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アテネ2004


スペシャルコラム

勝ちたい気持ちを気迫に込めて

原田裕花さん

バスケットボールの日本代表チームの初戦が8月14日ヘリニコインドアアリーナで行われた。 対戦相手は2m近い身長の大型選手を揃えた、世界ランキング4位のブラジルだ。
日本は第1クォーターは健闘し、手応えが感じられたものの、第2クォーターからは世界のトップチームらしい強さと高さや早さ、そして身体能力の高さを見せつけて、ブラジル128対日本62と日本チームは完敗した。
まさかここまで差がつくとは・・・・・・。
敗因には日本らしさが出せなかったことが挙げられる。「日本の持ち味」を出すための材料はいろいろあるが、参加国で一番平均身長が低い日本チームの最大の武器である外からのシュートが2本しか出なかった。外からのシュートが確立されればいい試合ができるようになるはずだ。
ゲーム前のアップ時、選手たちの表情に笑顔が見られなかったのも気になった。
しかし苦しい試合のなかで、高さが要求されるセンターで、浜口、永田の2選手がスリーポイントシュートを2本決め、がんばってブラジルの選手から点を取った。このポジションで日本選手の身長は180cm前後、ブラジルは190〜200cm。手を伸ばした時の大きさは、日本の選手から見ればまさにそそり立つ動く壁。圧倒されながらも果敢にリングに攻め込んでついていった。

試合翌日の練習では、世界の強さがわかって対処の方法が見え、落ち着きも出てきたようだ。
オリンピック初日はバスケットボールだけでなく、女子のチームスポーツがいずれも敗退。苦しいスタートとなってしまったが、勝ちたい気持ちを気迫に込めてこれからの試合でもっと出して欲しい。終わったことを悔やむより、いい意味で開き直って前を向いて、新たな気持ちで試合に臨もう。

8月15日は、たまたま街中を走る自転車のロードレースのコースの目の前にあるカフェにいて、偶然カラフルなユニフォームの選手が集団で走る様子を見た。現役の時とは違い、いろいろな競技が自分の周りで身近に行われていることを実感し、オリンピックの素晴らしさを改めて感じた。

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