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ローラースポーツ

概要

 前後に車輪がついた板に乗り、トリック(ジャンプ、空中動作、回転などの技)を行い、その技の難易度や高さ、スピードなどを評価する採点競技。東京2020大会で新たに採用されます。

 スケートボードの起源は諸説ありますが、1940年代にアメリカ西海岸で木の板に鉄の車輪をつけて滑った遊びが始まりとされており、1950年代に入って木製の板にゴム製の車輪がついた「ローラーサーフィン」という商品が販売され、これが現在のスケートボードの原型になったといわれています。とくに若者に人気の比較的新しいスポーツで、1980〜1990年代にかけて世界に広まりました。1990年代後半からは、グラフィックや音楽、ファッションをともなってストリート・カルチャーの中心的位置を占めるようになりました。

 オリンピックで行われる種目は2つ。街の中を滑るようなコースで技を競う「ストリート」と、複雑な形のコースで技を競う「パーク」で、それぞれ男女別に行われます。

ルール・見どころ

ストリート
 街にあるような階段や手すり、縁石やベンチ、壁や坂道などを模した直線的なセクション(構造物)を配したコースで行われます。選手は1人ずつ競技を行い、セクションを使いながらさまざまなトリック(技)を繰り出します。そのトリックの難易度や高さ、スピード、オリジナリティ、完成度、そして全体の流れを見て審査員が総合的に判断し、採点します。

 縁石を模したレッジや、手すりを模したハンドレールでは、デッキ(板)を直接レールやレッジに当てて滑る「スライド」、デッキとウィール(車輪)をつなぐ金属部分のトラックを当てて滑る「グラインド」がよく行われます。レールやレッジに飛び乗る際には、選手が手を使うことなくボードとともにジャンプする「オーリー」というトリックを活用します。これはなかなか難しいテクニックですが、選手たちはごく普通にこれを繰り出します。ここでは、レールやレッジへの乗り方や降り方、レールやレッジ上を滑る距離にも注目しましょう。

 スケートボードやサーフィンのように横向きに乗る競技には「スタンス」と呼ばれる選手の向きがあり、進行方向に対して左足が前になるスタンスを「レギュラースタンス」、右足が前になるスタンスを「グーフィースタンス」と呼びます。これは右利き、左利きのように個々それぞれ違い、本来のスタンスを「メインスタンス」、逆のスタンスを「スイッチスタンス」と呼びます。同じトリックでもメインスタンスで行う場合とスイッチスタンスで行う場合の評価は違い、もちろん難易度も格段に上がります。

 デッキを回転させるフリップもよく行われますが、選手自身が回りながらデッキも回し、手を使わずに再び足に戻すというハイレベルなトリックもあります。まるで足にデッキがマグネットで吸いつけられているように見えるトリックです。デッキの回し方も、水平、縦、横とまさに三次元。見ている者の意表を突くテクニックを成功させることこそ、スケートボード最大の見どころと言えます。

パーク
 大きな皿や深いお椀をいくつも組み合わせたような、複雑な形をした窪地状のコースで行われるパーク。直線的なセクションが中心のストリートに対して、パークはアール(湾曲)がついた曲線的な形状です。その窪地の底から曲面を昇ると傾斜は急になり、上部は垂直もしくは垂直に近くなります。ここを一気に駆け上がり、空中へ飛び出す美しいエア・トリックが、パークでは中心となります。

 キッカー(ジャンプ台)で空中に飛び出すと、トリックのバリエーションも増えます。空中でデッキを手でつかむグラブも、どこをつかむか、どちらの手でつかむか、そのときの姿勢をどうするか、などによって難易度が異なります。

 飛びながらデッキを手でつかむグラブや、デッキを回転させたり、選手自身が回転したり、それらの組み合わせや、回転方向や回転位置によって難易度と独創性を上げていきます。また、上部のリップ(縁)を使ったスライド系のトリックも行われます。いずれにしても、まるで浮遊しているかのようなパフォーマンスで、多くの複雑なトリックを行い、いかにスリリングなかっこよさを披露できるかがパークの見どころです。パフォーマンスの大きさやスピードにも注目です。

 スケートボードでは、コース取りやトリックの順番、種類はすべて自由。同じトリックでも、スピードがあるのとないのでは流れのシャープさが違います。スピードも重要な要素ですが、難易度や独創性を加味して総合的に評価されます。採点は、トリックの難易度や完成度、オリジナリティ、スピードに加えて、全体の流れやダイナミックさ、安定感、浮遊感なども考慮して総合的に評価され、数値化されます。スケートボードは、軽快なBGMが流れる開放的なムードで行われ、「すごい!」「かっこいい!」と思わせるトリックの数々や高さ、スピードに圧倒されながら、フェスティバルのような雰囲気を楽しみましょう。

※東京2020大会組織委員会 公式サイトより


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