大会

第22回オリンピック競技大会(2014/ソチ)

バイアスロン
競技・種目の説明

(1)バイアスロン競技とは
「バイアスロン」の語源はギリシャ語の「バイ(2つの意味)」と「アスロン(競技)」を組み合わせて作られた言葉である。
 バイアスロンはクロスカントリーのスキーと、スモールボア・ライフル射撃という全く違った競技を組み合わせて実施する競技。すなわち、スキーを履き、銃を背負って定められた距離のコースを滑走することにより、その心拍数は極限に達し、その途中で決められた回数だけ心拍数を早く低下させて射撃を行うもので、「動と静」の相反する競技性を同時に行うスポーツだ。
 バイアスロン競技は、もともと冬の期間、北欧の猟師たちが弓等を背負い、スキーを履いて狩猟のために野山を駆けめぐっていたものが、近代になり競技として発展したものである。
 オリンピック競技には、男子が1960年スコーバレー大会から、女子は92年アルベールビル大会から採用された。

(2)競技方法
実施種目は、前回のオリンピックからさらに増えて男女合計11種目である。

種目 滑走距離 射撃方法 ペナルティ
スプリント 男10km(約3.3km×3周)
女7.5km(2.5km×3周)
伏−立
各射撃5発
外した弾1発につき150m滑走
インディビデュアル 男20km(4km×5周)
女15km(3km×5周)
伏−立−伏−立
各射撃5発
外した弾1発につき1分加算
パシュート 男12.5km(2.5km×5周)
女10km(2km×5周)
伏−伏−立−立
各射撃5発
外した弾1発につき150m滑走
マススタート 男15km (3km×5周)
女12.5km(2.5km×5周)
伏−伏−立−立
各射撃5発
外した弾1発につき150m滑走
リレー (4人) 男7.5km(2.5km×3周)×4人
女6km(2km×3周)×4人
伏−立
各射撃5発+予備弾3発
外した弾1発につき150m滑走
ミックス
リレー(男女混合)
女子2人6km(2km×3周)+男子2人7.5km(2.5km×3周) 伏−立
各射撃5発+予備弾3発
外した弾1発につき150m滑走

(3)規則および用具
(ア)勝敗は、
・パシュートは着順のまま
・インディビデュアルは滑走所要タイム+ペナルティタイムの総合タイム
・それ以外の種目は滑走所要タイムで決定する。

(イ)滑走法は、フリー走法(主としてスケーティング)である。
 射撃は、射距離が50m、標的の黒点部の大きさは伏射が直径45mm、立射は直径115mm、標的5個に対して5発の射撃をする。標的の見かけの大きさは、伸ばした腕の指に持ったマッチ棒の頭の大きさに見える。リレー、ミックスリレー競技では、5個の標的に対して、5発+3発の予備弾を使用した射撃が可能である。5発射撃した時点で、非命中の標的があれば予備弾を使い、8発射撃の後残った標的の数だけペナルティーとなる。

(ウ)使用する銃は、22口径(5.6mm)スモールボア・ライフルで、重量は約3.5〜5kgである。

(エ)競技規則
 国際バイアスロン連合(IBU)の「競技会・競技規則」が適用される。

今大会のみどころ

(1)日本チームの目標、チームの特徴
 目標:男女ともに8位入賞
 特徴:参加選手は、男子1人(井佐英徳)、女子4人(鈴木芙由子鈴木李奈小林美貴中島由貴)であり、男子の井佐は4回目、女子は、鈴木芙以外は初出場である。
(2)有力選手
 男子の井佐は37歳、競技歴16年目のベテラン。女子は、前回のバンクーバー大会で経験を積んだ鈴木芙が入賞を目指している。
(3)他国チーム、有力選手
 国では、ヨーロッパではドイツ、ロシア、フランス、ノルウェー、アジア圏内ではカザフスタンが注目される。
 個人では、昨季のワールドカップで男子の年間ランキング1位で、フランスのマーティン・フォルケード、若い伸び盛りの選手では、同女子1位でノルウェーのトーラ・ベルガーらが挙げられる。

その他特筆すべき事項

(1)話題性のある選手
 男子は、今回出場すると連続5回目の出場となるノルウェーのオーレアイナル・ビオンダーレン。オリンピックにおける金メダル獲得は現在6個である。女子では、98年長野大会以来、世界のトップレベルを維持しているドイツのアンドレア・ヘンケルに注目。
 日本人選手では、鈴木芙が2回目のオリンピック参加。前回のバンクーバーでは、思うような試合運びができなかった悔しさを、今回どのようにぶつけてくるかが注目される。選手としても安定した力が発揮できる年齢だ。  ベテランの井佐は、長いシーズンの中で好調を維持することは年齢的に難しいが、オリンピックに焦点を合わせた調整は期待できる。
(2)過去の大会でのエピソード
 鈴木芙は、2012年世界選手権大会において、出場した全ての種目で活躍し、総合成績30位以内に入った。その結果、日本人選手初となる最終競技のマススタート参加選手に選ばれた。
(3)今大会までのエピソード
 鈴木芙は、今季のワールドカップ大会において、安定した射撃命中率を誇り、ポイントを重ねている。 (4)国際大会での日本チームの成績
 女子:2012年世界選手権大会インディビデュアル競技19位
(5)競技の見どころ
 日本ではなじみの少ない競技だが、ヨーロッパではテレビ放映時間でナンバーワンと人気の高い競技である。特に、クロスカントリースキーの「動」と射撃の「静」という相反する要素の組み合わせと、射撃の結果加算されるペナルティーにより、スキー滑走の順位が射撃のたびに入れ替わるところに、この競技の魅力があると言える。
(6)その他
 日本のナショナルチームは、陸上自衛隊冬季戦技教育隊の選手を主力に編成され、年間を通じて海外および日本の各地で強化合宿を重ねている。シーズンに入るとともに北欧合宿を敢行。その後、ヨーロッパ各国に遠征し、ワールドカップ、ヨーロッパカップの大会等を転戦している。


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