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2015.06.23 イベント

オリンピックの魅力を音楽とともに 「オリンピックコンサート2015」を開催

オリンピックの魅力を音楽とともに 「オリンピックコンサート2015」を開催
「オリンピックファンファーレ」の華やかな演奏でスタート(写真:フォート・キシモト)
オリンピックの魅力を音楽とともに 「オリンピックコンサート2015」を開催
さまざまな「ライバル物語」が紹介される(写真:アフロスポーツ)

 日本オリンピック委員会(JOC)は6月12日、東京国際フォーラムで「オリンピックコンサート2015」を開催しました。

 オリンピックコンサートは全世界で行われているオリンピックデーイベント(オリンピックデーは6月23日)の一環として日本独自に開催しているイベントで、感動的なオリンピック映像と壮大なシンフォニーオーケストラの共演は、毎年多くの方にご好評いただいています。
 今年のテーマは「つなごう、聖なる炎を!」。指揮者に梅田俊明さん、演奏には今春誕生したばかりの「THE ORCHESTRA JAPAN」を迎え、オリンピアン(水泳・競泳/ソウルオリンピック、バルセロナオリンピック)で俳優の藤本隆宏さんが4年連続でナビゲーターを務めました。

 オープニングは1984年ロサンゼルスオリンピックのテーマとして知られる、ジョン・ウィリアムズ作曲の『オリンピックファンファーレとテーマ』。オリンピックの名シーンに加えて世界中の子どもたちが応援する姿、スポーツを楽しむ笑顔、オリンピアンと触れ合う様子が流れ、「世界をひとつにする魔法」としてオリンピックの素晴らしさが紹介されました。

 続いての演奏は、オッフェンバックによる『天国と地獄』序曲。ここでは「ライバルたちの熱きドラマ」をテーマに、1936年ベルリンオリンピックで生まれた西田修平選手と大江季雄選手の「友情のメダル」や、現在は羽生結弦選手のコーチとして知られるブライアン・オーサーさんが、1988年カルガリーオリンピックでブライアン・ボイタノ選手と繰り広げた「ブライアン対決」、柔道の重量級で競い合い、それぞれが金メダリストとなった山下泰裕選手と斉藤仁選手など、トップアスリート同士が互いを高め合いながら繰り広げた名勝負が次々に登場しました。

オリンピックの魅力を音楽とともに 「オリンピックコンサート2015」を開催
4年連続でナビゲーターを務めた藤本隆宏さん(写真:アフロスポーツ)
オリンピックの魅力を音楽とともに 「オリンピックコンサート2015」を開催
上村愛子さんと宮下純一さんがオリンピックの思い出を語る(写真:アフロスポーツ)

■ゲストオリンピアンがオリンピックの魅力を語る

 会場の空気が温まってきたところで、宮下純一さん(水泳・競泳/2008年北京オリンピック 男子400mメドレーリレー銅メダル)と、上村愛子さん(スキー・フリースタイル モーグル/1998年長野オリンピック〜2014年ソチオリンピックまで5大会連続入賞)が、ゲストオリンピアンとして登場。宮下さんはNHK連続テレビ小説「あすか」より『風笛』、上村さんはNHK大河ドラマ「江〜姫たちの戦国〜」メイン・テーマに合わせて、オリンピックでの勇姿や競技を離れた後の活動の様子が紹介されました。

 開演前に「自分の映像がどのように使われるか楽しみです」と話していた宮下さんは、感極まった様子で「もう7年前ですが、あの時の思いが素敵な曲と重なって心が震えました」と、強いライバルとの厳しい戦いを乗り越えてリレーメンバーのチケットを手にしたエピソードを明かしました。また、「自分の映像でそこまで感動しないだろうとたかをくくっていたのですが、音楽に乗せて見せていただいて、もう少しで泣きそうでした」と笑った上村さんは、初出場の長野オリンピックで里谷多英選手が金メダリストになった姿に憧れて、諦めずにメダルを目指し続けた思いを語りました。

 前半のラストは、ベートーベンの交響曲第5番「運命」より 第3楽章終わり〜第4楽章に乗せて、本公演のテーマでもある「聖火」の歴史をたどるコーナー。1936年ベルリンオリンピックで初めて行われた聖火リレーは、時代の変化とともに工夫をこらした点火方法となり、今では開会式のハイライトのひとつとなりました。スクリーンには各大会の点火シーンのハイライトが映し出され、最後は「火の玉」に見立てた光る小さなボールが客席に向かって一斉に放たれました。

オリンピックの魅力を音楽とともに 「オリンピックコンサート2015」を開催
フルオーケストラをバックにしたmiwaさんのスペシャルステージ(写真:フォート・キシモト)
オリンピックの魅力を音楽とともに 「オリンピックコンサート2015」を開催
番組で紹介された“ネクストエイジ”たちの映像とともに演奏した「空の彼方」(写真:アフロスポーツ)

■スペシャルゲストのmiwaさんが美しい歌声を披露

 第2部は、若手シンガーソングライターとして活躍中のmiwaさんによるスペシャルステージからスタートしました。1曲目はアコースティックギター1本の弾き語りによる「Delight(ディライト)」。そして、本人も初めてというフルオーケストラとの競演による、NHK「目指せ2020年のオリンピアン」のテーマソング「空の彼方」(※2015年3月まで)と代表曲「ヒカリへ」では、オーケストラの音色に合わせた透明感のある歌声で観客を魅了しました。

 「オリンピックにちなんで、ネイルをブラジルカラーと日本カラーにしてきました!」と笑顔を見せたmiwaさんは、「番組を通じて、私と同世代、あるいは年下の10代の選手たちがすごく頑張っていること知りました」と若いアスリートたちの活躍に刺激を受けた様子。「選手たちが試合前や移動中に聞いて、元気が出るような曲を届けていけたらなと思います」とエールを送りました。

■リオ・デ・ジャネイロ、平昌、東京を目指すアスリートが集合

 ここで、今後のオリンピックを目指す現役アスリートたちが登場。コンサートに先立って行われた「平成26年度JOCスポーツ賞表彰式」で各賞を受賞した選手13名と、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会理事でスポーツディレクターを務める室伏広治選手がそろってステージに上がりました。

オリンピックの魅力を音楽とともに 「オリンピックコンサート2015」を開催
バドミントン男子日本代表メンバーは緊張の面持ちで一言ずつあいさつ(写真:アフロスポーツ)
オリンピックの魅力を音楽とともに 「オリンピックコンサート2015」を開催
「平昌オリンピックも注目してください」という小野塚選手(右)のアピールに、室伏選手、鬼塚選手も笑顔(写真:アフロスポーツ)

 昨年のトマス杯で優勝し、世界一のチームとなったバドミントン男子日本代表チームはメンバー10名が参加。主将の早川賢一選手をはじめ、ロンドンオリンピック代表の佐々木翔選手、田児賢一選手らが、5月からスタートしているオリンピックレースへの意気込みと「バドミントンにもっと注目してほしい」という競技への思いを口にしました。

 スキー・フリースタイルのハーフパイプで初のワールドカップ総合優勝を果たしたソチ冬季オリンピック銅メダリストの小野塚彩那選手は、平昌冬季オリンピックへの意気込みを聞かれ「リオ・デ・ジャネイロオリンピックと東京オリンピックの間には、平昌オリンピックがあります。私の競技は歴史が浅いですが、メダルを取ることが競技の発展につながると思いますので、平昌を目指してまた頑張っていきたいと思います」と冬季競技代表として存在をアピール。今年1月のスノーボード世界選手権女子スロープスタイルで大会史上最年少の金メダリストとなった17歳の鬼塚雅選手は「miwaさんはとてもかわいくて、歌が心に響きました。平昌オリンピックではビッグエアという新種目が加わるので、スロープスタイルと2種目で金メダルを獲れるように頑張ります」と初々しくコメントしました。

 最後に、40歳を過ぎてなお現役を続けながら東京2020組織委員会のメンバーとして各地を飛び回る室伏選手は、「私にとってオリンピックは自分を成長させてくれる“第2の父”です。東京2020大会では、オリンピック・パラリンピックを目指す世界中のアスリートが自己ベストを出せるようなステージを作っていきたいと思います」と力強く語りました。

オリンピックの魅力を音楽とともに 「オリンピックコンサート2015」を開催
オーケストラを率いた指揮者の梅田俊明さん(右)(写真:フォート・キシモト)
オリンピックの魅力を音楽とともに 「オリンピックコンサート2015」を開催
フィナーレでは恒例の「オリンピック讃歌」を合唱(写真:アフロスポーツ)

■リオ・デ・ジャネイロに向かうアスリートへのエールと感動のフィナーレ

 第2部の後半は来年に迫ったリオ・デ・ジャネイロオリンピックに向けた企画が続きます。ヨハン・シュトラウス2世の歌劇『こうもり』序曲では「夏よ、ありがとう」と題して、懐かしい時代の映像も交えながら夏季オリンピックの名場面が流れ、続いて演奏されたNHK連続テレビ小説「ちりとてちん」のテーマ、ワーグナーの「ニュルンベルクのマイスタージンガー」より第一幕への前奏曲では、体操競技の白井健三選手、卓球の平野美宇選手と伊藤美誠選手、新競技として採用される7人制ラグビーの代表選手など、リオ・デ・ジャネイロを目指す若きアスリートたちが紹介されました。

 最後はmiwaさん、藤本さんが再度舞台に登場し、都立新宿高校音楽部の皆さんと一緒にスピロ・サマラ作曲の「オリンピック讃歌」を合唱。クライマックスでは客席前方から金のテープが勢いよく飛び出し、華やかにフィナーレを迎えました。
 アンコールではゲストアスリートの名場面が流れる中で栂野知子さん作曲の合唱曲「時を越えて」が歌われ、約2時間半に渡る感動の舞台が幕を閉じました。

 終演後、コンサートに出席した選手たちが感想を語りました。オリンピックの映像と音楽が融合した演出を目の当たりにした選手たちは、感動と同時に今後の競技活動への決意を新たにした様子を見せました。

<参加アスリートのコメント>

■宮下純一さん(水泳・競泳)
自分のVTRも作っていただいて、自分のためのコーナーもあったので、本当に感動しました。音楽とスポーツは切っても切れない関係だと思いますが、オーケストラの音楽と選手の映像がリンクして、非常に感動的なコンサートだったと思います。

■上村愛子さん(スキー・フリースタイル)
生の映像を見ているわけではないのに、音楽と合わせて見せてもらうことで、試合を生で見ているのと同じくらいの感動があって、(泣きそうになって)危なかったです。自分の映像はよく見ているんですけど、やっぱり音が心に響いているのか、普段の何倍も何倍も感動しました。今度は母を連れて来たいです。きっと号泣すると思います(笑)。

■室伏広治選手(陸上競技)
オリンピックは体を動かすことだけではなく、元々芸術という面もあるので、音楽とスポーツのコラボレーションが素晴らしく、本当に今日来て良かったなと思います。(自分の映像の場面も)とても感動的に作っていただいて、スタッフの皆さんに感謝をしています。また見られたらいいなと思います。

■早川賢一選手(バドミントン)
オリンピックに出たことは無いのですが、曲と映像がマッチして感動的で、自分も出たいなと思いました。もし自分の映像がここで使われたら、宮下さんが泣いた気持ちも分かると思います(笑)。またこういう場に呼ばれるような、子どもたちや将来のオリンピアンたちを勇気付けられる選手になりたいです。

■佐々木翔選手(バドミントン)
クラシック音楽は好きなので音楽に集中したい気持ちもあったのですが、映像も素晴らしくてずっと鳥肌が立っていました。自分の映像は恥ずかしすぎて、早く次のシーンに切り替わってくれと思いましたが(笑)、少しでも使われてうれしかったです。

■桃田賢斗選手(バドミントン)
今日は生でオーケストラやmiwaさんの歌を聴いて、また明日から頑張ろうと思いました。ステージに上がった時はすごく緊張しました。何をしゃべったかあまり覚えていないです(笑)。

■田児賢一選手(バドミントン)
特にmiwaさんが3曲目に歌った「ヒカリへ」が好きなのですが、それを聞くことができてあふれる思いでいっぱいになりました。どうもありがとうございました。

■上田拓馬選手(バドミントン)
今日は音楽の力にすごく魅了されました。初めての経験だったのですべてが新鮮で、本当に楽しいコンサートでした。

■遠藤大由選手(バドミントン)
初めてこのような演奏を聴いて、すごく感動しました。ステージに上がって話したりするのは苦手だったので緊張しました。あのくらいの人数を前に試合する方が気が楽だと思いました(笑)。

■平田典靖選手(バドミントン)
今日はすごく良い思い出になりました。ああいう場でオーケストラを生で聴いたのは初めてだったので、やっぱり本物は違うなと思いました。

■橋本博且選手(バドミントン)
音楽をこのような感じで体感するのは初めてだったので、とても良い刺激になって楽しかったです。これからもバドミントンを頑張っていきたいと思います。

■嘉村健士選手(バドミントン)
初めての経験だったので、幸せなひとときを過ごすことができました。今回、コンサートの楽しさというのをあらためて見つけることができたので、リフレッシュするときはこのようなコンサートを見に来たいなと思いました。

■園田啓悟選手(バドミントン)
オーケストラの演奏とmiwaさんの歌を初めて聴いたのですごく良い思い出になりました。映像が流れながら演奏を聴くと感動の具合も違うし、泣きそうになる場面もあって、オリンピックがさらに良く見えました。

■小野塚彩那選手(スキー・フリースタイル)
2年連続で参加させていただきましたが、今年も自分の映像が出てくる度にその時のことが音楽と一緒にフラッシュバックして、すごく良かったです。また頑張ろうという気持ちになりました。

■鬼塚雅選手(スキー・スノーボード)
オリンピックの映像ときれいな演奏が混ざってすごく感動的で素敵で、心に響きました。オリンピックの映像とコンサートの演奏と、両方見ていてどの場面も印象に残っています。

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