コラム/インタビュー

アスリートメッセージ

4人兄弟の末っ子である加藤選手は3人の兄がみなスケートを習っていたこともあり、小学校1年生からクラブでスケートを始めた。彼の育った山形県は雪国ということもあり、一見スケートが盛んな地域のように思われるが、加藤選手いわく、
「全然盛んではなかったですね。最近では増えてきているのかもしれませんが、自分のときはそんなには・・・・・・。クラブには同じ年の人もいなかったですし」

高校は山形県内で唯一スケート部があった山形中央高校に進学。そして全日本高校総体スケート競技大会において史上初の3連覇を成し遂げ、一気に全国トップレベルの選手にまで登りつめた。そして高校3年生の時に出場したワールドカップ競技会ソルトレークシティー大会では500メートルで2位、34秒88の世界ジュニア記録を樹立する。
「かなり優秀な先生が学校にいて、少人数で教えて貰えたのが良かったのだと思います。2歳上の兄貴が高校2年生ぐらいから表彰台に立っていましたし、身近に優勝候補の選手がいたっていうのも大きかったのかもしれません」

高校卒業後は清水宏保選手をはじめ、数々のオリンピック選手を輩出した名門、日本電産三協精機スケート部に所属。現在、自己ベスト記録は34秒75だが、これは納得できる数字ではないという。
「昨年、調子が悪かったために自己ベストを更新することができませんでした。本当に記録が出なくて苦労しました。清水宏保選手が持つ世界記録34秒32に比べると断然遅い。この記録ではメダルは無理ですね。ただ記録ってリンクによってかなり左右されます。カナダのカルガリーやアメリカのソルトレークシティーなどは標高が高く、空気抵抗も少ないので高速リンクと呼ばれて記録が出やすいリンクです。こういった所であれば確実に自己ベストを上回ると思います」

現在加藤選手のトレーニングは有酸素運動が中心。ボクシング、ボート、フィギュアスケートなど、まったく異質な競技もトレーニングとして取り入れている。
「いろいろな競技を試してみたいです。格闘技をやって違う動きをしてみたりとか。フィギュアスケートもスピードスケートと靴がまったく違っていましたし、面白かった。あとはショートトラックをやってみたいですね」

スピードスケートの選手といえば、強靱なバネともいえる発達した筋肉の太ももが身体特徴として挙げられるが、加藤選手は55センチと細め。
「ほかの選手は蹴って漕いで進むみたいですが、自分は体全体を使って滑るタイプだからあまり関係ないのかもしれません。使える筋肉はいくらでもあったほうがいいですけど、余計なものはつける必要ないと思います」
と頼もしい発言。トリノ冬季オリンピック本番まではあまり気負わず、細かいことを考えずにいこうと思っているそうだ。

「内定が決まった瞬間から“オリンピックに出場するのだ”と考えていたら疲れてしまいます。これから練習を重ねていくうちにオリンピックのことを考えていけばいいのですから。練習も細かいことは変えるかもしれませんが、ほぼ例年通りになるでしょう。出場する大会も内定が決まっているので、ある程度こちらで決められますので気持ちも楽です」

最後に聞いてみた。やっぱり狙うは金メダル?
「はい。狙うって言っていますからね。まあ言わされちゃっているということでもありますが(笑)」
加藤選手のトリノ冬季オリンピックに向けてのスタートはまだ切られたばかりだ。


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加藤条治(かとうじょうじ)

1985年2月6日山形県山形市生まれ、20歳。身長1m64cm、体重60kg。
山形中央高校卒業後、日本電産三協精機スケート部に所属。2001年〜2003年まで全日本高校総体スケート競技大会500m3連覇。2002年全日本スプリント選手権大会総合2位、ワールドカップ競技会ハルピン大会500m2位、2003年ワールドカップ競技会ソルトレークシティー大会500m2位(34秒88で世界ジュニア記録樹立)、2003年ワールドカップ競技会総合成績500m3位。2005年世界距離別選手権(ドイツ・インツェル)男子500mで優勝し、トリノ冬季オリンピック国内内定第1号となる。


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