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第18回オリンピック競技大会(1998/長野)

注目選手インタビュー 長野への道

このコーナーでは長野オリンピック候補選手のインタビューを随時掲載していきます。

好調宣言!!
スキー・ジャンプ
岡部 孝信
(雪印乳業)
故障から復活し、W杯初優勝

今はジャンプが面白いんです

「いいジャンプもできて、うれしかったですが、たまたまですね。まだジャンプが安定してないから」
今シーズン第3戦のクーサモ(フィンランド)でW杯初優勝を果たした岡部には、優勝したとはいえ、まだ納得できないことのほうが多い。1995年の世界選手権ノーマルヒルで優勝したときも、「いいジャンプではなかった」と不満を口にしていた。
「世界選手権の時より今回は自分でも納得できるジャンプで優勝したからうれしいけど、まだ波がありますからね。でもいいんです。今年で自分のジャンプを作ろうとはしていないですから、そこそこえできてれば」
世界選手権で優勝した95年のシーズン、岡部はW杯では2位ばかりで、あと一歩を踏み越えられなかった。体は自然に動き、それなりの自信もあったのだが・・・。総合は5位と、前年の7位を上回ることができた。しかし、昨シーズンは腰痛で序盤を欠場。後半W杯に復帰したもののジャンプは崩れていて、総合も39位に終わってしまった。
「夏のサマーグランプリでは7位になったけど、それも周りのレベルが低かっただけですよ。ここ数年では最低の夏だったと思います」
だが、昨年10月、最後の合宿のラストから3本目のジャンプで、「これだ」という岡部本来のものに近いジャンプができた。そして、続く2本も同様だった。

「夏の間飛び続けて、3本だけだったんです。でもそれで救われましたね。94年のオリンピックのころにできていた、真っ直ぐ前に進んでいくようなイメージの飛行曲線なんです。悪い時はもっと高い曲線で飛んでたんです。それが理想じゃないけど、それしかなかったんですね」
イメージをつかみかねて冬季シーズンに入ったが、それはすぐにはできなかった。W杯が開幕してからは、練習で2本と試合で1本できただけだという。しかしその1本がクーサモの2本目、優勝を決めた142.5mの大ジャンプだった。
「最近は弱点だったアプローチスピードのことも考えないし、意識しているのは、自分の飛ぶラインみたいなものですね。去年の夏は陸上トレーニングもきっちりできたから、そのイメージをしっかり掴んで飛べるようになったんですね。同じイメージでも、今のほうが以前より遠くに飛べると思いますから」
アプローチ姿勢も夏よりは少し高くした。これまでコーチから指摘されてはいたが、結局、納得できずに止めていた。しかし今は、そのほうが遠くに飛べると確信できるようになってきた。

「今はまだ、アプローチの滑りも安定してなくて、失敗は多いですよ。我慢できなくて、動かざるを得ない体勢で滑ってしまい、踏み切りで早く身体が立ってしまう時がたまにあるんです。それも後半になって、少しずつでも安定していけばいいですね。でも、自分のレベルは、そこそこ上がってきていると思います。そのなかで、また考えるようになったから、前よりはいいジャンプができるようになったと思うんです。」
2年前の調子が良かったころより、技術的には確実に進歩しているという。踏み切りの動作は以前と一緒だと思うが、全体の流れのイメージが変わったことで、頭がスーッと前に進んでいける低い飛行曲線を意識できるようになったのだ。

「優勝したからといって余裕は感じないけど、自分がやろうとしていることができれば勝てる、という気持ちになりましたね。今年の斎藤(浩哉・雪印)は、自分では調子がいいとは言わないけど、最低が10位以内(1月19日現在)と安定してるんですね。すごいことですよ。
だから、彼のように自分のジャンプをできる確率が高くなれば、成績も自然に上がっていきますよね。今年は徐々にそういう方向にいけばいいと思っています。」

岡部は以前、理想のジャンプはまだ飛んだことがない、と言っていた。だが、そこまで行き着ける道、イメージを、今シーズンはハッキリと認識した。それをしっかりやらないと次には進めないから、それが今シーズン最大の収穫だというのだ。

「今シーズンは面白いですよ。去年はW杯も回れなかったし、腰が痛くて、ジャンプも飛べないくらいだったから。今はすごくドキドキしてます。やっぱりジャンプ選手をやっているうちは、選ばれてW杯を回らなくては、と思いましたたね。
 だから、今考えると去年の故障は良かったと思いますよ。いろいろ経験したことが、これから生きてくると思うから。あそこまで駄目なことをやり続ければ、もうそれ以上のことはないと思います。」

岡部の目がキラリと輝いた。

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