コラム/インタビュー

『未来のオリンピアン』

オリンピックコラム

“小悪魔体験”をいかし魔物退治へ。

湯浅 賢哉(体操・体操競技)

湯浅 賢哉(ゆあさ・けんや)
第2回ユースオリンピック競技大会(2014/南京) 体操/体操競技 男子種目別鉄棒 金メダル 男子種目別ゆか 銀メダル
1998年8月19日生まれ/神奈川県出身/市立船橋高等学校2年
(取材日:2015年4月25日 text:岩本 勝暁)

スポーツは万能

もともと体を動かすのが得意だった湯浅選手。「難しいからこそできた喜びが大きい」のが体操の魅力だという(写真:フォート・キシモト)
――体操を始めたきっかけは。

 父が元体操選手で、兄2人も体操をしていました。兄たちの練習のために母が送り迎えしていたのを一緒について行って見ているうちに、僕も「楽しそうだな」と思うようになって、5歳の時から本格的に始めました。

――他の競技に対する興味は。

 自分は何でもやってみたいタイプなんです。水泳もしていましたし、バスケットボールもやりたいと言っていました。「体操でオリンピックに出場してメダルを取ったら、空手をやる」と親に宣言したことも覚えています(笑)。

――スポーツ全般が得意なんですね。

 はい、体を動かすのは得意でした。球技に関しては、高校生になると周りの友達に勝てないこともありますが、それでも体操選手の中では器用なほうだと思います。最近はサッカーのリフティングにハマっていて、最初は3回くらいしかできなかったのに、1週間練習したら80回くらいできるようになりました。

――それはすごいですね。体操の場合も、今までできなかったことができるようになる喜びがありますよね。新しい技を覚えるとテンションも上がりますか。

 はい。燃え上がったらすごいですよ(笑)。もちろん体操を始めた頃は、倒立も前転も何一つ技ができませんでしたが、少しずつできるようになって、一つ一つ技を覚えていくのはすごく楽しかったです。

――それが体操の魅力ですね。

 体操の技は簡単に真似できません。危険を伴う競技だからこそ、けがをして苦しむこともある。ただ、難しいからこそできた時の喜びが大きい。それは体操の魅力です。
 たくさんの出会いにも恵まれてきました。自分の体操は一人でできたわけではありません。小さい頃からクラブや合宿でたくさんの先生方に教わってきました。また、そこで出会ったたくさんの友達から学んだこともあります。たとえば鶴見ジュニア体操クラブには白井健三選手がいて、ゆかがすごく上手だった。僕は最初ゆかが苦手だったけど、上達できたのは健三くんや仲間たちのおかげです。特定の誰かではなく、出会えたみんなによって自分の体操が作られてきた。
 いろいろな経験をしてきて、やっぱり体操が好きだと感じますね。

ライバルの存在

同世代のライバルと切磋琢磨しながらさらに上を目指す(写真:魚住貴弘)
――同じ市立船橋で同級生の谷川翔選手とは仲良しコンビとして話題になりました。ライバルがいるからこそ、自分自身も成長するということですね。

 みんなが強くなれば、その分だけ技を盗むことも増えます。自分も他の選手に「どうやるの?」って聞かれたら教えてあげますよ。
 (谷川)翔は自分と違って柔らかくてきれいな体操をします。頑張っても真似できないくらい柔らかさに長けている。見習うべき要素を持っています。

――今まで体操をやってきて、やめたいと思ったことはないのですか。

 たくさんあります(笑)。けがをして思いどおりに練習ができない時は嫌だなと思います。あとは友達と遊ぶほうが楽しいと思うこともある。でも、自分の中で気持ちが体操に向いている時は、他のことをほったらかして体操に集中しています。そんな時は、やっぱり体操が好きだなと思いますね。でも、やめたいと思ったことは何度もありますよ(笑)。

――どうやって気持ちを切り替えるのですか。

 テレビなどでうまい選手の演技を見ると、「負けられない」「頑張らなきゃ」という気持ちになります。オリンピックの映像を見た時も、「自分もこういう舞台で活躍したい」と感じました。

――特に好きな選手は誰ですか。

 僕が好きなのは田中佑典選手の体操です。きれいな体操をする選手は他にもいますが、田中選手はその中でも特にきれい。いつも冷静で落ち着いていますし、憧れます。

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