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2016.12.27 その他活動

日本の国際的プレゼンス向上へ「平成28年度JOC/NF国際フォーラム」を開催

日本の国際的プレゼンス向上へ「平成28年度JOC/NF国際フォーラム」を開催
「平成28年度JOC/NF国際フォーラム」が開催された(写真:フォート・キシモト)
日本の国際的プレゼンス向上へ「平成28年度JOC/NF国際フォーラム」を開催
ブリヂストンの西山麻比古執行役副社長による基調講演(写真:フォート・キシモト)

 日本オリンピック委員会(JOC)は12月8日、味の素ナショナルトレーニングセンター(味の素トレセン)で「平成28年度JOC/NF(国内競技団体)国際フォーラム」を開催しました。

 JOC/NF国際フォーラムとは、リオデジャネイロオリンピックが終了し、いよいよ2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会まで4年を切った中、世界各国の関係組織が日本、東京に目を向けている現在の時勢に合った情報を各NFに提供するとともに、スポーツ庁、外務省などの施策やIF(国際競技団体)役員ポスト獲得に成功した好事例を共有し、国際スポーツ界における、東京2020大会開催を契機とした日本のプレゼンス(存在感)向上を目的としています。今年度は各NF等から155人が出席し、登壇者のプレゼンテーションに熱心に耳を傾けました。

■グローバルな観点を持つことの重要性

 本フォーラムは前・後半の2部構成で進められ、最初に齋藤泰雄JOC常務理事・国際専門部会長が開会に先立ち、「できるだけ各NFのベストプラクティスを共有していただき、日本のスポーツ界全体の底上げを期待しています」と挨拶しました。

日本の国際的プレゼンス向上へ「平成28年度JOC/NF国際フォーラム」を開催
スポーツ庁の国際関係業務の事業説明を行った今泉柔剛国際課長(写真:フォート・キシモト)
日本の国際的プレゼンス向上へ「平成28年度JOC/NF国際フォーラム」を開催
スポーツ庁の勝又正秀オリンピック・パラリンピック課長(写真:フォート・キシモト)

 次に、国際オリンピック委員会(IOC)のトップパートナーでもある株式会社ブリヂストンの西山麻比古執行役副社長が基調講演を行いました。西山氏は、自身の海外駐在経験などを踏まえ、「“舞台は世界、舞台はグローバル”という観点を持って戦わないといけない」と訴えました。また、経営の心構えをスポーツ界に置き換えて説明し、世界を視野に「常に一番上を目指してほしい」とメッセージを送りました。

■日本と世界の架け橋に――海外駐在員からの報告

 続いてJOC、スポーツ庁、外務省による国際関係業務の事業説明が行われ、まず西村賢二JOC国際部長が、JOCによる事業詳細や今年度の海外NOC/NFとの交流実績などを報告しました。続いて、スポーツ庁の今泉柔剛国際課長が、現在のスポーツを通じた国際交流・国際協力の事例、今後の方針としてスポーツ国際政策の基盤形成のイメージを共有。さらに同庁の勝又正秀オリンピック・パラリンピック課長が「スポーツ・フォー・トォモロー(SFT)」を生かしたスポーツ交流・普及事業や、現地とのマッチングの好事例を紹介しました。最後に外務省大臣官房の三上陽一人物交流室長が、本年度で2年目となる同省のスポーツ外交推進事業について説明。選手や指導者の派遣・招へい、スポーツ機材の輸送支援、在外公館レセプション、啓発セミナーの開催といった主な事業の実績を報告しました。

日本の国際的プレゼンス向上へ「平成28年度JOC/NF国際フォーラム」を開催
外務省大臣官房の三上陽一人物交流室長(写真:フォート・キシモト)

 次に行われたのは、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会・スポーツ局スポーツ部競技計画課計画チームの稲福貴史氏と、JOC国際部の山下祥氏による、海外スポーツ組織等駐在員としての活動報告。稲福氏は国際ハンドボール連盟に2年間駐在し、国際大会の運営からヒストリーブックの作成まで、幅広い業務を経験。IFで直接情報収集・提供ができる点、人脈構築などのメリットを挙げ、「役員の皆さまだけでつながるのみでなく、可能な限り事務職もつながっておくことで、役員の活動を支援しつつ、実務者同士での情報を役員に共有し、役員選挙や大会招致に生かすことができるのでは」と語りました。一方の山下氏は、今夏のリオデジャネイロオリンピック・パラリンピックのため2年間、在リオ日本国総領事館にて実施したSFT活動やJOCやNFに対する現地の治安に関する情報提供活動などを報告。「自分のいる立場を最大限に活用して、NFの要望に対してできるだけベストのことができないかと考えていました。リオに来られる皆さんにはよく『現地に知り合いがいて心強い』という言葉もいただき、私の存在が少しは皆さんのお役に立てて、オリンピックの成果につながったのであれば光栄」と、感想を述べました。

日本の国際的プレゼンス向上へ「平成28年度JOC/NF国際フォーラム」を開催
平成28年度JOC国際人養成アカデミーの修了式が行われた(写真:フォート・キシモト)

■JOC国際人養成アカデミーを32名が修了
 続いて、2020東京オリンピック・パラリンピック競技大会について、同大会組織委員会の布村幸彦副事務総長による準備状況の報告の後、平成28年度JOC国際人養成アカデミーの修了式が行われました。各NFから推薦を受けてアカデミーを受講し、本年度修了した32名(うち出席者18名)に、木村興治スクールマスターから修了記念盾が贈られ、フォーラムの前半が終了となりました。

■IF役員ポスト獲得への戦略

 後半の部の最初のプログラムでは、「IF役員ポスト獲得によるメリット、選挙に向けた戦略等」をテーマにパネルディスカッションが行われました。上治丈太郎JOC国際専門部会員がコーディネーターを務め、パネリストとして国際ボート連盟の細淵雅邦理事、国際セーリング連盟の大谷たかを理事、アジアパシフィックゴルフ連盟(APGC)の村津敬介副会長、日本体操協会(JGA)の渡邉榮事務局長の4名が登壇。細淵理事、大谷理事はそれぞれ当選・再選に至った組織としての戦略と自身の選挙活動などを紹介し、村津副会長は国際ゴルフ連盟の理事に当選した平山伸子NF理事の、渡邉事務局長は国際体操連盟会長に当選した渡辺守成NF専務理事のサポート事例を語りました。

 細淵理事が「今回の成果はまさにスポーツ庁、外務省、JOC、東京2020大会組織委員会、われわれNFが有機的に連携し、組織として戦った成果」と語ったように、議論の中で共通のキーワードとして挙がったのが、各団体からのサポートおよび連携の重要性。各パネリストからは多岐にわたる選挙活動の中で、関係団体とともに実施した戦略策定やSFTの活用など、実際にポスト獲得につながった多くの実例が共有されました。

 続いて、来年2月に開催されるアジア冬季競技大会組織委員会の阿部大常務理事・事務局長が登壇し、開催概要や準備状況を説明。さらに愛知県振興部スポーツ振興課の成瀬一浩アジア競技大会推進室長から、2026年に愛知県・名古屋市での開催が決まったアジア競技大会の開催構想が紹介されました。

 最後に、JOC国際専門部会の副部会長を務める村津理事が閉会のあいさつに立ち、「ローマは一日にして成らず」ということわざを引用して「こういう機会を使って第一歩を踏み出してほしい」と呼びかけました。また、「NFからどんどん国際舞台に出て行って、アスリートが活躍できる舞台を全面的に応援する土壌を作っていくのが、われわれにとっては先決だと思います」と述べて、フォーラムを締めくくりました。

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