー連盟のルールで決まっているが、少しでも長さを確保しようと各選手涙ぐましい努力をしている。高橋選手ももちろんその1人だ。

「板の長さは毎年1回の身体検査で決まるんです。自分は171cmで登録しているんですが、あと少し身長が低いだけでスキー板が短くなってしまう。そのため、測定の前日には半日使ってストレッチをしたり、長時間寝たら身長が伸びるからという理由でなるべく早く就寝する。そしてこの髪型も身長対策のひとつです」

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国立スポーツ科学センターで心肺機能測定
(写真提供:フォート・キシモト)


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(写真提供:フォート・キシモト)

と高橋選手は頭のてっぺんを差した。髪の毛を伸ばし結わえているせいかほんの少し頭のてっぺんがこんもりと持ち上がっている。

「この膨らみだけでも2〜3ミリ違うんですよ。それだけで精神的にも余裕が出てきます。やはり板の長さが1〜2cm伸びるだけで飛距離も違ってくるので、少しでも長い板が使えるように、どんなに身長の高い選手でも躍起になっているはずです」
様々な作戦を練って、高橋選手は第20回オリンピック冬季競技大会(2006/トリノ)へと向かう。
「今さらガタガタ騒いでも仕方ないですからね。ただ自分の中では“強かった頃の日本をもう一度復活させたい”という気持ちより、自分のできることを精一杯やって納得できればいいと思っています。
それからトリノオリンピックが終わった後、ワールドカップの最終戦が札幌で開催されます。トリノオリンピックで頑張れたら、自分を見にこの大会にも是非たくさんの人に来て欲しいですね」

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高橋大斗(たかはしだいと)

1980年12月16日秋田県阿仁町生まれ、24歳。171cm、63kg 北海道東海大学卒業、土屋ホームスキー部所属。2003−2004ワールドカップ・ラハティ大会優勝、2004−2005ワールドカップ・札幌大会2位、第19回オリンピック冬季競技大会(2002/ソルトレークシティー)個人スプリント6位、2005年全日本選手権優勝


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