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バンクーバー2010


見どころ

「リュージュ」とはフランス語で木ぞりのことで、ドイツ、オーストリアでは「ローデル」、アメリカ、カナダでは「トボガン」と呼ばれてる。競技は、そり遊びから発展したもので、ハンドルもブレーキもない強化プラスチック製のそりに仰向けに寝て、足首ではさんだそりの先端(クーへ)を押し込むようにして、操作しながら滑走の速さを競うものである。オリンピックでは1964年の第9回インスブルック大会から正式競技となり、競技そのものを示す用語として用いられ、国際的にリュージュと称される。

競技方法

オリンピックの種目としては、男子1人乗り、女子1人乗り、2人乗りの三種目がある。
スタートは、そりに乗ってコース横の金属製のグリップを握り、そりごと前後に動いて反動をつけて飛び出す。さらに飛び出したとき、スパイクのついた特殊のグローブで両横の氷をかき、スピードをつけてダッシュする。選手がそりの加速をつけられるのは、この2動作だけで、後は仰向けにそりに寝て足でクーヘを抑え、空気抵抗をできるだけ少なくした姿勢で滑走する。恐怖感から頭が上がると空気抵抗が増えてタイムロスにつながる。カーブでのコース取りをいかに巧みに行い、減速を最小限に抑えることができるかが見せ所となる。2人乗りは、体の大きい選手が前、小さい選手が後ろに乗り、前の選手の動きを後ろの選手が感じ取りながら、2人があたかも一体の様になって滑るのである。
滑走タイムは1/1000秒まで計測される。距離にすると僅か3cm程である。オリンピックでは一人乗りは二日間で4回滑走、二人乗りは一日で2回滑走し、その合計タイムで順位を決める。そりの重量は1人乗りが男女とも21〜25kg、2人乗りは25〜30kgの範囲に制限されているが、選手の体重には制限はない。また、選手は、規則に従って重り(男子13kg以下、女子10kg以下)をつけることが許される。
会場(ウィスラー・スライディング・センター)は、直線的で高低差があり、史上最もスピードの出るコースとなり、選手にとってはタフな戦いになることが予想されている。

今大会の見所

リュージュ競技はそり遊びから発展しただけに、親しみやすい感じがあるが、ヨーロッパはさすがに強い。日本は男子1人乗りで10位台前半に食い込めるか、今季より1人乗りに復帰したソルトレークシティー、トリノ大会代表の小口貴久選手に期待がかかる。女子はトリノ大会に引き続き代表となった原田窓香選手の滑走に期待がかかり、入賞が期待されている。また初出場となる安田文選手も今季の滑りに安定感が増しており、10位台前半に食い込めるか否かが注目される。今季の日本チームは、JAXA・東大の協力の下、そりの開発も手がけた。またそりやユニフォームのデザインも中村哲也氏による「最速」をテーマとしたものを使用することとなり、これまで以上に速さを追求した戦いに挑戦しようとしている。

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