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『未来のオリンピアン』

オリンピックコラム

“小悪魔体験”をいかし魔物退治へ。

湯浅 賢哉(体操・体操競技)

ユースオリンピックの体験

ユースオリンピックでは鉄棒で金メダルを獲得。緊張感の中で貴重な経験をした(写真:フォート・キシモト)
——昨年、ユースオリンピックに出場して感じた、他の国際大会との違いはありましたか。

 まったく違いました。開会式にも出ましたが、規模が大きくて本物のオリンピックのように感じました。選手村も含めて、すべてが今までと違っていた。演技の時は緊張しないタイプですけど、すごく緊張したことを覚えています。

——初めて味わう感覚ですか。

 それまでの試合では、演技に支障が出るほど緊張することはありませんでした。ユースオリンピックの前にけがをして満足に練習が積めなかったことや、インターハイとはルールも違うので、演技構成も変えなければいけなくて、準備をし切れていなかったことも影響していたのかもしれません。
 でも、なかなかこれだけの大きな試合はないし、体操競技の男子は僕一人しか出場していませんでした。その意味でも、いい経験ができたと思っています。

——心細さはなかったですか。

 国際大会では複数の日本人選手と一緒に行くことが多いのですが、そうするとどうしても日本人同士でしゃべってしまいます。でも、ユースオリンピックでは一人しかいなかったので、他国の選手と話したり、一緒にご飯を食べたりする機会が多かったです。心細いところはあったけど、一人だからこそたくさんの人と触れ合うことができました。

——海外選手と仲良くなれましたか。

 ユースオリンピックの前に、コロンビアの代表選手が日本で合宿をしていて、そこから仲が良くなりました。お互いに片言の英語でも、言いたいことは何となく伝わったんです(笑)。日本語とスペイン語を教え合ったりして、日々を楽しく過ごしました。

2020年を楽しむために

2020東京大会では日本代表を引っ張る存在になりたいと意気込む(写真:魚住貴弘)
——湯浅選手の長所は。

 それほど大技があるわけではないのですが、失敗が少ないところは長所だと思います。今後、日々の練習をしっかり頑張っていけば、オリンピックも夢ではないと思っています。2020年の東京オリンピックでは、日本代表チームを引っ張っていける存在になれるように頑張ります。

——ロンドンオリンピックの時は、内村航平選手の「オリンピックには魔物がいる」という言葉が話題になりました。湯浅選手もユースオリンピックを経験し、オリンピック本番をイメージできたのでは。

 ユースオリンピックはオリンピックに比べれば規模も小さく、それこそ“小悪魔”くらいなのかもしれません(笑)。小さい頃からオリンピックで活躍することを目標に頑張ってきました。その場に立った時に緊張するのか、それとも今までの経験が勝るのか、それはその時になってみないとわかりません。とにかく、その場を楽しんで演技ができるように頑張ります。

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