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オリンピック憲章 Olympic Charter 1996年版 (財)日本オリンピック委員会

69.開会式および閉会式*

  • 開会式および閉会式は、IOCが定めたプロトコールに従って開催されなければならない。
    開会式は、オリンピアード競技大会とオリンピック冬季競技大会の競技の1日以上前には行わないものとする。閉会式は、オリンピアード競技大会とオリンピック冬季大会の競技の最終日に行なうものとする。

    このような式典の詳細なプログラムは、OCOGが提案し、IOC理事会に提出して承認を得なければならない。

規則69付属細則

  • 1- 開会式
    • 1.1- オリンピック競技大会の開会宣言は開催国の国家元首によっておこなわれるものとする。
    • 1.2- 開催国の国家元首は、スタジアムの入口でIOC会長およびOCOG会長の出迎えを受ける。両会長は、そのあと同国家元首を貴賓席のボックスへ案内する。
    • 1.3- 参加者の行進がこれにつづく。各選手団は、公式ユニホームを着用し、選手団の名が書かれたプラカードに先導され、選手団の1人がもつ選手団の旗とともに行進する。
      参加選手団の旗およびプラカードはOCOGが提供するもので、かつおなじ大きさでなければならない。
      プラカードを掲げもつ先導者は、OCOGが指名する。
    • 1.4- 行進に参加する者は、旗、のぼり、吹き流し、カメラ、その他の人目につくアクセサリーや品物で、公式ユニホームの一部ではないものをもっていてはならない。
    • 1.5- 選手団は開催国の言語でのアルファベット順にパレードする。但しギリシャと開催国は例外で、ギリシャは行進の先頭に立ち、開催国は最後尾とするものとする。
      1選手団につき最高6名の役員に先導される。この行進に参加できる者は、オリンピック村に宿泊する権利をもってオリンピック競技大会に参加する選手のみとする。
    • 1.6- 選手団は、貴賓席のボックスまえを通過する際、開催国の国家元首ならびにIOC会長に敬礼をする。
      各選手団は、行進が終われば指定された席につき、セレモニーを見物する。但し、旗手だけはそのままフィールドに残る。
    • 1.7- IOC会長が、OCOG会長に伴われて貴賓席正面のフィールド上に設けられた演壇にすすむ。OCOG会長が最高3分間の祝辞を述べ、つぎのように、つけ足す:
      「私は、国際オリンピック委員会会長、・・・・・・氏をお招きする栄誉をえました。ご挨拶をいただくことにいたしましょう」
    • 1.8- つぎに、IOC会長が挨拶し、こうつけ加える:
      「私は、第・・・・・・回、近代オリンピアード競技大会(もしくは、第・・・・・・回オリンピック冬季競技大会)の開会宣言をお願いするために、・・・・・・(開催国の国家元首)・・・・・・をお招きする栄誉を得ました」
    • 1.9- 開催国の国家元首は、つぎのように開会宣言をする:
      「私は、・・・・・・(開催都市の名前)・・・・・・で開催する第・・・・・・回近代オリンピアード競技大会(または、第・・・・・・回、オリンピック冬季競技大会)の開会を宣言いたします」
    • 1.10- オリンピック讃歌が演奏されている間に、水平にひろげたオリンピック旗がスタジアムに運ばれ競技場内に立てられた旗竿に掲揚される。
    • 1.11- オリンピック・聖火が走者たちのリレーによってスタジアムに運びこまれる。最後の走者がトラックを一周し、オリンピック聖火に点火する。聖火はオリンピック競技大会の閉会式まで消されてはならない。聖火への点火につづいて、平和を象徴する鳩が解き放たれる。
    • 1.12- すべての選手団の旗手が、演壇のまわりに集まって半円形をつくる。開催国の競技者ひとりが演壇に上がる。彼は、左手でオリンピック旗の端をもち、右手を挙げて、つぎのように厳粛に宣誓する:
      「私は、すべての選手の名において、われわれがこの大会を律するルールを尊重し、これを守り、真の意味でのスポーツマンシップにおいて、スポーツの栄光とチームの名誉のためにこのオリンピック競技大会に参加することを宣誓いたします」
    • 1.13- そのすぐあとに、開催国からひとりの審判員が演壇に上がり、同様にしてつぎのように宣誓する:
      「私は、すべての審判員および役員の名において、われわれが真の意味でのスポーツマンシップにおいて、この大会を律するルールを尊重し、これを守り、完全な公平さをもってルール通りにこのオリンピック競技大会の競技を進行させることを誓います」
    • 1.14- つぎに、開催国の国歌が演奏される(または歌われる)。そのあと、旗手たちは彼らのために確保されている指定席にすすみ芸術プログラムを見る。
    • 1.15- オリンピック競技大会の副開催地での第二の開会式をIOCが承認する際には、OCOGの提案にもとづいてそのプロトコールをIOC理事会が決定するものとする。
  • 2- 閉会式
    • 2.1- 閉会式は、すべてのイベントが終了したのちにスタジアムでおこなわれなければならない。オリンピック村に宿泊する権利をもってオリンピック競技大会に参加した者は、彼らのためにスタンドに確保された指定席につく。
      代表選手団の旗手、および選手団名を書いたプラカードをもつ者は、1列になってそのオリンピック競技大会の開会式のときとおなじ順序でスタジアムにはいり、おなじ位置につく。彼らのあとにつづいて選手たちが国別にわかれることなく行進する。
    • 2.2- つづいて、旗手たちが演壇のうしろに半円形に並ぶ。
    • 2.3- IOC会長およびOCOG会長が演壇に上がる。優勝旗の掲揚に使用されてきた中央の旗竿の右側に立つ旗竿にギリシャの国歌の演奏にあわせてギリシャの国旗が掲揚される。つづいて、中央の旗竿に開催国の国旗が掲揚され、その間に開催国の国歌が演奏される。
      最後に、次期オリンピック競技大会の開催国の国旗がその国歌の調べにあわせて左側の旗竿に掲揚される。
    • 2.4- 開催都市の市長がIOC会長のいる壇上に上がり、オリンピアード競技大会のためには1920年にベルギーのオリンピック委員会によって寄贈された旗を、オリンピック冬季競技大会のためには1952年にオスロ市によって寄贈された旗をIOC会長に手渡す。
      IOC会長はその旗を次期オリンピック競技大会の開催都市の市長に手渡す。この旗は、次期オリンピック競技大会までの間、その開催都市の主要な市庁舎に掲揚されていなければならない。
    • 2.5- OCOG会長の挨拶のあと、IOC会長がオリンピック競技大会の閉会のことばを述べる。これは、つぎのようなことばで終わるものとする:
      「私は、ここに、第・・・・・・回オリンピアード競技大会(もしくは、第・・・・・・回オリンピック冬季競技大会)の閉会を告げ、伝統に従って、世界の若者にこう呼びかけるものであります。4年後には、・・・・・・(次期開催都市がまだ選定されていない場合には、都市の名前に代えて『これから選ばれる場所』という言葉を使う)・・・・・・に集まろう。そしてそこで、われわれとともに第・・・・・・回オリンピアード競技大会(もしくは、第・・・・・・回オリンピック冬季競技大会)を開催しよう!」
    • 2.6- ファンファーレが鳴り、オリンピック聖火が消され、オリンピック讃歌が演奏される間にオリンピック旗がゆっくりと降ろされ、旗竿からはずされて水平に広げられたまま競技場の外へ運ばれる。あとに旗手たちがつづく。別れの歌が鳴りひびく。