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2026.09.21 Special Interview

【特別インタビュー&Special Video】集大成の舞台で目指す有終の美。愛知・名古屋アジア大会に誓う現役最後の演武にかける熱い想い(武術太極拳:荒谷友碩、齋藤志保)

荒谷 友碩(千葉県出身)・齋藤 志保(岩手県出身)

武術の鋭さと芸術的な美しさが融合し、観る者を魅了する武術太極拳。世界選手権での金メダル獲得やアジア大会銀メダルなど日本の第一線を牽引してきた荒谷友碩と、世界選手権・ワールドカップで数々のメダルを獲得し最高峰の演武を魅せる齋藤志保。選手にとって4年に一度の最も大きな舞台であり、競技人生の集大成となる自国開催の大舞台。武術太極拳の奥深い魅力、演武に込める表現と集中力、そして「有終の美」を目指して挑むラストステージへの意気込みを聞いた。

武術太極拳との出会いと「武術×芸術」の奥深い魅力

――武術太極拳を始めたきっかけを教えてください。

▼荒谷選手 はじまりは兄が小学校の時に「空手を習いたい」と言ったことでした。空手は母に反対され、代わりに新聞の切り抜きに載っていた近所のカンフーチームに兄が通い始めたのがきっかけで自分も習い始めました。

▼齋藤選手 4歳の時に母の友人の紹介で長拳教室に入りました。その後、7歳くらいの時に太極拳に種目を転向しました。

――武術太極拳の魅力を教えてください。

▼荒谷選手 選手一人一人、体格も性格も違います。同じ動作であっても体格や性格の特徴が表れると思うので、個性が出て面白いと思います。

▼齋藤選手 武術と芸術が融合しているところが魅力だと思います。太極拳種目は音楽とともに行うので、音楽との融合性や、選手が細部まで凝っている刺繍などの衣装も見どころです。また、武術太極拳は高い身体能力が求められますが、余計な力を使わずに脚からの力や「身法」の使い方で力を発揮するところも魅力だと思います。

観戦の注目ポイント「難度動作」と客席からの応援の力

――武術太極拳の観戦する際のポイントを教えてください。

▼荒谷選手 「難度動作」と言われる難しい跳躍動作やバランス動作に注目していただきたいです。ジャンプがきれいに決まった時や、バランスをとって綺麗に止まった時に拍手をしていただけると嬉しいです。

――演武中、観客の拍手や歓声は届いていますか。

▼齋藤選手 選手によっては集中すると何も聞こえない方もいらっしゃると思いますが、私はいつもよく聞こえます。入場前の応援や、難度動作が成功した時の拍手や、発勁動作(※激しい動作)の時の応援は非常に力になります。

――バランス動作で意識されているところはどこですか?

▼齋藤選手 体がブレないようにお腹あたりの力が大事です。体幹の筋肉にしっかり力が入るように気を付けています。

自国開催「愛知・名古屋アジア大会」に挑む想いと引退の決意

――今年9月には愛知・名古屋アジア大会が行われます。この大会についてどんなイメージをお持ちですか。

▼荒谷選手 武術太極拳はオリンピック種目ではないため、選手にとっては一番大きな舞台と言ってもいい大会です。自分自身としては愛知・名古屋アジア大会で引退しようと考えているので、有終の美を飾りたいです。

▼齋藤選手 武術太極拳選手にとってアジア大会は4年に1度の一番大きな舞台です。私個人としてはこの大会で引退するので、集大成のような大事な大会です。

――引退はいつ頃、どのような思いで決断されたのですか。

▼荒谷選手 武術太極拳の選手の中でも年長者の立場となり、引退を意識しました。武術太極拳選手にとってアジア大会は4年に1度の一番大きな舞台なので、最後の舞台は愛知・名古屋アジア大会にしようと数年前から考えていました。

▼齋藤選手 先輩方が30歳くらいで引退していたので、自分もそのくらいの年齢で引退すると考えていました。前回の杭州アジア大会が終わった後に「愛知・名古屋アジア大会までのあと4年間頑張ろう」と決めました。

――愛知・名古屋アジア大会ではどのような点を観てほしいですか。

▼荒谷選手 やはり太極拳は「武術」なので、足裏から伝わってくる力や音楽との調和を見ていただきたいです。

▼齋藤選手 アジア大会の出場は今年で3回目となり、これまでは4年に1度の大切な大会という思いから非常に緊張してしまい、2大会ともメダルを逃してしまいました。今回は引退試合なので悔いのないように、そして楽しんで大きな動きができたらいいと思っています。

――愛知・名古屋アジア大会の目標を教えてください。

▼荒谷選手 最後の舞台なので、ベストを尽くして悔いのないような演武をして、その結果良い色のメダルがもらえたら良いなと思います。

▼齋藤選手 楽しんで、大きな動きで演技をしたいです。その結果、メダルがついてきたら嬉しいです。そして、良い演技をすることで、日本の皆さんに武術太極拳の魅力をより伝えて、競技を普及させていけたら良いと思います。

Special Video🎥

荒谷友碩、齋藤志保インタビュー

■プロフィール

荒谷 友碩(あらや ともひろ)
1994年生まれ、千葉県出身。兄の影響で小学生から武術太極拳を始める。世界武術選手権大会男子太極剣優勝、2018年ジャカルタ・パレンバンアジア大会男子太極拳・太極剣総合で日本人初の銀メダルを獲得するなど、日本の男子武術太極拳界を牽引。力強さと優美さを兼ね備えた演武と確かな技術力で世界のトップ選手として活躍を続ける。愛知・名古屋アジア大会を「現役最後の舞台」と定め、有終の美を飾るべく最高峰のパフォーマンスを目指す。


齋藤 志保(さいとう しほ)
1994年生まれ、岩手県出身。4歳で長拳教室に入り、7歳で太極拳に転向。世界武術選手権や武術套路ワールドカップで金・銀メダルを獲得し、全日本武術太極拳選手権大会でも連覇を果たすなど、長年にわたり日本の女子太極拳界の第一線で活躍。高い身体能力と音楽と見事に融合した表現力を武器に、自身3度目となるアジア大会であり、現役引退の集大成となる「愛知・名古屋アジア大会」へ悔いのない演武で挑む。

注記載
※本インタビューは2026年7月3日に行われたものです。

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