コラム/インタビュー

アスリートメッセージ

通常、夏には完全にウエークボードの選手に切り替えて、活躍する成田選手。
「スノーボードとウエークボードは両方とも彼女にとってはメイン。だから夏はまったくスノーボードの練習をやらないんです。ほかの選手は海外に行ったりして、スノーボードの練習をするみたいだけど、夢露はどの選手よりも滑っていないんじゃないかな(笑)。でも雪の感覚は3日から最大でも1週間も滑れば戻せますね」
と隆史さん。とはいえ、まったくウエークボードとスノーボードを切り離しているわけではない。世界でも成田選手にしかできないオリジナル大技、回転の途中に屈伸から伸身に変わる2回転の『メロウ・セブン』はウエークボードから生まれた。これについて成田選手はこう説明する。

成田夢露「メロウ・セブンはウエークボードに似たような技がありますが、それを角度を変えてみたらどうかと思いました」
メロウ・セブンは非常に飛距離が出るため、ここ一番の勝負をかけるときに使う。
「ウエークボードはたてに回転して、高さを出すでしょう。ウエークボードにヒントを得た高さのあるメロウ・セブンは勝負するときに使えます」

隆史さんは幼いころから童夢選手、夢露選手、緑夢選手のこの3兄弟にありとあらゆる英才教育をほどこしてきた。今もストリートダンス、乗馬、トランポリンと監督の隆史さんがいいと思ったものはすべて練習に取り入れるようにしてきた。今は2010年のバンクーバー冬季大会に向けての大技をトランポリンで開発中だ。

「この技ができると、ほかの技がとても簡単になるはずです」と語る成田選手の腕には技を開発するにあたってできた大きな痣が両腕に痛々しくあった。そして何よりも異色のトレーニング方法として取り入れているのは歌だ。
「歌というのはメンタルトレーニングになります。この間、夢露はカバーチャージ3000円のところでジャズを歌いました。全然知らない人を魅惑することが競技にもつながっていくと思うのです。スノーボードも1分間のショーですからね。もちろんリズム感も養われますし」と隆史さんはいう。

スノーボードの決勝進出者にだけ許される特権、それは自分の好きな曲を選べることだ。間違いなくトリノ大会で決勝に進出すると決めている成田選手と監督は、成田選手自らが作詞した『夢』をオリンピックの決勝でも流す予定だ。今まで歩んできた道のりや今の心情をていねいにつづった歌詞をヒップホップ調の曲にのせ、一気にテンションをあげていくという。

「トリノ冬季オリンピックは人生の通過点」という成田選手だが、大会に向けての意気込みについては、 「常にマイペースでベストを尽くしたいと思っています。どんな小さなことでも気を抜かず、すべて自分の力にしていきます」 と成田選手はきっぱり答えた。

成田夢露

『夢』
作詞・成田夢露

1,2,3,4 ガンガン ズンズン グイグイ 上昇
5,6,7,8 毎回 ビッグ キック Check yeah
夢に描いたショータイム デカイ理想は夢じゃない
スタート前の深呼吸 パイプショーでmaking making dream
跳ね上がれ舞い上がれ 魔法のジュータン ボードに変えて
フロント・バックとかっ飛ばす インディ・メソッド・720°
戦場・炎上・技・特上 燃えた瞳が物語る
強い味方がmellowな売り 夢に向かってフルパワー
あの頃夢見描いた世界は 今この手の中に
夢・感動・ファンタジー My dreamトリノオリンピック

 

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成田夢露(なりためろ)

1987年10月26日大阪府大阪市生まれ、17歳。身長154cm、体重48kg。 5歳でモーグルをはじめ、6歳でスノーボードとウエークボードに転向。史上最年少の小学校6年生でプロスノーボーダーに認定され話題となる。2002年ISFジュニアスノーボード選手権優勝、2004年スノーボードワールドカップ女子ハーフパイプ総合6位、2005年スノーボードワールドカップ女子ハーフパイプ総合優勝。ウエークボードのプロ選手としても活躍。2001年秋田ワールドゲームズ優勝。“夢”くらぶ所属。


(公開日:2005年7月14日)

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