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セーリング日本代表選手
富澤慎選手(男子RS:X級)、小菅寧子選手(女子RS:X級)、飯島洋一選手(レーザー級)

富澤慎選手

小菅寧子選手

小菅寧子選手
写真提供:日本セーリング連盟

3月5日付でJOCが認定したセーリング日本代表選手は4艇種6種目の9選手。その中で今回の北京オリンピックから初めて採用される種目がRS:X級です。

RS:X級とはウインドサーフィンのこと。軽風では"パンピング"という動作でセイル(帆)を前後に動かし、あおって前に進むことができるのが、他のセーリング種目とは大きく異なります。30名程度の選手が一斉にスタートするため、他のヨットとの位置取りや駆け引き、パンピングのうまさや体力が勝負のポイントです。

このRS:X級の代表に選出されたのが、ともにオリンピック初出場の富澤慎選手(23歳)と小菅寧子選手(33歳)です。

「8位入賞を目指します」と北京オリンピックでの目標を語る富澤選手は、高校生のころに頭角を現し、2007年全日本選手権1位、同年アジア選手権3位、同年プレオリンピック10位、2008年世界選手権18位の成績を残しています。「正直メダルはまだ遠い目標ですが、最後まで諦めずに僕の特徴でもある粘り強いレースを見せたい」と北京に向けての意気込みを語ってくれました。

また、大学からウインドサーフィンを始め、2000年のシドニー、2004年のアテネと挑戦し続け、今回念願のオリンピック出場をつかんだ小菅選手は、「狙うは(表彰台の)一番高い所です」と北京での金メダルへの思いを力強く言葉にしてくれました。2007年は、全日本選手権とアジア選手権で優勝、プレオリンピックでは8位に入賞という成績だけに、まさに表彰台は夢ではありません。「成績にムラがあるので、全体的なレベルアップを図っています」と、現在は筋力トレーニングと海上トレーニングを繰り返す日々を送っています。

世界中に最も普及している艇種であるレーザー級の飯島洋一選手(29歳)もまた、オリンピック初出場を勝ち取りました。

アテネオリンピックでは代表を逃した苦い経験のある飯島選手は、家業を手伝いながら練習時間や海外遠征をやりくりするという厳しい状況下で北京までの道のりを歩み、2005年全日本選手権3位、2006年アジア大会2位、2008年世界選手権では日本人最上位(64位)となり、念願の北京への切符を手にしました。

「僕がここまで来られたのは多くの人の協力があったから。大会当日は、これまで協力してくれたすべての人たちに恩返しをするつもりで頑張ります」と北京での抱負を語ってくれました。

約4カ月後の8月9日〜21日、セーリング会場となる青島オリンピックセーリングセンターには、それぞれの選手がそれぞれの思いを波に乗せて一心にゴールを目指す姿があるでしょう。風の向きや強さ、潮の流れなど自然と戦う彼らの挑戦を応援したいと思います。

(編集部)