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バンクーバー2010


スキー・ジャンプ JUMP

見どころ

ヒルサイズ(Hill Size=HS)

2005年からジャンプ台の大きさを表す表記として、従来のK点 と一緒に用いられるようになった。ヒルサイズ(HS)は、テイクオフの先端からL点(着地地点の終点)までの測定距離で決定されている。選手がこの距離を越える飛行をすると、危険なため競技の続行について審判(ジュリーメンバー)が協議する。
K点が同じジャンプ台であっても、そのジャンプ台の構造によってヒルサイズは異なる。
例えば、Kuusamo(FIN) K-120/HS-142m
    Oberstdorf(GER) K-120/HS-137m
というようにヒルサイズは異なり、同じK120のラージヒルでもジャンプ台の大きさに違いがある。

K点
これまでは、ドイツ語のクリティッシュ・プンクト(英語のクリティカル・ポイント)で「極限点」の意味だったが、現在のK点はコンストラクション(建築基準点)の意味で使われている。つまり、何メートルまで飛行可能な設計をしているジャンプ台であるかを示している。
ドイツ語:Konstruction 英語:Construction

[例]
ラージヒル 大倉山ジャンプ競技場 K-120m/HS-134m
白馬村ジャンプ競技場 K-120m/HS131m
ノーマルヒル 宮の森ジャンプ競技場 K-90m/HS-100m
白馬村ジャンプ競技場 K-90m/HS-98m
ジャンプ台のサイズ別分類

ヒルサイズの項でも説明しているが、ジャンプ台の分類は、テイクオフの先端からL点(着地地点の終点)までの測定距離で決定されている。

スモールヒル K点20m〜49m
ミディアムヒル K点50m〜84m
ノーマルヒル K点85m〜109m
ラージヒル K点110m〜184m
フライングヒル K点185m以上
順位の決定

ジャンプ競技は、いかに遠く、そして美しく飛ぶことができるかが 順位を決める重要な要素になる。飛距離点(飛んだ距離)と飛型点(空中でのフォーム・着地のテレマーク姿勢)の合計点で順位を決める。

1)飛距離点の算出方法
飛距離点は、そのジャンプ台のK点を基準に換算する。K点まで飛ぶと60点が与えられ、K点を越すと1mにつき決められた点数が加算され、K点まで到達しないと1mにつき決められた点数が減点される。1mあたりの点数は、ジャンプ台のK点により定められている。

K点の距離 1mあたりの点数 K点の距離 1mあたりの点数
20〜24m 4.8点 60〜69m 2.4点
25〜29m 4.4点 70〜79m 2.2点
30〜34m 4.0点 80〜99m 2.0点
35〜39m 3.6点 100m以上 1.8点
40〜49m 3.2点 170m以上 1.2点
50〜59m 2.8点
<例>
大倉山の場合(K-120m=ラージヒル)
宮の森の場合(K-90m=ノーマルヒル)
A選手の飛距離 125m  A選手の飛距離 95m
60点+(5m×1.8点)=69点  60点+(5m×2.0点)=70 点
B選手の飛距離 115m  B選手の飛距離 85m
60点−(5m×1.8点)=51点  60点−(5m×2.0点)=50点


2)飛型点の採点
飛型点は、5人の審判員によって採点される。審判員は、テイクオフ終了から(カンテから飛び出してから)アウトラインの転倒ラインを通過するまでの選手の継続した動作の中で外見の正確性、完成度、安定性及び全体の印象から採点する。
審判員は、1人の選手に対し、20点満点から減点法で採点する。5人の審判員が採点した点数は、最高点と最低点を除き、3人の審判員の合計(5審3採用)が飛型点となる。

<例>
A審判 B審判 C審判 D審判 E審判
A選手 19.0点 18.5点 18.5点 18.0点 17.5点

この場合、A審判とE審判の得点を除きB・C・D審判の得点が採用される。
18.5点+18.5点+18.0=55.0点

A審判 B審判 C審判 D審判 E審判
B選手 17.0点 17.5点 16.5点 17.0点 17.5点

この場合、B審判とC審判の得点を除きA・D・E審判の得点が採用される。
17.0点+17.0点+17.5点=51.5点

3)順位の決定
飛距離点と飛型点の合計が得点となる。通常2回のジャンプを行い、1回目の得点と2回目の得点を合計して得点の高い選手から順位が決まる。1回目終了後、天候が悪くなり、2回目がキャンセルとなった場合、1回目の成績でゲームをは成立する。(ジュリーが決定する)

オリンピックで予選が免除される選手

オリンピック開幕までのFISワールドカップランキング(スタンディ ング)トップ10は予選が免除(シード)される。
シード選手  10名
予選通過選手 40名
合計50名が本選出場し、2本目はワールドカップと同じ上位30名が進出できる。

スキーのサイズ

身長と体重の関係により使用可能なスキーのサイズが決定する「体重(kg)/身長(cm)の二乗」。ただし、身長の146%のスキーを上限とする。
<例>
身長170cm+体重57kgの選手は248cmのスキーが使用できる。同じ身長で体重が56kgと軽い選手の使えるサイズは244cmとなる。(HPのFISルール参照)
なお、ノルディック複合のジャンプスキーも同様である。

ジャンプスーツ

ジャンプスーツのすべての部分は、同一素材でなければならない。また、外側からも内側からも同一の空気透過量(1秒間に40リットル以上)でなければならない。スーツは、えりまで届くフロント中心のジッパーで閉じなければならず、ジッパーの幅は10mm以下でなければならない。
詳細はFIS競技用品規格を参照(ノルディックコンバインドのジャンプスーツも同じ)

風速の新ルール

今夏のサマーグランプリからテストしている「風速」による有利不利をなくすための「風速ルール」は、今季、限られた何戦かのワールドカップでも引き続きテストを行う。当初は、「問題がなければオリンピックでも採用する」という意見もあったが、今季は、あくまでもトライアルであり、FISジャンプ部門の統括者、W・ホファー・レース氏が「五輪の採用する予定はない」と発言している。

ジャンプ競技の基本用語

シャンツェ:ドイツ語の「Schanze」でジャンプ台のこと
アプローチ:スターティングゲートからカンテまでの助走路
カンテ:アプローチの先端に位置する踏み切り台
サッツ:ジャンプの際の踏み切り動作 「サッツを切る」などと使う
ランディングバーン:選手がジャンプをした後着地する場所。ランディングバーンの先の広いスペースはブレーキングゾーンという
V字ジャンプ:スキーの先端を開いてVの字のようにした飛行フォームのこと。高い揚力が得られることから現在の飛行スタイルの主流になっている
テレマーク姿勢:着地の際の足を前後に開き、腕を左右に開いた安定した姿勢。この姿勢をとらないと飛型点が減点される
バッケンレコード:個々のジャンプ台がもつ最長不倒距離
スタート:青のシグナルが点灯してから5秒以内にスタートしなければならない
風速とキャンセル:強風でゲームがキャンセルとなる場合、風速何メートルになったらキャンセルという取り決めはない。あくまでもその大会のジュリー(競技役員)が危険と判断した場合、風速何メートルでもキャンセルとなる
トライアルジャンパー:各開催組織委員会では、ゲームごとに8名のトライアルジャンパーを準備しなければならない
飛距離の計測位置:ブーツセンターが着地した地点

バンクーバーオリンピックで実施されるジャンプ競技の種目と日程
Individual (個人戦) Normal Hill(ノーマルヒル) 2月13日
Lahge Hill(ラージヒル) 2月20日
Team (団体戦) 4名1チーム 2月22日
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