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アジア大会を彩る競技

イギリス生まれのスカッシュ スピード、パワーに加え、戦術で勝負は決まる

スカッシュ
主なルール

ウォームアップ

どの競技でも、体を温めるためにウォームアップをする。だが、スカッシュでは体を温めるためだけでなく、ボールを温めるためにもウォームアップをする。二人のプレーヤーが5分間、打ち合うと決めており、この間に、摩擦などによりボールの中の空気が温まり、膨張し、よく弾むようになる。この状態でプレー開始となる。

サービス

床の上に線で描かれたサービスボックスの中に片足が両足を入れフロントウォール(正面の壁)のサービスラインとアウトオブゴールラインの間に打ち、返ってきたボールは相手側のショートラインの後ろに入らなければならない。

リターン

ノーバウンドかワンバウンドでフロントウォールに返す。この際、サイドウォールやバックウォールに当ててフロントウォールに当てたボールも有効で、床でのバウンドだけを数える。リターンの要領で、ラリーが続いていく。

ポイント

ツーバウンド以上だったり、フロントウォールに当たらなかったり、アウトオブコートラインより上やフロントウォール下部のティンに当たった場合はアウト。バレーボールと同じようにサーブ権があるときだけポイントとなり、サーブ権がないときは、サーブ権が相手に移動する。1ゲームは9点先取で決まる。8オールになるとレシーバーが1ポイント先取で勝負か2ポイント先取かを選ぶことができる。1試合は3ゲームマッチの2ゲーム先取か、5ゲームの3ゲーム先取かで行われる。

レットプリーズ

同じ平面を自由に動いて勝負するので、相手にぶつかたりすることもある。相手が邪魔になってボールを打ち返せないときは、プレーを止めてレフリーに「レット・プリーズ」とアピールする。レフリーは邪魔になった程度や、ボールの状況などを判断して、レット=やり直し、ストローク=妨害とみなしポイントを与える、ノーレット=妨害とみなさず相手のポイント、いずれかの判定を下す。

スカッシュといえば、ヨーロッパ、中でも発祥地のイギリスを中心に盛んに行われている。第二次世界大戦前まで、イギリス、オランダなどの植民地だった東南アジアの諸国にとっては日本以上になじみがあり盛んであることが、今回新競技として採用された背景にある。

日本では、1927年にイギリス大使館にスカッシュコートができたのが始まりというが、横浜や神戸で外国人クラブで行われていた程度で、このスポーツを楽しむ日本人は極めて少なかった。

日本スカッシュ協会は、71年に設立された。このころから少しずつコートもでき始め、人口も増えていった。しかし、飛躍的に伸びたのは全国にスポーツクラブができ、企業の厚生施設やリゾート地のスポーツ施設にスカッシュコートが組み込まれるようになってから。この10年日本全国のコート数が5倍に増えたという発展中のスポーツである。競技人口10万人、愛好者30万人という数字を日本スカッシュ協会は出している。

ルールはテニスに似ている。ただ、対戦相手がネットをはさんで対面するテニスに対して、スカッシュは四方を囲まれたコートでフロントウォール(正面の壁)を前にして横に並ぶ。ラケットはテニスよりやや小さく、ボールは直径4cmのゴムでできている。

とにかく横や後ろの壁に当たってもいいから、フロントウォールにボールを当てること。相手は、ツーバウンドする前に打ち返せばOKというのはテニスと同じ。その他、前ページ下の基本的なルールに沿って、勝負は決まる。

ボールを激しくたたいた時のトップ選手の初速は時速200kmにもなるという。ちなみにスカッシュ(SQUASH=英語の発音はスクオッシュに近い)の語源はボールを思いっ切りたたく時の音からきているという。しかし、ボールの弾みは鋭く、返ってくるボールは大きくスピードダウンしている。初心者でも、打ちやすくラリーを続けることができる。それだけに運動量は大きく、予想以上にきつい。

比較的簡単にラリーを続けることができる。だから、トップ選手は単にボールのスピードで勝負するのではなく、作戦面、ヘッドワークが勝負を分ける大きな要素となる。

「ここへ打てば、相手はここへ返すだろうから、その次にあっちへ打って、動かして打たせて、その次の球で勝負」  などというふうに3、4手先、ときにはもっと先まで読んでプレーを組み立てるという。まるで将棋や囲碁のように互いの打ち手を読み合うことで勝負が決まる。体力、技術に、戦術が加わらなければトップにはなれない。初心者でも楽しめるが、奥も深いスポーツ。日本スカッシュ協会では、トップを目指すスポーツとしてだけでなく、中高年までできる生涯スポーツとして、この競技をアピールしている。

インド生まれのカバティ 狩猟から発展したスポーツ

カバディ

南アジア諸国でおよそ3500年の歴史を持つカバティは、1990年北京アジア大会で、正式競技として採用され、アジア大会を彩るのに最もふさわしい競技として注目されている。

カバティは、数人で武器を持たずに、さまざまなテクニックで獣を捕まえるという狩猟法から発展した、遊戯性の強いスポーツ。コート内で行う集団鬼ごっこ+格闘技のような競技だ。

得点方法は二つあって、まず「レイダー」と呼ばれる一人の攻撃者が相手コートに攻め入り、「アンティ」という7人の守備者の一人に手足を使ってタッチして、自陣に戻ってこられれば1点獲得。また、アンティが、レイダーをコートの奥に誘導し、捕まえれば得点になる。

ちなみに、レイダーは攻撃中「カバディ、カバティ」と言い続けなければならない。途中で息を吸ったら守備側の得点になってしまうため、アンティはレイダーを自陣に戻らせないよう、全身を押さえ込んだり、妨害を試みる。このルールが格闘技を思わせるダイナミックなプレーを生ませる要因だ。

カバティは、このように頭脳プレーも要求されるため、相手の動きも読む知覚力、反射神経、俊敏さなど多くの能力が必要とされる奥の深い競技なのだ。


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