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2016.08.15 オリンピック

4連覇狙う吉田選手「最後に自分の手が上がることをイメージして」

4連覇狙う吉田選手「最後に自分の手が上がることをイメージして」
記者会見を行った(左から)伊調選手、吉田選手、栄チームリーダー

 レスリング女子でオリンピック4連覇を目指す吉田沙保里選手(53キロ級)と伊調馨選手(58キロ級)、レスリング代表の栄和人チームリーダーが14日(現地時間)、リオデジャネイロ市内にあるメインプレスセンターで記者会見を行い、女子選手では史上初となるオリンピック4連覇に向けた意気込みを語りました。

ーーリオデジャネイロ入りして、最終調整中と思いますが、現在のコンディション、体調についていかがでしょう?

吉田選手 11日にこちらに入って、4日間、練習をこちらでしていますが、調子がいい日、悪い日がある中で、うまく調整をしていって、試合に向けてコンディションをしっかりと整えて頑張らないといけないと思っています。今日からグレコローマンスタイル(の試合)が始まって太田(忍)選手が決勝に行ったということで、とても日本代表選手団、レスリング関係者も喜んでいて、このままいい波にのれるようにがんばっていきたいと思います。

伊調選手 けがもなく順調に来ていると思います。明日から減量に入るので気を引き締めて、いいコンディションで試合に臨めるように頑張ります。

ーー伊調選手は昨年の1月に13年ぶりの敗戦を喫しました。そのことについてはどう考えていますか?

伊調選手 試合に出ることで勝つ、負けるがあるのでそこにこだわらず自分のレスリングを追求してきたことでの結果なので、まったく気にかけていません。今回のオリンピックに懸けて調整してきたので、金メダルを目指してその中でその敗戦が実ったという試合をできればと思います。

ーー伊調選手、一番手ごわい相手は? フィンランドのペトラ選手についてはどう考えていますか?

伊調選手 やったことのない選手も17人、18人の中にいるので、この選手、この技に気をつけなければいけない、というのはありますが、全員自分の中でチェックしてきたので、誰と当たってもいいようにしています。

 ペトラ選手については、世界選手権以来の対戦を楽しみにしていますし、自分の中で特徴のある相手だと思います。気をつけなければいけない点、どんな技をかけよう、といったところをイメージするのは楽しい時間なので、ぜひ対戦したいと思います。

ーー栄さんに伺います。吉田選手、伊調選手のコンディション、仕上がり具合をどう見ていますか?

栄チームリーダー 日本から長旅で疲れているにもかかわらず、着いてすぐに呼吸があがるくらい(ハードな)練習をしていて、リオに来てこれだけ動けていれば大丈夫なのかと感じています。もちろん2人は国際大会の経験は豊富なので、調子のいい悪いよりもとにかく自分のペースを持っていると思うので、試合が始まれば集中力はあると思うので、必ずいい結果が出せると思います。

ーー身体面と精神面、どういうところに気をつけていますか? またそれぞれどんな状態ですか?

吉田 最後はここまでやってきたからには、気持ちの面が左右しますし、先ほど栄監督が言ったように、調子が悪くても最後は絶対に勝ちたい、最後は自分の手が上がっている、それをイメージしながらこれまでずっとやってきたので、それを変えずにリオのオリンピックでも出したいと思います。

伊調 今まで練習してきたことの確認作業、何を自分が気をつけてきたのか、やりたいことは何かを確認して練習しています。

ーー4連覇が懸かっていますが、リオに到着して戦う前の心境に変化はありますか?

吉田 2連覇も、3連覇も、4連覇もそんなに変わらないかなと思います。周りから女性初の4連覇などということを聞くと4連覇はすごいと思ったり、いろんな競技を見ていると、勝てる選手が負けたり、有力視されている選手が負ける、難しいところがたくさんあるのがオリンピックで、オリンピックは何が起きるのかわからないということは感じているので、油断することなくこれまでやってきたことを出しきれば大丈夫かなと思っています。4連覇に向けて頑張りたいと思います。

伊調選手 アテネ、北京、ロンドン、リオと4大会目ですが、1大会ごとに思いは違うので、アテネのときから積み重ねてきたものが4倍くらいになって、思いはどんどん重くなっているように感じます。

ーーリオの雰囲気、ここまでの日本代表選手団の戦いで印象に残るシーンは?

吉田選手 リオの環境などについて、いろいろ報道があって治安が悪いと言われていたのですが、私たちは選手村とハイパフォーマンスセンターへの行き来などしかしていないので、そんなに悪いかな?と感じていますし、今までと変わらず調整はできていると思います。日本で最初の競技を見ていましたが、三宅宏実ちゃんの銅メダルには自分も感動しました。体操の団体の金メダルは予選4位から逆転で優勝して鳥肌が立ったり、柔道もロンドンとは違ってリオに向けて4年間、調整をしてメダルを確実に取れるところはすごいと思いました。競泳ももちろんですが、金メダルの数はすでにロンドンの数に並んでいるので、あとはレスリングがたくさん金メダルをとることで、目標の14個につながっていくので、がんばらないといけないと思います。

伊調 着いた日は涼しいというか、寒いなという印象で、今日は暑いので、温度差が激しいなというなかで自分たちは体重調整もあったり、練習環境もいい中で練習できているので、すごく満足しています。(リオに)来る前は柔道を見ていて寝不足の状態が続いて、レスリングも前半にやってほしいと思いながら見ていました。でも、前半の競技の力、テンションで高揚感も高まってきた中で、リオに行くことができたので後半でよかったのかな、と思います。

ーーお互いに向けたエールをお願いします。

吉田 直接こういうふうにエールを送ったことがないですが、馨はもちろん絶対に金メダルを取って、4連覇をする、と私も思っているので特別なエールはいらないと思いますが、今回も初日が馨なので、馨の金メダルを見せてもらって私も4連覇できるように一緒にがんばっていきたいと思います。

伊調 地味にプレッシャーをかけられた感じもしますが(笑)。沙保里さんとはここまで一緒にやってきて、4連覇の苦しみ、つらさに挑戦するのは自分と沙保里さんしかいないので、2人でぜひ達成したいと思いますし、自分は初日のプレッシャーをはねのけて沙保里さんに繋げたいです。

ーー栄さんに選手団としての調整具合は?

栄チームリーダー 私はレスリング協会の強化本部長という役職についていますが、今日、太田選手が決勝まで、男子がリオで取れなかったらメダルが途切れてしまうという中で、太田選手が決勝にきました。先陣を切って太田選手が決勝まできたことは、本当にレスリングに励みになります。女子選手6人が私の教え子であとの選手も必ず金を取りたいという思いでここまで来たので、6人金を取るチャンスはありますし、思いたくはありませんが、メダルが1つ、2つになる可能性も想定しながらキチッとがんばりたいと思います。調子は上がっています。

ーー4度目のオリンピックはどのような大会にしたい?

吉田選手 ロンドンは自分の父(栄勝さん)もいましたし、このリオにはいませんが、しっかり4連覇をして歴史を残したいのと、天国の父に、またここに入る前に九重親方も亡くなりましたが、親交があったので親方にも金メダルを見せたいという思いはあります。

伊調選手 言い続けてきた自分の納得できるレスリングをしたいですし、応援してくれている人、支えてくれた方々に見せたいという気持ちです。

ーーリオのあとは東京もあり、思いは大きくなっているとのことですが、リオで残すべきものはありますか? 結果はもちろん、レスリング界全体として後輩に与えたいものは?

伊調選手 4大会目にして沙保里さんに次ぐ年寄りになってしまいました。これまでの3大会は私は最年少で、甘えん坊でしたが、これからは後輩がどんどん活躍する時代だと思いますし、女子レスリングの人口も世界のレベルも上がってきていると思います。どんどん日本が世界一という時代は難しくなってきますが、東京でも世界一、その次(オリンピックで)も世界一を続けられるように、私たちは沙保里さんと4連覇をして、傷跡を残して去りたいと思います。

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