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平成26年度JOC女性スポーツフォーラムを開催

カテゴリ:その他活動
2015.03.11
平成26年度JOC女性スポーツフォーラムを開催
平岡JOC常務理事による開会あいさつ(写真:アフロスポーツ)
平成26年度JOC女性スポーツフォーラムを開催
参加者は女性が多いが、男性も徐々に増えてきている(写真:アフロスポーツ)

 日本オリンピック委員会(JOC)は3月3日、「平成26年度JOC女性スポーツフォーラム」を味の素ナショナルトレーニングセンターで開催しました。このフォーラムは、スポーツ組織における女性の活躍について課題や情報を共有し、今後の日本スポーツ界の発展に貢献することを目的としたもので、今年度はJOC、加盟団体の役職員ら36団体約100名が参加しました。

 はじめに、平岡英介JOC常務理事があいさつに立ち、「本日のフォーラムは、女性アスリートの環境整備はもちろん、スポーツに女性の方々がどのように関わっていくかということを主題に考えています。昨年採択された国際オリンピック委員会(IOC)の『アジェンダ2020』でも、女性の今後ますますの活躍が期待されています。この会議が有意義なものになるよう、皆様方と一緒に議論させていただければと思います」と述べました。


平成26年度JOC女性スポーツフォーラムを開催
「女性の活躍には男性のサポートも必要」と語る岡部さん(写真:アフロスポーツ)
平成26年度JOC女性スポーツフォーラムを開催
中田さんは「国際競技団体で活躍することは日本の勝利につながる」と語った(写真:アフロスポーツ)

■国際審判員として活躍する2人の事例に学ぶ

 前半は、ともに国際競技団体公認の審判を務めるフィギュアスケートの岡部由起子さんとフェンシングの中田玲子さんをパネリストに迎え、「競技団体における女性の活躍について」というテーマで基調講演が行われました。沖美穂JOC女性スポーツ専門部会員(自転車/オリンピアン)コーディネートの元、女性審判員として競技に関わる2人の略歴や業務内容、現在のポジションにつくまでの経緯など、様々な話が披露されました。

 岡部さんは選手引退後に一度スケートリンクから離れたものの、何か競技に関わりたいという思いでジャッジの道を選択。現在は国際スケート連盟(ISU)のジャッジとしてオリンピックや世界選手権をはじめ、国内外のさまざまな大会で活躍をしています。ジャッジの資格試験はもちろん、現場においても高い英語力が問われるため、「日本人としてはなかなか難しい状況ですが、日本人選手の活躍に貢献するには自国の役員がいないと、という思いで頑張りました」と述べ、大会後に必ず良かった点や改善点をコーチにフィードバックしていると明かしました。

 中田さんは連盟の事務局員時代に「女性審判が国内にいないから、やってみない?」と言われたことがきっかけで、国内の試合で経験を積み、その後国際審判試験に合格。世界を舞台に徐々に活躍の場を広げ、北京オリンピックでは24名中唯一の女性審判員として参加しました。フェンシング界では女性審判が非常に少なく、当初は男子選手に暴言を吐かれたこともあるという中田さん。「常に公平でフェアな態度をとることを心がけ、ルールを尊重し、一番良いプレーをした選手が優勝できるように試合をコントロールすることを心がけています」と語りました。


平成26年度JOC女性スポーツフォーラムを開催
ディスカッションのコーディネーターを務めたオリンピアンの沖部会員(写真:アフロスポーツ)
平成26年度JOC女性スポーツフォーラムを開催
女性スポーツ賞の設立報告を行う高橋部会員(写真:アフロスポーツ)

 またディスカッションでは、フィギュアスケートとフェンシングは互いに異なる競技特性である一方、ルールを熟知して戦略上のアドバイスを行うことや、ルール改正時に選手が不利にならないよう関係者に情報を共有すること、審判同士コミュニケーションを積極的にとって仲間を増やし、少しでも日本選手を応援してもらえる状況をつくることなど、日本人の国際審判という立場ならではの共通点も明らかになりました。

■「JOC女性スポーツ賞」設立報告

 続いて、高橋和子JOC女性スポーツ部会員が、今年度から新たに設立された「JOC女性スポーツ賞」について説明を行いました。IOCには、スポーツ界に対して女性参加の促進および発展、貢献した人を表彰する「IOC女性とスポーツ賞」があり、大賞(ワールドウイナー)1名と大陸別の受賞者が選ばれています。JOCはこれをお手本に、4年の準備期間を経て同賞を設け、毎年6月に表彰式を行っている「JOCスポーツ賞」の5つ目の賞として加えることが決定。高橋部会員は「きょう3月3日はひな祭りですが、この良き日に報告ができたことをとてもうれしく思います。今年度はすでに締め切って、現在選考をしています。来年度に向けて『我こそは!』という団体の方がいらっしゃいましたら、是非ご応募ください」と呼びかけました。


平成26年度JOC女性スポーツフォーラムを開催
セミナーの概要説明をする高峰部会員。男性では唯一の参加者だった(写真:アフロスポーツ)
平成26年度JOC女性スポーツフォーラムを開催
吉原さんは「アジアの女性はまだ活躍の場が少ない」と感想を述べた(写真:アフロスポーツ)

■アジアの女性スポーツを引っ張る人材がそろったセミナー

 後半はまず、1月にカンボジアで実施された「IOC女性とスポーツのためのリーダーシップトレーニング/セミナー」について、高峰修JOC女性スポーツ専門部会員とオリンピアンの吉原知子さん(バレーボール)が参加報告を行いました。同セミナーは、アジア諸国を対象とした女性のリーダーシップ養成を目的としており、アジア22カ国から65名が参加。各国の女性スポーツに関する事例紹介をはじめ、自己分析やリーダーシップ、コミュニケーションの方法、女性スポーツ促進のための現状分析とアクションプランの策定など、グループワークを交えながら4日間にわたり行われました。

 高峰部会員は「参加者の意識はとても高く、今回の受講者から必ず将来アジアの女性スポーツを引っ張っていくリーダーが出てくると思います」と感想を述べた一方、自身が男性で唯一の参加者だったことに触れ「男性も同様に、(女性がスポーツ界で活躍していくためには)何が問題なのかを理解しないと。男性とのバランスも大切」と課題も挙げました。

 また吉原さんは、各国のスポーツへの取り組みを知れたことや、グループワークで参加者とコミュニケーションを取れたことが収穫とし、さらに「参加者のインパクトに残ること」の重要性に言及。「こういった場所で存在感を示す、仲間のインパクトに残るということは非常に大切。高峰さんは唯一の男性参加者、私はご覧の通り非常に背が高いので、日本チームは確実にみんなのインパクトに残ったのではないでしょうか」と胸を張りました。


平成26年度JOC女性スポーツフォーラムを開催
JISSの取り組みについてプレゼンテーションを行う関根課長(写真:アフロスポーツ)
平成26年度JOC女性スポーツフォーラムを開催
山口部会長は各競技団体の協力、情報共有を熱く訴えた(写真:アフロスポーツ)

■国立スポーツ科学センター(JISS)の取り組みとは

 JOCで作成を進めている「セクシャル・ハラスメントに関するガイドライン(案)」の説明に続き、国立スポーツ科学センター(JISS)研究・支援協力課の関根章大課長が、文部科学省委託事業の「女性アスリートの意義・育成プロジェクト」で実施している「女性特有の課題に対応した支援プログラム」を紹介しました。
 本プログラムでは、基礎体温や体重などのコンディション情報をオンライン上で担当医師と共有し、必要なときにアドバイスが受けられる「女性アスリートサポートシステム」の運用、成長期のアスリートが保護者と一緒に参加できる講義や指導者講習会の実施、妊娠期・産前産後期・子育て期におけるトレーニングサポート(妊娠中のトレーニング方法、託児所の設置など)、“ママアスリート”のネットワーク支援など、多岐にわたるメニューが用意されています。関根課長はプロジェクトの推進にあたり、各競技団体の推薦や意見を聞いたうえで支援対象者を決めていること、将来的に各競技団体の中で続けて実施できる仕組みにしていく考えであることを説明。さらに競技現場への周知について、「来年度のアナウンスを受け取った際は、JISSの取り組みを思い出して是非ご協力をお願いします」と訴えました。

 終わりに、JOC女性スポーツ専門部会長を務める山口香理事が登壇し、総括と閉会あいさつを行いました。山口部会長は「実際に活躍している方のやり方やノウハウを共有しようという流れでここ2年はフォーラムをやってきました。実は女性であっても手を挙げれば参加できるという場は意外とあります。是非積極的に(参加を)勧めて背中を押してあげて下さい」と呼びかけるとともに、各競技団体の中で情報が伝わりにくい傾向があることを指摘。「現場は情報を欲しがっている人がたくさんいると思いますので、今日の話を意識して持って帰っていただければ、次につながるのではないでしょうか」と現場へのフィードバックを求めました。さらに「男性と女性、お互いのサポートと信頼関係が必要」という横田博之部会員のコメントを受け、「男性と女性と分かれてやっていくのではなく、仲良くスポーツに貢献していければと思います」と述べました。





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