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2020.12.25 選手強化

2020年JOCネクストシンボルアスリート研修会をオンラインで開催

2020年JOCネクストシンボルアスリート研修会をオンラインで開催
2020年JOCネクストシンボルアスリート研修会を開催(写真フォート・キシモト)

 日本オリンピック委員会(JOC)は12月8日、2020年JOCネクストシンボルアスリートオンライン研修会を開催しました。本研修会は、次世代のシンボルアスリートとして、オリンピックをはじめとする国際総合競技大会において活躍が期待され、JOCネクストシンボルアスリートに認定されたアスリートが、その役割を理解し、自身の行動や競技への取り組みに責任を持つことを目的としています。研修会には21名のネクストシンボルアスリートが参加しました。

 最初に、JOC事業・JOCネクストシンボルアスリートの役割について、大河正明JOC理事・マーケティング委員会副委員長が説明しました。冒頭にJOCの使命、及びその使命を果たすための「3つの役割」、さらにその役割を具現化するものとして掲げた「JOCの5つの活動」を解説。続けて、ネクストシンボルアスリートの意義、それらを支える仕組みなどについて説明するとともに、川井梨紗子選手(レスリング)、髙木美帆選手(スケート/スピードスケート)ら過去のネクストシンボルアスリートの活躍を紹介。また、最後には「過去にネクストシンボルアスリートに選出された選手は、オリンピックや世界選手権などで活躍されています。本研修に出席しているネクストシンボルアスリートの皆さんも、先輩アスリートに続いて活躍していただき、スポーツ界をけん引していただきたいと思います」と期待の言葉を寄せました。

2020年JOCネクストシンボルアスリート研修会をオンラインで開催
山下泰裕JOC会長(写真フォート・キシモト)

 続いて、山下泰裕JOC会長が挨拶し、「次世代のシンボルアスリートとしてスポーツ界をけん引していく存在であることを認識していただく場であるとともに、トップアスリートであるがゆえの葛藤、プレッシャー、あるいは悩みなどについて、その打開策となるエッセンスを先輩アスリートから学んでいただく場になっていただければと思います」と、研修会の主旨・目的について説明しました。そして、「皆さんの中には東京2020大会、あるいは2022年の北京冬季大会に出場される可能性を秘めた選手も多いと聞きます。ぜひ、それぞれの可能性を信じて、思いっきり自分の夢にチャレンジしてほしい。JOCはいつも皆さんのそばに寄り添い、皆さんの夢を応援し続ける存在でありたいと思っています。皆さんのこれからのますますの活躍を期待しています」とエールを送りました。

2020年JOCネクストシンボルアスリート研修会をオンラインで開催
三井梨紗子さん(写真フォート・キシモト)

■オリンピアンによるトークセッション

 次にオリンピアンによるトークセッションが行われました。ゲストスピーカーとして2012年ロンドンオリンピック、2016年リオデジャネイロオリンピックにシンクロナイズドスイミング(※現アーティスティックスイミング)で出場し、リオ大会ではチーム、デュエットで銅メダルを獲得した三井梨紗子さん、2008年北京オリンピックにバレーボールで出場した山本隆弘さん、2008年北京オリンピック、2012年ロンドンオリンピックに新体操で出場した田中琴乃さんが参加。トークテーマは、大きく「競技面」「環境面」「精神面」の3つに分け、本番でベストパフォーマンスを発揮し、結果を残すために必要なことやオリンピアンが現役時代に普段の練習から心がけていたこと、withコロナ時代におけるモチベーションの維持方法や日々のプレッシャーとの戦い方、また、日本を代表するアスリートとしての心構えやSNS・メディアとの向き合い方などについて、ゲストオリンピアン3名がそれぞれ自身の現役時代の経験やエピソード、それらから得た教訓などを語りました。

2020年JOCネクストシンボルアスリート研修会をオンラインで開催
山本隆弘さん(写真フォート・キシモト)
2020年JOCネクストシンボルアスリート研修会をオンラインで開催
田中琴乃さん(写真フォート・キシモト)

 また、ネクストシンボルアスリートからの質問で、メダル獲得のために必要なことについて聞かれた際には、山本さんは「夢を夢のままだと思っていては、メダルはとれないと思います。夢を追い求めて明確な目標を作っていく中で、最終的に夢が目標に転換される時期が来ます。例えば、まずはオリンピックへの出場を夢として捉えるのではなく、目標として捉え、その目標が叶った暁には、次に具体的にメダルを獲得するという目標を立てることでまた次の目標達成に繋がっていくはずです。目標を明確にして、いかにその達成のために自分を鍛えられるかが重要だと思います」と話し、田中さんも「夢と目標は違うと思います。金メダルをとりたかったら今何をするべきか、金メダルをとった選手は何をしていて、自分には何が足りないのか。そうしたことを考えて行動を起こすことが何より大切だと思います」とアドバイス。
 さらに三井さんは、チーム5位に終わったロンドン大会から銅メダルを獲得したリオ大会までの自身の気持ちの変化について「メダルをとった選手と、とれなかった選手の違いを考えたときに、特に私たちは魅せる競技、採点競技なので、まずは日頃の立ち振る舞い含めて、『この選手はメダルをとりそうだな』と周りから思っていただける選手にならなければと思いました。本当に当たり前のことなんですが、返事や挨拶、歩いている姿など、周りから『変わったね』『アーティスティックの選手ってかっこいいね』と思ってもらえることがすごく大事で、そこから私たちの気持ちも変わっていきました」と、採点競技ならではの視点から普段の私生活における心構えの重要性を話しました。

 続いて、インテグリティ教育について、講師を務めた上田大介JOC選手強化本部インテグリティ教育ディレクターより、不祥事が続くスポーツ界が社会からの信頼を確保するための取り組みとして「機会、動機、正当化を揃えない」「予兆、前兆、兆候を見逃さない」「自分の判断基準を持つ」という3つのポイントを紹介。同時に「社会からの信頼を取り戻す取り組み」をしていくよう呼びかけると、「皆さんにはスポーツをする人として、スポーツを見る人に勇気や希望を届けるとともに日ごろ支えてくれている人へ感謝の気持ちを忘れずにプレーをしていってほしい。『やっぱり、スポーツっていいね』を合言葉に、若い力とアイデアを生かした取り組みや発信をお願いします。ぜひ、人間力を遺憾なく発揮して、スポーツの価値を向上する取り組みをしていただければと思います」と伝えました。

 最後に松丸喜一郎JOC副会長・マーケティング委員会委員長より、ネクストシンボルアスリートに向けて、研修会を通して新型コロナウイルスの東京2020大会への影響について、不安の声も多かったが、日本オリンピック委員会としては、東京2020大会の成功に向けて最大限尽力していく旨を伝えるとともに、選手を後押しするかたちで会を締めくくりました。

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