コラム/インタビュー

アスリートメッセージ

金子委員長が指導にあたる東京シンクロは1988年ソウル大会で銅メダルを獲得した小谷実可子さん、田中京さんなど多くのトップアスリートを輩出した名門。
「前のクラブでは週4回、2時間ぐらいの練習でしたし、目標も全国大会を目指すという感じ。対して東京シンクロは世界に目を向けている、世界に出て行く選手を育てているクラブでしたので、練習もまったく違いましたね。なによりもオリンピックに出場した選手が身近にいますし、金子先生に見ていただくことも夢のようなこと。恵まれているな、ありがたいことだなと思いました。本当にこうして今、シンクロを続けているのも金子先生のおかげですから」
と鈴木選手はいう。

すらりと長く伸びた足は足技を多く見せるシンクロにとってまさに恵まれたもの。金子委員長は「日本人ではまれな脚線美」と絶賛する。

「彼女のすばらしさはなんといっても脚線美。世界でもあまりいないくらい足が細くてきれい。その脚線美を使ったスピン(倒立の回転)のうまさが彼女の特色なのですが、困ったことに痩せる時には足から痩せてしまうので、糸のように細くなってしまう」
と金子委員長。

シンクロというと1日8時間〜10時間はプールで練習し、相当な体力がいることから、シンクロの選手は全員が1日で成人男性の2日分を食べているような印象を持たれがちだが、実はかなり個人差がある。
「そんなに食べることでは苦労していないですね。練習のときは10時間ぐらいプールの中にいますが、ものすごくたくさん食べなくてはいけないということはないです」
と鈴木選手。鈴木選手の摂取カロリーはだいたい1日2500〜3000キロカロリー程度。成人女子に比べると弱冠多いぐらいである。

金子委員長は次のようにいう。
「彼女の場合、168cmで体重57kgがベスト。普通の人よりも太めですが、それでないとやっていけません。7月の世界選手権では1大会で10回ぐらい登場しなくてはいけなくなると思いますが、いままで10回もひとつの大会で演技する選手っていなかったんです。世界選手権では痩せつづけてしまうと思うので、いまから体力を補っていかなくてはいけません。練習もハードなので、練習の合間に補食をとって体力を保たせています」

2人の兄と末っ子の鈴木選手、3人兄妹という環境で育ってきたせいか、こびるところもなく、さっぱりとした性格で後輩の面倒見もよい。新たに戦友となった原田選手とペアを組むのは2002年の日本選手権以来2度目だが、デュエットは二人の息がぴったりあわないと大きく採点に影響する。そのあたりの苦労はないのだろうか。
「ジュニアのころからずっと一緒に練習してきましたし、一緒にいる時間も家族以上。細かい部分はこれからですが、チームでもやってきましたから、大きな苦労はないですね。原田さんとは練習のことからプライベートまで何でも話しますよ」

2008年の北京大会に向けた目標は悲願の金メダルと、おのずとプレッシャーもかかってくるはずだが、
「オリンピックを一区切りにするというよりも1年1年を大事にしたいと思います。アテネ大会が終わったら、次は北京大会ではなく、次は世界選手権やワールドカップといった具合に1年ごとにある大会を目標にしていきたいです。当面の目標は7月にある世界選手権です」
とあくまでマイペース。

「いままですばらしい先輩たちに教えていただいたナショナルチームのありかたや気持ちの持ち方を今度は後輩たちに伝えていけるようになりたいです」
頼もしいエースがここに誕生した。


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鈴木絵美子(すずきえみこ)

1981年11月12日 埼玉県生まれ 23歳。身長1m68cm、体重58kg アテネアクアメイツから東京シンクロクラブに移籍。私立淑徳巣鴨高校、日本大学経済学部を経て、現在、ミキハウス所属。1999年国際大会USオープン(ナショナルジュニア代表)チーム1位、2001年世界選手権(ナショナルAチーム代表)チーム2位、2002年ワールドカップ(ナショナルAチーム代表)チーム2位、2004年アテネオリンピックチーム2位。今年7月にカナダ・モントリオールで行われるシンクロ世界選手権ではチームのキャプテンとしてチーム、フリールーティーンコンビネーション、デュエット、ソロと4種目に出場する。


< アスリートに質問! 鈴木絵美子選手からの回答 >

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