大会

第22回オリンピック競技大会(2014/ソチ)

スキー・フリースタイル

 フリースタイル競技は、モーグル、エアリアル、そして2010年バンクーバー大会から採用されたスキークロス、今大会から新しく採用されるスキーハーフパイプ、スキースロープスタイルの5種目から成る。

モーグル(Moguls)

 モーグル競技はコブの急斜面を滑る競技で、ターンと2回のエア(ジャンプ)を採点し、タイムによる得点を加えた3要素で順位を決める。ソチオリンピックでは予選が2回行われ、予選1は全選手が1本滑り、得点上位10人が決勝1に進出する。続いて予選2が予選1を勝ち抜いた選手以外で行われ、得点上位10人が決勝1に進出する。
 決勝は3回行う。決勝1は予選1と2を勝ち抜いた選手20人で行い、得点上位12人が決勝2へ勝ち上がる。決勝2も同じく1本の勝負で、獲得上位6人が決勝3(スーパーファイナル)へと進出する。スーパーファイナルも獲得得点によって順位を決める。ターンを採点する審判は5人、エアを採点する審判は2人で行う。
 ターンは各ジャッジが5点満点で採点し、最高点と最低点をカットするため15点が満点となる。エアは各ジャッジが2.5点満点で採点され、それに難易度点を加点する。そして上下2つのエア点が足され、ジャッジ1人につき7.5点満点のポイントを出してから2人の中間点を採用する。得点構成はターン50%、エア25%、スピード25%からなっており、よりターンの正確さが求められている。
 タイム点は、コース長を係数とする公式にタイムを入れて自動的にはじき出す。したがって、ターン点15点+エア点7.5点+タイム点7.5点、合計30点が満点となる。

スキークロス(Ski Cross)

 予選は対戦形式ではなく1人ずつ全員が滑り、タイムで順位をつける。単走のため4人で滑る決勝トーナメントと異なり、スキークロス独特の駆け引きは無用で、単純に滑走スピードが要求される。予選敗退者は予選のタイム順が最終順位(33位〜)となる。
決勝には基本的に32人が進出。ここから4人対戦のトーナメントで行われる。レッド、グリーン、ブルー、イエローのビブを着用し、4人が一斉にスタートゲートを飛び出す。先着の2人が勝ち上がって次のラウンドに進出、2人が脱落していくサバイバル戦。勝ち上がった選手は、他の組の勝ち上がった選手と対戦し2人が脱落して、最終的に残った4人で決勝を行う。
 決勝の1〜4位は、着順がそのまま順位となる。準決勝で敗れた4人による5〜8位決定戦が行われる。失格選手が出た場合、順位が繰り上がることもある。
 約1000mのコースに、バンク、ウェーブ、ジャンプスポットがあり、まさに雪上のモトクロス。勝負を大きく左右するのはスタートダッシュで、先行してインコースに入るとそう簡単に追い抜けない。

エアリアル(Aerials)

 エアリアルは、キッカーと呼ばれるジャンプ台から、ストックを使わずジャンプし、空中での技、高さなどを競う競技。予選は全員が2本飛び、上位12人が決勝に進出する。決勝も2本勝負で行われ、予選と合わせた2本の合計で順位を決める。
 採点は、7人のジャッジによって行われ、このうち5人はエア&フォームを担当、空中姿勢、高さと距離、踏み切り姿勢などが採点ポイントとなる。各ジャッジの持つ最高点は7.0ポイント。ジャッジ1からジャッジ5のうち最高と最低をカット(5審3採用)されるので、7.0点×3=21.0点が満点となる。
 残り2人のジャッジは、ランディング(着地)を各3点満点で採点する。総合得点はエア&フォーム点とランディング点を足し、行った技の難易度点と掛け合わせる。
・アプローチ(助走)
 角度約25度 距離64m以上
・テーブル(キッカーのある平らな部分)サイズ
 幅約24m 奥行20m以上
・キッカー(ジャンプ台)プロフィール
 1回転用
 高さ約2.0m 飛出角度 約53度 進入スピード約45km/h ジャンプ落差5〜6m
 2回転用
 高さ約3.5m 飛出角度 約65度 進入スピード約56km/h ジャンプ落差9〜10m
 3回転用
 高さ約4.1m 飛出角度 約71度 進入スピード約67km/h ジャンプ落差13〜15m
・ランディング(着地)バーン
 角度約37度 距離約25m

スキーハーフパイプ(Ski Halfpipe) ※新種目

 スノーボードのハーフパイプと同じ、雪面を半円状に掘り下げたコース中で演技する競技。数人のジャッジによって判定が行われ、ポイント制で順位が決定される。ジャッジの基準は大きく分けて、エアの大きさ、パフォーマンス全体の完成度、技の多様性の3つのカテゴリーに分かれ、それに総合評価のオーバーオールが加わる。
 技の傾向としては、男子のトップクラスで頭が2度下に入る3Dトリックが一度のランの中に3トリック入る選手がいるほど高度なトリックレベルで競われている。女子の平均トリックは540°で最高難度が1080°と横回転が中心。飛び出しは前向きと後ろ向き(スイッチ)どちらからもあり、トリックの種類が毎年複雑化している。種目の歴史が浅いこともあってか、特に女子の競技レベルは発展途上にある。

スキースロープスタイル(Ski Slopestyle) ※新種目

 800〜1000m前後の斜面に複数のジャンプ台やジブ(金属のレールで手すりのようなもの)と言われているアイテムなど、さまざまな設備が置かれたコースを滑る競技。採点競技でいくつものアイテムを滑り競うため、総合的な滑走能力が要求される。1つでも苦手なアイテムがあると上位入賞が難しい。
 大きな特徴としては、ツインチップスキーと呼ばれている、後ろ向きに滑れる形状になっているスキーを使うこと。スイッチからのジャンプ(後ろ滑りからのジャンプ)など、エアリアルのように前向きからのジャンプだけではなく後ろ向きからのジャンプなどがあり、豊富なバリエーションを組んで難易度の高いトリックを混ぜながら戦う。  ジャッジは5人で行い、コース全体を通してのパフォーマンスを採点する。


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