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2016.08.12 オリンピック

【メダリスト会見】体操2冠の内村選手「5人で勝ち取れた金メダル」

【メダリスト会見】体操2冠の内村選手「5人で勝ち取れた金メダル」
記者会見を行った体操の(右から)田中佑典選手、白井健三選手、内村航平選手、加藤凌平選手、山室光史選手

 リオデジャネイロオリンピックの体操男子個人総合と男子団体で2冠に輝いた内村航平選手、男子団体で金メダルを獲得した加藤凌平選手、山室光史選手、田中佑典選手、白井健三選手が11日(現地時間)、TOKYO2020 JAPAN HOUSEで記者会見を行い、メダル獲得の心境を語りました。

——団体総合の金メダルから少し日にちが経ちました。家族との触れ合い、あるいは友人、知人からの応援メッセージ、いろいろ届いたりしていると思いますけれど、金メダルの重みを今どのようにあらためて感じているか、今の心境などをお聞かせください。

山室選手 前回のロンドンで僕自身けがをして、銀メダルだったので、今回はみんなで一致団結して、金メダルを取ろうということをみんなで言い合って、それで本当に取れたので、ただただうれしいという気持ちが大きいですね。

——何か(家族との)触れ合いとかメッセージを受けていかがですか?

山室選手 本当にいろんな人からたくさん応援していただいて、そういうものが力になるなとあらためて思いました。

加藤選手 少し時間が経って実感が少し湧いてきて、僕自身っていうよりも周りから祝福されたり、あとは父親がコーチとして付いて来てくれて、母親が応援に来てくれて、今までで一番喜んでくれている姿を見られて、それで本当にすごいことなんだなと、金メダルうれしいなという気持ちがどんどん湧いてきました。

——内村選手、個人総合でも連覇されまして8年連続の世界チャンピオンですけれど、あらためて一夜明けて今の気持ちをお聞かせください。

内村選手 ブラジルに入ってからずっと気持ちを高めたまま、ずっと昨日まで維持をしていて、ただただしんどかったなというのと、昨日の個人総合の演技はオリンピックで初めてノーミスで演技をすることができて、3回目にしてようやく自分の中のいい演技をオリンピックで出すことができたので、かなりやり切った感というのはありました。でもまだ、団体決勝のときの演技に関してはミスもあって、本当にチームメイトに助けられた試合で、本当に5人で勝ち取れた金メダルだったなというふうに感じています。

——白井選手、山室選手。加藤選手と同じ質問ですけれども、(家族との)触れ合い、あるいは昨日は応援に回ったりしながら、自分の金メダルをどのように受け止めているか、今の気持ちをお聞かせください。

白井選手 僕は予選から2種目しか出場していなくて、あまり周りの選手に比べても出る種目が多くないんですけれど、その分ゆかと跳馬にかかる責任はすごく大きかったので。しかも予選でゆかがあんまりいい演技ができていなくて、団体決勝の最終種目の一番手っていう、結構ここ最近ないような状況でのゆかだったので、かなり神経質にはなったんですけど、今まで自分がやってきたゆかなら絶対大丈夫だというふうに思って。本当に仲間がいなければあの状況に耐えられていなかったと思うぐらい結構張り詰めた空気だったので、本当に仲間に感謝したいなと思いますし、団体で金メダルを取った感動もありますけれど、昨日航平さんの個人総合を見た感動というのもありますし、やってみてもそうですし、見ていてもいろんな意味でオリンピックに来て良かったなというふうに思うことが今回は多いです。

——田中選手、同じ質問ですが。

田中選手 金メダルを取ってたくさんの人に「おめでとう」と、「やっとだね」とメッセージをもらったりして。自分が結果が振るわなかったときもずっと応援してくれていた人たちからのメッセージで、本当に頑張ってきて良かったなと。帰ったらみんなで喜び合いたいなと思います。

——内村選手に。昨日の個人総合で金メダルを取りまして、この4年間で世界の体操がどのように変わってきたのか、世界のレベルが変わってきたのでしょうか?

内村選手 数年前までは6種目中2、3種目で点数を稼げれば、3番以内には入れるぐらいの流れだったんですけれど、ここ最近では6種目すべてで15点台半ばぐらいを取っていかないと、金メダルを取るということに関してはすごく難しくなってきているのかなと。それも僕が長年世界チャンピオンに居続けて、僕も年々難度を上げて守りに入らないで演技をし続けたからこそ、周りの海外の選手たちも僕の姿を追って、僕よりも高い難度でやってきた選手がオレグ(・ベルニャエフ/ウクライナ)選手で、僕よりも1点以上高い難度点で、前まではあんまり安定感がなかったんですけれどオリンピックにすごく調子を合わせてきて、今回は本当に負けてしまうんじゃないかというぐらいのすごい気迫を感じました。

——内村選手以外の4選手に昨日の内村選手の演技を見て、競技後に内村選手が、「僕が示したものを受け取ってほしい」みたいなことをおっしゃっていたんですけれども、皆さん4人がどのようなことを受け止めたのか? また内村選手の個人総合、今のあり方、演技の内容、世界的に見たその意義、そのようなものをどのように受け止めましたか? 感じたことを率直にお願いします。

山室選手 長いことずっと世界チャンピオンで居続けてきて、やっぱりオリンピックという舞台になると特別な意味があって、いつもより難しくなってくると思うんですけれど、「ただただ世界中に内村航平をアピールしてきて」というふうに送り出したので、それを見事にやってきたなと思います。団体決勝で凌平がすごくいい試合内容をして、試合終わった後に航平が「化け物だな」というふうに言っていたんですけれども、昨日の試合を見た結果、やっぱり一番は航平が化け物だったというので収まりました(笑)。

加藤選手 やっぱりあれだけレベルの高い中で、あの接戦の中で最後の着地まで止めて金メダルを獲得するというのは、一番近くで見ていた僕からしても気迫が伝わってきましたし、集中力もものすごいものだなと。こうやって航平さんが示してくれたものを、僕とか健三はまだ若いのでもっともっと伸びしろはあると思うので、しっかり受け止めて東京(オリンピック)に向けてまたスタートを切れればいいなと思います。

白井選手 航平さんが示してきたものっていうのはずっと僕は見てきていて、別に今回のリオで勝ったから航平さんを目標にするとかいう感情はなくて、ずっと、航平さんが世界チャンピオンを初めて取ったときから航平さんが目標なので。今でも一緒にチームを組んで団体戦を戦えているということもすごくうれしいですし、本当に人間的にも体操選手的にも目標とする人なので、これからも追い続けていきたいですし、こういったすごくいい見本が近くにいるということに本当にそのことに感謝して、いろんなことを教えてもらっていきたいなと思います。

田中選手 昨日はただただ感動でした。感無量でした。いつかは負けてしまうんですけれど、ここじゃないな、ここであってほしい、あってほしいじゃない(笑)、ここじゃなくていいでしょっていう、本当にここまで体操界をけん引してくれていて、僕たちを引っ張ってくれていて、団体金っていうのをずっと言ってきていての個人総合って本当に大変だと思うんですよね。それを予選から18演技、6個、6個、6個で18種目やってきて、体を酷使しながらあれほどの演技で、本当にみんなに感動を届けてくれて、やっぱりキングはキングだったなと思いました。

——5人全員にお伺いします。団体金メダル、おめでとうございます。団体の悲願を達成するにあたって合宿中、あるいは予選から決勝までの間とかにそれぞれいろいろ会話をしたと思うんですけれども、さっきの山室選手のインタビューのような、あの人のこんな言葉が記憶に残っているとか、こういうことをあの人はやっていた、だから金メダルが取れたというような、思い出すことをお願いします。

山室選手 特別なことは多分ないと思うんですけど、本当にみんな今までやってきたことを出し切ろうという感じだったので。気合い入れるためにやったのは、試合行く前に円陣を組んだぐらいですかね。

加藤選手 試合後でもいいですか? 航平さんの一面なんですけど、団体決勝が終わった後に、その喜びを言葉だけで表現できなかったのか、僕のことをすごい褒めてくれながら、「お前さすがだな本当、お尻おもいっきり蹴っていいか」みたいな(笑)。言葉だけじゃ表現できないような、そんな、まあ信頼されていてうれしいなと感じました。

内村選手 団体決勝のゆかで健三がトップバッターで、僕は健三の演技を見る余裕もなく自分に集中していたんですけれど、健三はこんなに若くしてすごくメンタルが強いっていうのはもう皆さんご存じだと思いますけれど、そんな健三でもこのゆかは、緊張ではないんでしょうけれど、いつもと違う何かを感じていたというのを周りの選手、他のチームメイトから聞いて、やっぱり健三でもああいう舞台ではそういう感じになるのかという、健三の人間らしい部分を感じられたかなと思います。

白井選手 僕も団体決勝終わった後なんですけれど、航平さんが上のビジョンを見ながら「俺たちオリンピックチャンピオンだぞ」って言ったのを聞いて、僕は初めてのオリンピックだったので、予選でオリンピックってこういうものかと本当に初めて知った身だったので、初出場で初優勝っていうのはすごくぜいたくな経験なんですけど、自分たちはそれだけのことをやったんだなという充実感をその言葉を聞いて得た気がします。

田中選手 いろいろあったんですけれどね。全然出てこないですね(笑)。表彰式のときに航平さんがずっと「オリンピックチャンピオンっていうのは気持ちいいよ。アナウンスで言われるのが気持ちいい」っていうのをずっと言っていて、それをすごく楽しみにしていたんですけれど、思っている以上にあっさり「オリンピックチャンピオン」と呼ばれて、あっこんな感じかという現実を見ました。でもただそこに立てたことがすごく幸せでした。

——内村選手に確認になってしまうんですけれども、昨日の演技で腰を痛めたとおっしゃっていましたけれども、一夜明けて今の状態はいかがかということと、種目別まで少し時間があると思うんですけれど、そこまでに回復できそうな状況かというのを教えてください。

内村選手 昨日の終わった直後の姿を見てもらえれば分かるんですけど、歩くのも困難な状況で、痛みもかなりあるんですけれど。気持ちは全然、種目別に向けて切れているところはないし、種目別のゆかはメダルのチャンスがあるし、出られる状況であれば出たいと思っているので、自分の中では全然諦めていないです。

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