コラム/インタビュー

『未来のオリンピアン』

オリンピックコラム

吉田沙保里選手に勝ってオリンピックへ。

向田 真優(レスリング)

向田 真優(むかいだ・まゆ)
第2回ユースオリンピック競技大会(2014/南京) レスリング女子フリースタイル52kg級 金メダル
1997年6月22日生まれ/三重県出身/安部学院高等学校3年/JOCエリートアカデミー所属
(取材日:2015年4月18日 text:岩本 勝暁)

エリートアカデミーでの成長

JOCエリートアカデミー3期生として入校した向田選手。今年度で最終学年となる(写真:フォート・キシモト)
――以前『OLYMPIAN』の取材でお話を伺ったのは3年前、向田選手が中学3年の時でした。エリートアカデミーでの生活は慣れましたか。

 はい。食事もおいしいし大浴場もあるし、本当に環境が整っています。違う競技の同級生からも、いつも刺激をもらっています。

――競技面ではどんな変化が。

 シニアの試合に出るようになって、世界の強さを肌で感じられるようになりました。海外の試合に出場する機会も増えましたが、外国人選手も大変力強いので、勉強になっています。外国人選手は自分よりも一回りくらい大きいですが、つかまらないようにしようと思って動くと、戦える感じはあります。
 でも、シニアの日本人選手と戦う時は、力だけでは勝てず、技術面も大事になってきます。研究もされますし、セコンドの声も(日本語なので)相手に通じてしまいます。レスリングは日本が一番強いと言われますが、やはり日本で勝つほうが難しいです。



精神面の強化

ストレスがたまる時は「練習日誌」に思いを綴るという(写真:魚住貴弘)
――同年代とシニア。相手選手によって、プレッシャーも違いますか。

 シニアの試合で成績を残したり、ユースオリンピックに出場したりしたことで、周りの方から声をかけられる機会が多くなりました。見られている意識も強くなり、プレッシャーを感じることもありますし、自分自身では、まだまだメンタルに課題があると感じています。
 シニア選手が相手の場合、挑戦者の気持ちで臨めるので、切羽詰まるようなことはありません。でも、同年代の選手と対戦する時は、勝って当たり前と思われることもあって、緊張して体が動かなくなることもあります。

――それでも結果を出し続けている。

 でも、実際には余裕が全然ないので、試合に勝った時はホッとするんです。1ラウンド目がダメで、立て直さなければいけないこともあるように、一つの試合の中でもメンタルの波があります。精神面の強化が、今、最大の課題です。
 練習でも試合でも、ポイントを取られて頭が真っ白になることがあるんです。その後、限られた時間の中で技を繰り出さなければいけないので、気持ちが焦ってどうしても落ち着くことができなくなってしまう。とくに大会の1試合目はいつもヤマ場で、体が固まってなかなか動けません。それを乗り越えると気持ちもどんどん上がっていき、決勝に行くことに集中できるのですが、それまではどうしても弱い心が出てしまいます。

――精神面の課題をどのように克服しようとしていますか。

 私は練習が自信につながるタイプです。試合中、ピンチになっても、「これだけ練習してきたんだから」と思って勝てることがある。ですから、練習中から常に冷静になるように努めています。泣きそうになる気持ちを抑えたり、キツい時にわざと声を出したり。練習から変えていかないと、直りませんから。
 ただ、最近はけがが多く、練習できないことでストレスがたまり、レスリングが本当に嫌になることもあるんです。そんな時は、毎日つけている日誌に、自分の思いをパーッと書いています。書くとけっこうすっきりするタイプ(笑)。それを試合の前に読み返して、頭の中で自分のレスリングをまとめて臨んでいます。

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