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ソチ2014


カーリング CURLING

 カーリングはストーンと呼ばれる円形の石を、氷上約40m先の的(ハウス)に向かって、相手チームと交互に投げ合い得点を競う競技である。この競技の起源は、スコットランドで1511年と刻印されたストーンが発見されているため、15世紀頃スコットランドで始まったという説が有力だが、欧州大陸という説もある。また、カーリングの名前の由来は、ゆっくりと回転しながら滑る石が曲がり(カール)ながら進むことから名付けられたとされている。

歴史

 1838年にグランド・カレドニアン・カーリングクラブ(現存する、ロイヤル・カレドニアン・カーリングクラブの前身)が設立され、ヨーロッパからアメリカ大陸に移住した人々によって世界に広められた。  そして1957年には国際カーリング連盟(現・世界カーリング連盟)が発足し、その2年後に最初の世界カーリング選手権が開催された。近年では毎年世界各地で世界カーリング選手権が開催され、オリンピックでは1998年長野大会から正式競技となった。

用具

競技にはストーン以外に、カーリング専用のブラシ、シューズが使用される。ブラシは馬や豚の毛を使用したものや、ナイロン製のヘッドを使用したものがあり、アイスコンディションや好みによって使い分ける。シューズにもさまざまなタイプがあり、片方の底にテフロン製やステンレス製のスライダーが貼られており、氷上を簡単に滑るようになっている。また、もう片方はゴム底になっていて、すぐに止まるようになっている。

競技方法

 基本的なルールは、ポジションごとにリード、セカンド、サード、スキップの4人(リザーブを入れ5人)でチームが構成され、1人が2投、1チーム計8個のストーンを相手チームと1投ずつ交互に投げ合い、16個のストーンが全て投球され1エンド(回)が終了し得点を数え、それを1試合で10エンド行い勝敗を決める。得点の数え方は、エンド終了時のハウスの状況によって決められ、ハウスの中心に一番近い位置にあるストーンを決め、そのチームにエンドの得点の権利が与えられ、そして相手チームのハウスの中心に一番近いストーンより何個内側にあるかで得点が決められる。
 投球時にはスキップがアイスコンディションを読み、作戦を考え指示を出し、投球者以外の2人がスウィーパーとなり、投げられたストーンに対してスウィープを行う。このときにスキップはスウィーパーに的確な指示を出し、より精度の高いショットを狙う。スウィープによって得られる効果は、ストーンをより遠くへ進ませることと、カールを抑えることである。また、ストーンの前をクリーンな状態に保つことも重要である。投球者には、微妙なウェイト(スピード)コントロールとラインコントロールが要求される。

見どころ

 競技の見どころとしては、相手チームとの戦略面での駆け引き、ピンポイントに狙う高度なショットなどが挙げられるが、得点圏(ハウス内)にあるストーンの動きに注目してもらうと、よりわかりやすく観戦できると思われる。
 今回、ソチオリンピックに出場する日本女子チームは、スキップ小笠原歩(旧姓・小野寺)、サード船山弓枝(旧姓・林)、セカンド小野寺佳歩、リード苫米地美智子、そして吉田知那美という5人で構成されており、北海道カーリング協会に所属している。
 また、小笠原船山の両選手は2002年ソルトレークシティー大会2006年トリノ大会代表で、3度目のオリンピック代表となる。
 日本チームのオリンピックでの成績は、1998年長野大会で男女共に5位、ソルトレークシティーでは8位、トリノでは7位、バンクーバーが8位といまだメダルに手が届いていない(ソルトレークシティー大会以降は女子のみ出場)。
 しかし、今回は初めて実施されたオリンピック最終予選を勝ち上がり出場権を獲得。競技力も上昇中であること、また、ベテランのオリンピック経験者2人と他の若いメンバーとのチームワークも良く、バランスのいいチームとなっていることから、メダルゲームに出場することも夢ではないと考えられる。
 女子の注目国は、カーリング大国であるカナダ、トリノ金メダルのスウェーデン、2009年世界選手権チャンピオンの中国などが実力的にもメダル候補に挙げられる。しかし、全体的に見て実力差はそれほど開いていないと思われ、出場国全てにメダルのチャンスがあると言ってよい。
 日本代表チーム(世界ランク9位)としては、前半の韓国戦(同10位)、デンマーク戦(同6位)、ロシア戦(同8位)、アメリカ戦(同7位)という4試合の戦いがカギとなり、ここで確実に勝利を重ねれば予選突破、そして、メダル獲得のチャンスは十分にあると思われる。

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