写真:AP/アフロ
トラックは、自転車専用のコース(トラック)にて着順やタイムを競う競技で、パリ2024大会では男女それぞれ6種目が行われます。個人種目は2人ずつで争う「スプリント」、7人までの選手が先着を競う日本発祥の「ケイリン」、1日4種目を行いその合計ポイントで争う「オムニアム」があります。団体種目は、3人1組でそれぞれの選手が1周回ずつ先頭を引いた後にチームから離れ、最後の1人がゴールしたときのタイムを競う「チームスプリント」、4人1組で16周走る「チームパシュート」、2人1組で男子50km、女子30kmの距離を走る「マディソン」があります。
ロードは定められた距離の舗装路を軽量化された専用自転車で走り、着順もしくは走破タイムを競う競技です。コースを一斉にスタートしてフィニッシュの着順で争う「ロードレース」は、パリ2024大会では男子273km、女子158kmをそれぞれ1日で走ります。「タイムトライアル」は一定の時間間隔をあけて1人ずつスタートして走行タイムを競う種目で、パリ2024大会では男女ともに32.4kmを走ります。
BMXはバイシクル・モトクロスのことで、オートバイのモトクロスの影響を受けてアメリカで誕生した競技です。「レーシング」は8mの高所にあるゲートから最大8人が一斉に坂を駆け下り、大きく起伏のあるコースで高々とジャンプを繰り返し、幾つかの傾斜の付いたコーナー(バーム)を抜けてゴールを目指し、着順で順位が決まります。「フリースタイル」は東京2020大会で新たに加わった種目で、曲面やスロープを複雑に組み合わせた施設で行われます。1分間にトリック(ジャンプ、空中動作、回転などの技・テクニック)をいくつも行い、点数を競う採点競技で、技の難易度や独創性、流れ、コントロール、着地などが採点の対象となります。
1周4km〜6kmの未舗装の山道を走る「クロスカントリー」は、コースにさまざまな表情があり、体力と技術でいかにコースを征服するかが見どころです。また、公道ではなく未舗装の山あり谷あり岩場ありのクロスカントリーコースを走るために転倒やパンクなどのアクシデントがつきもので、コース脇に控えるメカニックや補給員との連係も必要となります。
■トラック
太田 海也
2023シーズンより急激な成長で頭角を現してきたスプリンター。底なしのスタミナと加速力を武器に世界トップのスプリンターたちを2024シーズンに倒してきました。競技を始めてまだ2年足らずですが、チームスプリント・スプリント・ケイリンと短距離全種目でメダル獲得の可能性を見せるオールラウンダーです。
佐藤 水菜
2021年の世界選手権に彗星のごとく現れた佐藤は、初出場の世界選手権でケイリン銀メダルを獲得。翌年も同じくケイリンで銀メダルを獲得し、世界のレ―スで実力を証明しました。ケイリンではレースを読む力、間違えない位置取りを武器に世界と戦います。一方で同じく出場予定のスプリントでは、2024年に入りトップスピードが上がり勝利を量産。技術的に粗削りな部分はありますが、世界と戦う準備が整っています。
窪木 一茂
チーム最年長となる35歳の窪木は、リオデジャネイロ2016大会を経て2回目のオリンピックとなります。窪木の特徴は年齢に関係なく今もなお成長を続けている実力。ベテランなだけにコンディショニングが上手く、レース経験豊富な戦術眼でチャンスを逃しません。加えてスタミナは世界トップクラス。トラック競技は短距離と中距離にタイプが分かれますが、中距離最強の選手が窪木一茂。35歳にして活躍の機は熟しました。
梶原 悠未
東京2020大会でオムニアム銀メダルを獲得した梶原。その後、難しい時期を過ごしましたが、2024シーズンに復活。ネーションズカップ第2戦では持前のスピードとレースをコントロールする上手さを見せて、オムニアムで金メダルを獲得しました。2大会連続のメダル、そして今大会では東京で逃した金メダルを狙います。
■ロード
新城 幸也 / 與那嶺 恵理
日本チームは海外を拠点に活動する新城幸也と與那嶺恵理という、世界での経験が豊富な2選手の力強いレース運びが特徴です。彼らは常に世界のトップ選手たちと競い合っており、戦い方を熟知しています。日本のロードレースを牽引してきた彼らが、世界の強豪選手たちとの駆け引きの中でどのように抜け出せるかに注目です。
■BMXフリースタイル
中村 輪夢
パリ2024大会に日本からただ一人出場する中村の特徴は、エアーと呼ばれるジャンプの高さで、本人オリジナルのバイクフレームも“FLIGHT”と名付けられるほどです。ジャンプの高さを活かして滞空時間を稼げることから、複数トリックを同時に行うコンボを出すことが彼の特徴で、そのダイナミックなトリックが高評価を獲得しています。
■BMXレーシング
畠山 紗英
パリ2024大会には女子1名、東京2020大会から2大会連続となる畠山が出場します。前回大会ではレース初戦での転倒により敗退となったため、今大会では自己のベストパフォーマンスを発揮し、決勝まで勝ち進むことを目標としています。24名で争われるため全参加選手にチャンスがある種目であり、畠山選手の持ち味であるテクニカルセクションの技術で、いかに強豪国に割り込めるかがポイントとなります。
■マウンテンバイク
川口 うらら
パリ2024大会では、女子の川口うららが、自身初出場となるオリンピックの舞台に臨みます。エリートカテゴリーに上がったばかりの日本を牽引する若手選手であり、これまでの国際大会経験を活かし、今大会ではトップ選手と同一周回での完走を目指します。
競技初回実施大会 | アテネ1896大会 |
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TEAM JAPAN初出場大会 | ヘルシンキ1952大会 |
競技別累計メダル数 |
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2024年1月1日時点
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