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トリノ2006


スペシャルコラム

難易度の高いコースと戦う選手たち

川端絵美さん

2月15日までアルペン会場は雲一つない晴天が続き、選手も関係者も最高の気分だったと思う。
今回のコース、特に女子のスピード系種目(滑降・スーパー大回転)の会場は、昨年のプレ大会で「難易度がない」と選手たちから声があがり、各所に人工的にウェーブ(斜面変化)や、女子では初めてと思われるハーフパイプのようなバンクが作られた。晴天ならいいが、曇りや雪になると斜面の凸凹が判断しにくくなる。さらに距離も平均時速90km近くで滑り降りるのに2分近くかかる長いコースで、体力的には陸上競技でいえば1500mを全力で走るのと同等の力が必要だ。
レースの日が晴天である事を祈っていたのだが、何と、前日の16日から大きな低気圧が会場周辺を通過し、前日までの天気が嘘のような悪天候になった。それでも滑降は薄曇りのなか行うことができたが、その後は日程がズレにズレていった。


写真提供:アフロスポーツ

スピード系は技術系(回転・大回転)に比べ天候に左右されやすく、日程や時間変更に慣れている選手たちとはいえ、毎日コースに出て、レースへの気持ちを持続させるのは大変だと思う。17日間の大会日程の中で「競技によっては天候による延期の可能性がある」ということはあまり考慮されていないように思えた。


写真提供:アフロスポーツ

大会日には、かつてのエースたちが会場に姿をみせ、観客を沸せた。イタリアのアルペンスキーヤーといえば、アルベルト・トンバさん。コースに立っているだけで、そこが華やかになる彼の姿は今も健在!! 女子では、デボラ・カンパニオーニさんや、長野で金メダルを手にしたアメリカのピカブーさんもいた。

各国の競技解説にはトップ選手、メダリストたちが顔を揃え、同窓会のように盛り上がっている。女子の元選手たちの話題は、結婚したのか、子供はいるのかがお決まりの話し出しというのも面白い。しかし、ひとたびレース予想となると、にこやかな目から競技者の目になり分析する。ママになっても身体に染み付いた勝負心は健在というところか。


アルペン会場で廣井選手(右)と一緒に写真提供:アフロスポーツ

大会中盤には大回転と回転に日本の選手も出場。選手たちがコースに姿をみせ、私たちも気合いが入ってきた。日本からの応援団も会場で見かけ、ヨーロッパ勢には負けないぞ!!という雰囲気があった。
選手たちに選手村の食事のことを聞くと「いつでも食べられるけど、少し時間が経ってしまったな、というのもあるかな」と言う。あらあらという感じだが、そういえば私たちが出ていた時も完璧ではなかった。
選手に「キャラクターの記念品はどこに売っていますか?」と聞かれた私は「大会も終盤になり、あちこち売れ切れになっているが、マメにのぞいてみたらどうか」と答え、ふと初めてオリンピックに出場した1988年のカルガリーで、「帰りに買えばいいよね」と一緒に出場した親友と話していたが、気に入った物を買えなかったことを思い出した。それ以来、大会に集中することが第一ではあるが、気に入った物を見つけたら早めに買うことにしている。ちなみに今回の私のお勧めはマスコットが付いた携帯ストラップ。値段も手ごろで可愛い!!と、ついついまとめ買いしてしまった。

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