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2017.03.15 その他活動

2016年度「スポーツジャーナリストセミナー」を開催

2016年度「スポーツジャーナリストセミナー」を開催
2016年度「スポーツジャーナリストセミナー」を開催(写真:フォート・キシモト)

 日本オリンピック委員会(JOC)は2月1日、日本スポーツ記者協会とともに2016年度「スポーツジャーナリストセミナー」を味の素ナショナルトレーニングセンター(味の素トレセン)で開催しました。本セミナーはオリンピック・ムーブメント推進事業の一環として、メディアと競技団体の相互理解を図ることを目的に行われています。今回は「スポーツ界の国際力強化と情報発信の重要性」をテーマに、国内スポーツジャーナリストやJOC加盟団体などから約110人が参加しました。

2016年度「スポーツジャーナリストセミナー」を開催
冒頭のあいさつに立った日本スポーツ記者協会の堀井泰孝会長(写真:フォート・キシモト)
2016年度「スポーツジャーナリストセミナー」を開催
講演を行った国際体操連盟の渡辺守成会長(写真:フォート・キシモト)

 はじめに日本スポーツ記者協会の堀井泰孝会長があいさつし、「報道と競技団体が互いに理解を深めることによって、アスリートのためにWin-Winな関係を築いて、2020年東京オリンピック・パラリンピックを目指していきたい。有意義なセミナーになることを願っております」と呼びかけました。

 第1部は、「国際スポーツ界における情報戦略について〜国際競技団体の視点から〜」と題し、講演とパネルディスカッションが行われました。最初に、国際体操連盟(FIG)の渡辺守成会長が、昨年10月に同連盟の新会長に当選するに至るまでの戦略、勝因分析、東京2020大会への影響などについて講演しました。渡辺会長は、選挙戦にあたり「選手戦略」「イベント」「外交」「FIG理事会」の4つの分野に分けて戦略を練ったことを説明。また1番の勝因として、「日本人であること」を挙げ、「終戦後、日本が経済大国となった背景には誠実さ、勤勉さがある。『(世界では)あんな焼け野原から日本を作ったじゃないか』という、日本人に対する強い尊敬のまなざしがあるんです。本来の日本人の良さをもっと大事にして伝えていかないといけないと思います」と訴えました。

2016年度「スポーツジャーナリストセミナー」を開催
国際トライアスロン連合の大塚眞一郎副会長、国際フェンシング連盟の太田雄貴理事も参加したパネルディスカッション(写真:フォート・キシモト)

 続いて実施された国際トライアスロン連合の大塚眞一郎副会長、国際フェンシング連盟の太田雄貴理事を加えた3名によるパネルディスカッションでは、日本スポーツ記者協会の小林伸輔氏をコーディネーターに迎え、国際競技団体(IF)の役員ポスト獲得までの経緯や選挙戦での苦労話などが紹介されました。各パネリストは、各IFの特色やポジションにあわせた具体的な選挙戦略を紹介。また、言葉・文化の壁に話が及ぶと、「フェンシングに対してこういうことができると提案してあげると、理事の方も喜ぶ。英語ができない分は無形のお土産を出しつつ、英語力はその間に上げればいい」(太田理事)、「その分野の専門家であるかが最優先」(渡辺会長)などの意見が出され、語学力以上に高い専門性やコミュニケーション能力が必要であるとの考えが共有されました。

2016年度「スポーツジャーナリストセミナー」を開催
日本陸上競技連盟の平野了氏、日本水泳連盟の村松さやか氏、日本ラグビー協会の土橋百合氏によるパネルディスカッション(写真:フォート・キシモト)

 第2部では、「リオデジャネイロにおけるNF広報戦略〜リオデジャネイロ大会でのアスリート側の事例から〜」と題したパネルディスカッションを実施。日本陸上競技連盟事業部の平野了氏、日本水泳連盟の村松さやか氏、日本ラグビー協会広報・プロモーション部の土橋百合氏が、JOC広報専門部会員の竹内浩氏によるコーディネートのもと、昨夏のリオ大会での各団体の広報戦略における、SNSの活用事例やその効果が話し合われました。平野氏、土橋氏は、選手向けにレクチャーを実施し、SNSの活用法や注意点を周知させていると説明。また、村松氏は「若い子は(SNSを)使うのが日常。やめさせるのではなく、(周囲から)見られているという意識付けに注力している」とし、日本代表選手全員が取材に応じる機会を設け、言葉の重みを意識させていると紹介しました。後半では東京オリンピックを控え、選手・メディアの双方にとって最適な取材対応方法が議論され、参加者からも意見を募るなどして活発な議論が交わされました。

2016年度「スポーツジャーナリストセミナー」を開催
藤原庸介JOC広報専門部会長のあいさつでセミナーが締めくくられた(写真:フォート・キシモト)

 最後に藤原庸介JOC広報専門部会長があいさつに立ち、「これからどんどん(IF役員が)増えていって、これが当たり前の状態になることが、日本のNFにとってもIFにとってもいいことだと思います」とさらなる国際化へ期待を寄せました。そして、東京2020大会開催を契機に多くの企業がゴールドパートナーとなっている点に触れ、「これをどう2020年まで続け、『beyond2020』をどうしていくのか、今考えなければならない。その意味で今日これだけ議論いただいたのはありがたく思っています」とコメントし、セミナーを締めくくりました。

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