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オリンピック憲章 Olympic Charter 1996年版 (財)日本オリンピック委員会

31.NOCの使命と役割*

  • 1- 国内オリンピック委員会の使命は、オリンピック憲章に従い、それぞれの国においてオリンピック・ムーブメントを啓蒙し、保護することにある。
  • 2- 国内オリンピック委員会は:
    • 2.1 競技活動の枠内において国レベルでオリンピズムの基本原則を普及させ、その他にも、とりわけ学校や大学の施設での体育やスポーツの教育プログラムのなかでオリンピズムを普及させることに貢献する。
      NOCはまた、オリンピック教育に貢献する施設がつくられるよう取り計らう。また、NOCは、特にナショナル・オリンピックアダデミー、オリンピック博物館、オリンピック・ムーブメントに関連した文化プログラムなどの設立や活動にたずさわる。
    • 2.2 それぞれの国でのオリンピック憲章の遵守を保証する。
    • 2.3 競技スポーツとスポーツ・フォア・オールの発展を奨励する。
    • 2.4 スポーツ管理者の養成を助けるためのコースを設け、このようなコースがオリンピズムの基本原則の普及に確実に貢献するものとなるようにする。
    • 2.5 スポーツにおけるいかなるかたちの差別や暴力に対しても反対する行動をとることを約束する。
    • 2.6 IOCもしくはIFによって禁止されている物質の使用および禁止行為に対しても戦う。特に、あらゆる医療関連事項の運営・管理が最高の状態で行われるようにその国の適格な機関に働きかける。
  • 3- NOCは、『オリンピック競技大会』および『IOCが後援する地域別、大陸別、もしくは世界規模での総合競技大会』において、それぞれの国を代表する独占的な権限を持つ。
  • 4- NOCは、オリンピック競技大会を自国内で開催するための候補都市を指定する権限を持つ。
  • 5- NOCは、自らの自主性を保持し、オリンピック憲章の遵守を妨げる恐れのある政治的、宗教的、経済的などを含むあらゆる種類の圧力にも抗しなければならない。
  • 6- NOCは、下記の権利を持つ:
    • 6.1 オリンピック競技大会の組織・開催を含むオリンピック憲章およびオリンピック・ムーブメントの全般に関してIOC宛に提案をおこなう。
    • 6.2 オリンピック競技大会の開催候補地について意見を述べる。
    • 6.3 オリンピック・コングレスの準備に協力する。
    • 6.4 IOCの要望によりIOC諸委員会の活動に参加する。
  • 7- IOCは、さまざまなIOCの部門およびオリンピック・ソリダリティーを通して、NOCがその使命を達成するものを支援する。
  • 8- NOCは、自らの使命を達成するために政府もしくは民間の団体と協力することができる。しかし、NOCは、オリンピック憲章に反する恐れのあるいかなる活動にも関与してはならない。
  • 9- オリンピック憲章違反の場合に適用される処分や制裁措置とは別に、IOCは下記のような場合には、当該NOCから言い分を聞いたのちにそのNOCの公認を停止、または取り消すことができる。
    • 9.1 もしもこのようなNOCの活動がその国で施行されている法的規定や規制の効力によって妨げられる場合、もしくはスポーツに関係のあるなしにかかわらずその国のなかの他のものの行為によって妨げられる場合。
    • 9.2 このようなNOCに所属しているか、またはこのようなNOC内に代表されている国内競技連盟、もしくはその他のものの意志決定、もしくは意思の表明が、その国で施行されている法的規定もしくは規則の効力によって妨げられる場合、または、スポーツに関係のあるなしにかかわらず、そのような国のなかの他のものの行為によって妨げられる場合。

32.構成

  • 1- どのような形で構成されるにしても、NOCには下記の者が含まれなければならない:
    • 1.1 その国にIOC委員がいれば、その委員。当該委員は、そのNOCの管理機関に職権上の資格で参加するメンバーでもあり、委員総会および管理機関の双方で投票権を持つものとする。
    • 1.2 国内競技連盟で、オリンピック競技大会のプログラムに含まれている競技を管理しているIF(国際競技連盟)に所属しているすべて、もしくはそれら(少なくとも5つのこのような国内競技連盟)によって指名された代表者。
      各NOCは、このようなIFが管理している各競技に関して2つ以上の国内競技連盟を公認してはならない。なお、このような国内競技連盟(もしくはそれらの連盟が選定した代表者)が、当該NOCの投票権数、およびその管理機関の過半数を構成していなければならない。
    • 1.3 現役競技者もしくはオリンピック競技大会に参加したのちに引退をした競技者。但し、後者は、遅くとも本人が最後に参加したオリンピック競技大会以後3回目のオリンピアードの終わりまでにはこの職位を辞さなければならない。
  • 2- NOCは、メンバーとして下記の者を含めることができる:
    • 2.1 IOCによって公認された国際競技連盟(IF)に所属している国内競技連盟で、その競技がオリンピック競技大会のプログラムに含まれていないもの。
    • 2.2 多種目スポーツ・グループ、およびその他のスポーツ適応組織、もしくはその代表およびその国の国民で、NOCの有効性を強化する義務を負うもの、もしくはスポーツおよびオリンピズムの大義のために際立って優れた尽力をおこなってきた者。
  • 3- オリンピック競技大会に関する問題を処理する際には、NOCの管理機関が投じた票、およびオリンピック競技大会のプログラムに含まれている競技を管理している国際競技連盟(IF)に所属する国内競技連盟が投じた票のみを考慮にいれる。
  • 4- 政府もしくはその他の公共機関はいかなるNOCのメンバーをも指名してはならない。
    しかし、NOCは、自らの任意にもとづいてこのような機関の代表をメンバーとして選出する旨決定することができる。