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第21回オリンピック競技大会(2010/バンクーバー)

バンクーバーオリンピックを終えてフィギュアスケート 浅田真央


ショートプログラムで笑顔を見せる浅田選手
写真提供:アフロスポーツ

私の初めてのオリンピックシーズンは、思うような結果が出せない事から始まり、今までにないほどの悩みや焦りをとても強く感じたため、昨年末の全日本選手権でオリンピックの切符を手に入れた後は、本当にバンクーバーオリンピックに出場できるんだ!と毎日嬉しさをかみしめていました。
そして、年が明け、オリンピック代表のウエアが届いた時からは、あれこれ段ボールで送られてきたものを試着して、毎日ファッションショーの日々でした。これが、今までテレビで見てきた夏冬オリンピックの選手団が入場行進する時に着用してきた公式ウエアなのだ、と考えると、本当に代表になったんだ!と更に嬉しさが増し、早くこれを着て日本代表として出場したい、大きな舞台で最高の演技をしたい、と強く思うようになりました。
2月に入ってからは、中京大学で時差調整をしながらの練習を始めました。早朝からリンクを開け、製氷していただくなど柔軟な対応には本当に感謝しています。そこで、充分納得のいく練習ができたために、悔しさも残る結果ではありましたが、日本に銀メダルを持ち帰れたのだと思います。
バンクーバーでは、選手村で生活しました。フィギュアスケートの選手だけでなく、他国、他競技の選手が滞在しており、食事も各国の料理が並び、ゲームなどの施設があったり、ショップもあったりと、さまざまな国の代表選手同士が暮らす、まさに選手の村でした。私が今まで体験したことのないような素晴らしい体験ができ、とても感激しました。


フリーでは2回のトリプルアクセルを成功させた
写真提供:アフロスポーツ

競技は、昨年同じ会場で試合を経験していましたが、やはり自分が思っていた以上にどこかで緊張はあったようで、集中を少し欠いた瞬間にミスをしてしまいました。冷静になって考えると、あれがオリンピックというものかもしれないと今は思います。普段はしないようなミスが突然襲ってくる。しかし、それも初オリンピックでの経験として次へのステップにしていきたいと思っています。
代表に決まってから、オリンピックが終わるまで、今までのどの大会でも味わったことのないような喜びや緊張を味わいましたが、目標の一つとしていた「オリンピックを楽しむ」ことは充分達成できたと思いますし、次のオリンピックも出場できるよう努力し、またあの素敵な場所へ行ってみたい、と思っています。
最後に、私がそんな素敵な体験をできたのも、今まで支え続けてくれた方々のおかげだと感謝しています。皆さん、ありがとうございました。

PROFILE

浅田真央(あさだ まお)/フィギュアスケート

バンクーバー冬季オリンピック フィギュアスケート
女子銀メダリスト
1990年9月25日 愛知県生まれ
5歳でスケートを始める。2005年世界Jr.選手権で優勝後シニアへ。 2005年GPファイナル初優勝。2007年世界選手権準優勝。2010年世界選手権優勝。オリンピックシーズンの2009年GPシリーズは振るわなかったが、年末の全日本選手権は4連覇となる優勝。2010年四大陸選手権優勝を経て、バンクーバーオリンピック銀メダリストとなる。


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