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第28回オリンピック競技大会(2004/アテネ)

スペシャルコラム

緊張の中で戦うということ!

青島健太さん

「今まで生きてきた中で一番幸せです」と語って一躍人気者になったのは、バルセロナ大会競泳の金メダリスト、岩崎恭子さんだ。
当時14歳の岩崎さんがその喜びを最大限に表現した、まさに名言だと思うが、3回目のオリンピックで念願の金メダルを手にした男は、そのフォーマットを借りながらも、まったく違う方向からその喜びを語った。
「今までの人生で一番緊張しました。もう演技の前には卒倒するかと思いました」  
28年ぶりに日本に金メダルをもたらした男子体操競技団体の選手たち。決勝の一番最初、トップバッターで「ゆか」の演技を行った塚原直也選手がその時の状態を、そう表現したのだ。
卒倒しそうな緊張に襲われていたのは、塚原選手だけではない。おなじく「ゆか」に登場した中野大輔選手も同じだった。
「緊張して、もう身体がフワフワ浮いているような感じでした。今でも自分がどんな風に演技していたのか、まったく思い出すことができないんです」  
1984年、ロサンゼルス大会で10点満点を出して金メダルを取った森末慎二さんは、かつてこんなことを言っていたことがある。
「あの時にもう一度戻りたいなんて思ったことはないですね。もう心臓が飛び出しそうな緊張感。もし戻るとしたら、演技を終えて着地した瞬間以降にしたい。演技の前には絶対に戻りたくないですよ」  
オリンピックを緊張しないで戦うなんてことはおそらくあり得ない。いや、オリンピックで戦うべき相手は、実は緊張に襲われる自分自身なのだ。  
緊張とは頭のいうことを身体が聞かなくなる状態のことだ。頼りになるのは、気も遠くなるほどの練習で身体に覚え込ませてきた動き。  
だから「練習はウソをつかない」とも言うのだ。  世界中のアスリートが自分の緊張と戦う。それがオリンピックだ!とも言えるだろう。

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