黄金の3割

006

意味

ハーバード大学の社会学者であるロザベス・モス・カンターは、「黄金の3割」理論を提唱した。これは、組織のなかでマイノリティの割合が3割となったときに、組織全体の文化が傾くという理論である。マイノリティグループとマジョリティグループの割合が35:65となったときに、マイノリティグループが連帯を組み、組織文化に変化をもたらす(Kanter, 1977)。

これは「止めることのできないリアクションの鎖」となり、組織文化に大きな変革を引き起こすことができる(Norris and Lovenduski, 2001)。

解説

カンターの「黄金の3割」は「象徴・代表」を意味するトークン理論から導かれた概念である。男性が圧倒的多数を占めている管理職の立場に女性が就くと、否が応でも「トークン」の存在となり、注目される。

多数派の男性たちは、集団としての同質性を高め、トークンとしての女性管理職と自分たちとの間に「境界線」を意識するようになる。したがって、多数派の立場にいる男性管理職たちは、女性管理職の言動や結果を、個人の特徴として捉えるのではなく、「女性だから失敗した」「女性だから選ばれた」などと性別に関連づけて評価しがちになる。

女性もそのようなプレッシャーから、目立たないように男性管理職と同じような言動をおこないがちで、そうすると今度は女性の部下から「自分とは違う」と一線を引かれてしまう。ゆえに少数派を、1人ではなく複数入れることによって、少数派が性別などの属性ではなく個人として評価されるようになる。

その最適な閾値が30パーセント以上ということになる。

文献

Kanter, R. M. (1977) Men and Women of the Corporation. Basic Books: New York.

Norris, P. and Lovenduski, J.(2001)Blair's Babes: Critical Mass Theory, Gender and Legislative Life. KSG Faculty Research Working Papers Series. RWP01-039.