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野球から派生した球技であるソフトボールは、ゲームの進め方などの基本的なルールは野球とほぼ同じですが、グラウンドのサイズや使用球などが大きく異なっています。円周12インチ(30.16〜30.80cm)のボールを細くて短い3号バットで打つため、打球があまり遠くまで飛ばないのも特徴。そのため野球に比べてコンパクトな競技場で行うことができ、運動範囲も狭いので、世代や性別を問わずに楽しまれているスポーツです。
ソフトボールは野球と同様に、各9名(指名選手を活用する場合は10名)の2チームが攻撃と守備を交互に行います。攻撃側がボールを打って進塁し、ホームベース(本塁)に帰るごとに1点が入り、7回終了時点で得点の多いチームが勝利します。同点の場合は延長戦に突入しますが、勝敗を早く決するための得点促進ルールとして、8回以降はノーアウトで二塁にランナー(前回の最後に打撃を完了した選手)を置くタイブレーカー(旧称タイブレーク)が採用されます。
オリンピックでの歴史は新しく、女子のみが1996年アトランタ大会から正式種目として採用され、2008年北京大会まで実施されました。
アメリカや日本など一部の国では盛んですが世界的な普及度が高くないなどの理由によって、2012年ロンドン大会・2016年リオデジャネイロ大会ではオリンピックの正式種目から除外されました。東京2020大会では女子のソフトボールが男子の野球と共に追加種目として実施されます。
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投手・捕手間の距離は13.11m(野球は18.44m)、各塁間は18.29m(野球は27.43m)、外野フェンスまで67.06m(野球は76.199m以上)とフィールドのサイズはコンパクト。ですが、そのためプレーがスピーディーになり、スリリングな展開がソフトボールの魅力です。
例えば、敬遠することを宣言し、一球も投げることなく打者を一塁へ歩かせることができる「故意四球」など、ソフトボール独特のルールも多々ありますが、最も目を引くのは、下手投げに限られるピッチャーの投法。下から投げるという意味では共通している野球のアンダースローとは異なり、手首は必ず体側線を通過させながら、球を離さなければなりません。腕を大きく回転させてから投球する、ソフトボールにおいて最もポピュラーな投げ方であるこのウインドミル投法は、遠心力を利用することでスピードを得ています。トップレベルの女子選手の球速は、時速100キロmを超えますが、投手・捕手間の距離が野球に比べて近いため、体感速度は野球の時速150キロm程度に匹敵するとされています。下から浮き上がるライズボールや、落ちるドロップボールなどの球種をどのように組み合わせてバッターに対するか、投打の駆け引きが最大の見どころとなります。
※東京2020大会組織委員会 公式サイトより