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2016.10.19 キャリア支援

JOCの就職支援「アスナビ」:経済同友会への説明会を実施

JOCの就職支援「アスナビ」:経済同友会への説明会を実施
プレゼンを行った6選手。左から黒川選手、中山選手、赤瀬選手、鈴木選手、宮山選手、米沢選手(写真:アフロスポーツ)
JOCの就職支援「アスナビ」:経済同友会への説明会を実施
経済同友会の横尾副代表幹事・専務理事(左)、大西東京オリンピック・パラリンピック2020委員会委員長(写真:アフロスポーツ)

 公益財団法人日本オリンピック委員会(JOC)は10月12日、日本工業倶楽部(東京都千代田区)で、トップアスリートの就職支援ナビゲーション「アスナビ」の説明会を行いました。

 アスナビは、オリンピック・パラリンピックや世界選手権などを目指すトップアスリートの生活環境を安定させ、競技活動に専念できる環境を整えるために、企業の就職支援を呼びかける活動です。2010年から各地域の経済団体、教育関係機関に向けて本活動の説明会を行い、これまでに来春入社予定選手含め88社/団体126名(2016年10月12日時点)の採用が決まりました。

 今回の説明会は、公益社団法人経済同友会の会員を対象に行われ、43社58名が参加しました。

 最初に主催者を代表し、経済同友会の横尾敬介副代表幹事・専務理事が「10月7日のリオデジャネイロオリンピック・パラリンピック日本代表選手団合同パレードは大いに盛り上がりました。この機運を2020年へ継続し、最高の大会を迎えられるように経済界も協力していきたい」と挨拶。続けて、経済同友会の大西賢東京オリンピック・パラリンピック2020委員会委員長は、今年3月3日に行われた経済同友会対象のアスナビ説明会をきっかけにアスリート4名の採用が決まったことを報告すると、「アスリートの皆さんと企業の雇用はWin‐Winの関係を作り上げることができるんだと実感しました。このムーブメントを一過性に終わらせるのではなく、アスリート支援のレガシーとして、より広く深く継承していきたいと思っています」と述べました。

JOCの就職支援「アスナビ」:経済同友会への説明会を実施
星野JOC理事(写真:アフロスポーツ)
JOCの就職支援「アスナビ」:経済同友会への説明会を実施
三菱電機株式会社の小野木人事部本社グループマネージャー(写真:アフロスポーツ)

 また、同じく主催者を代表をして、星野一朗JOC理事は「トップアスリートが世界の舞台で活躍するためには、練習場や宿泊・食事施設のハード面のみならず、経済的な観点からも安心して競技に打ち込める環境が必要不可欠です。皆さんの日々のサポートがトップアスリートの明日を作っていきます。その意味で、本日お集まりいただきました皆さまも“チームニッポン”の一員です。夢を叶えるために一生懸命頑張っているアスリートの生の声をお聞きいただけたら幸いです」と、一層の支援を呼びかけました。

 次に八田茂JOCキャリアアカデミー事業ディレクターが、雇用形態や給与水準、勤務スケジュール、配属部署、国際大会での社名の使用などの概要を、資料をもとに説明しました。

 採用企業の事例紹介では、リオデジャネイロオリンピックのシンクロナイズドスイミング(チーム)で銅メダルを獲得した丸茂圭衣選手、リオデジャネイロパラリンピック日本代表の上山友裕選手(アーチェリー)をはじめ、大坂昂選手(レスリング)、宇山賢選手(フェンシング)、小黒義明選手(スケート・ショートトラック)の5名が所属している三菱電機株式会社の小野木純人事部本社グループマネージャーが登壇。アスリートを採用するにいたった経緯、アスリート本人からの声、業務実態などを紹介しました。
 その中で小野木マネージャーが一番驚いたことが、やはりリオ大会で銅メダルを獲得した丸茂選手への反響。「私たちは普段から広報活動をしているのですが、我々の知らないところでもこんなにも社内で応援してくれていたんだと驚きました。素晴らしい瞬間を丸茂選手と一緒に体験できたと思います」と説明しました。
 また、トップアスリートの採用について、三菱電機としては従業員の一体感、会社への帰属意識の醸成など「多大な効果を生むことを実感しました」と小野木マネージャー。さらに「アスリートたちの人間力の高さは事業推進の大きな戦力になると考えています」と、トップアスリート採用で得られる効果を強調しました。

JOCの就職支援「アスナビ」:経済同友会への説明会を実施
アスナビ採用第1号でもある古賀選手が応援メッセージ(写真:アフロスポーツ)

 続いて行われたオリンピアンからの応援メッセージでは、アスナビ採用の第1号となった水泳・競泳のリオデジャネイロオリンピック日本代表、古賀淳也選手が登壇しました。
 今回の説明会が行われた日本工業倶楽部は、2010年10月14日に実施された第1回アスナビ説明会の会場でもあり、古賀選手自身もゲストアスリートとして参加し、その場で企業に向けて自身も就職活動中であることをアピールした思い出の場所です。古賀選手はその当時を振り返りつつ、現在所属している第一三共株式会社のおかげで米国留学ができたこと、たくさんの社員の応援が競技へのモチベーションとなり、今年4月のリオ大会代表選考会で結果を残し代表入りできたことなど、アスリートにとってアスナビで採用されることのメリットを紹介しました。
 そして、「今後の競技活動に関してはまだまだ現役を続けたいと思っています。4年後を見れば東京オリンピックがありますが、水泳競技では1年、1年大きな大会がありますので、結果を出すことで僕の活動を社員の皆さんに知っていただき、“運命共同体”のような関係を築いていけたらと思います」と第一線で戦っていくことを誓うと、今回プレゼンテーションを行うアスリートたちへ向けて「自信を持って、胸を張って、自分の伝えたいことを相手にしっかり伝えることを意識して、全力で頑張ってください」とメッセージを送りました。

JOCの就職支援「アスナビ」:経済同友会への説明会を実施
黒川選手(左)、中山選手(写真:アフロスポーツ)
JOCの就職支援「アスナビ」:経済同友会への説明会を実施
米沢選手(左)、赤瀬選手(写真:アフロスポーツ)

 最後に、就職希望アスリート8名がプレゼンテーションを実施。スピーチをはじめ、映像での競技紹介や競技のデモンストレーションなどで、自身をアピールしました。

■黒川魁選手(ビーチバレーボール)
「私は中学1年生よりバレーボールを始め、高校で練習の一環としてビーチバレーボールに取り組み、全国大会に出場したことをきっかけにこの競技を始めました。私の最終的な目標は東京オリンピックに出場し、メダルを獲得することです。目標を達成するためにはすべてやっていく覚悟を決めています。採用していただいた企業の多くの皆さまに私が必死で戦っている姿を見ていただき、その応援を力に変えたいと考えています。私の選手としての強みは、どんな劣勢でも下を向かず、声を出し、逆境に立ち向かっていくことができる負けん気の強さなどのメンタル面です。採用していただいたあかつきには、結果にこだわるのはもちろん、企業の広告面やイメージアップにも貢献することを約束します。どうぞよろしくお願いします」

■中山昂平選手(陸上競技/三段跳)
「私が三段跳を始めたきっかけは、3歩でいかに遠くへ跳べるかというとてもシンプルなことに、たくさんの要素が詰まっている楽しさを感じたからです。競技を継続させていただいている期間は、日々社業に精進するとともに、競技者としても結果を出し続け、私が競技に取り組む姿から社員の方々に活力や刺激を与えられる存在になれればと考えています。また、競技引退後もできるだけ会社の力になれるよう、社業に携わらせていただければと思います。私は4年後に必ず日の丸をつけ、サポートしてくださる恩を結果で返せるよう、覚悟を持って競技を続けていきたいと考えています」

■米沢茂友樹選手(陸上競技/円盤投)
「私の強みは信念を持って道を切り開く力です。現在私の自己ベストは57m83の日本ランキング3位です。投てき種目の選手としてのピークは20代後半から30代前半と言われています。このまま私が競技を続けていけば、2020年の東京オリンピックは27歳で迎えることができます。選手として最高の状態で迎えられるので、2020年東京オリンピックの出場も夢ではないと思っています。スポーツの持っている力は素晴らしく、人に夢や活力を与えることができます。採用していただいたら、私が仕事や競技を頑張っている姿を身近に感じてもらい、会社の雰囲気をより一層強く、明るく、元気になるように貢献いたします」

■赤瀬紗也香選手(水泳・競泳)
「今年4月のリオオリンピック選考会では一発勝負で自分の実力を出し切ることができず、オリンピック出場を逃し、大変悔しい思いをしました。それでも私は諦めることはありませんでした。なぜなら、まだまだ世界で戦えるレベルだと思っているからです。これから日々トレーニングを積み重ね、最終的な目標である2020年の東京オリンピックに向けて頑張っていきたいと思います。私は感謝をすることと、1度やると決めたことは決して投げ出すことなく最後までやり遂げられる自信があります。応援していただける企業がございましたら、夢に向かって挑戦し続けるアスリートとして私の頑張りを見て、そして共感していただき、夢や目標を持つことの大切さを感じていただければと思います」

JOCの就職支援「アスナビ」:経済同友会への説明会を実施
宮山選手(左)、鈴木選手(写真:アフロスポーツ)
JOCの就職支援「アスナビ」:経済同友会への説明会を実施
説明会終了後には選手と企業の懇親会が行われた(写真:アフロスポーツ)

■宮山亮選手(フェンシング)
「私は今回リオオリンピックに出場できませんでしたが、サポート選手としてオリンピックに同行することができました。オリンピックという独特の空気を肌で感じることができ、とても貴重な経験をさせていただきました。私のフェンシングでの最大の目標は、東京オリンピックでメダリストになることです。4年後には私は32歳になりますが、フェンシングは戦術や経験が特に生かされる競技です。東京オリンピックで心・技・体すべてを最大のピークに持っていくことは十分可能だと考えています。私は尊敬するアントニオ猪木さんの言葉“馬鹿になれ、とことん馬鹿になれ”をモットーに、日々世界を見据えて練習しています。東京オリンピックでサーブル種目日本人初のメダリストになるために、馬鹿になれるくらい一生懸命頑張っていきたいと思っています」

■鈴木世奈選手(アイスホッケー)
「私は高校1年生のときに日本代表に選ばれ、世界と戦う中で目標が明確となりました。オリンピックでメダルを取ること、それが競技者としての目標です。私は団体競技であるアイスホッケーを通じ、ひとりひとりが持つ力を集結させることが大きな力となり、目標達成につながることを実感し、実践してきました。そのため、私にとって企業に所属し、社員の代表としてプレーすることは本当に大きな意味があります。アイスホッケーで培ってきた私の強みを生かし、一体感、そしてそこから大きな力を生み出せるよう前向きに取り組んでいきます。来年の2月には日本でオリンピック最終予選があります。このタイミングで採用いただき、企業の皆さまに応援していただいて最終予選を勝ち抜いて、平昌オリンピックに行きたいと強く望んでいます」

■山元豪選手(スキー・ノルディック複合)※ビデオメッセージ
「私はやると決めたらとことんやらないと気が済まない性格ですが、それが私の強みでもあります。ジャンプの成績が伸び悩み、すごく苦しんだ時期も、いいイメージを作ってはトレーニングで実践し、ビデオで確認する作業を気の済むまで行ったことで思いがけないところからヒントを得ることができ、スランプから脱出できた経験があります。私の目標は平昌オリンピックでメダルを獲得することです。現在、私は全日本チームで6番手であり、オリンピックに出場できるのは4名ですので、あと一歩のところまで来ています。この先もたくさんもがき苦しむと思いますし、到底一人で達成できるような簡単な目標ではありません。私と一緒に戦ってくれる企業を探しています。どうかご支援、ご協力をよろしくお願いします」

■日野龍樹選手(フィギュアスケート)※ビデオメッセージ
「フィギュアスケート選手は大学卒業を機に現役を引退する選手が多い中、私はアスナビを通して企業に所属し、現役を続ける道を選びました。新しい目標に身を置くことで、さらに人間は成長するものと信じ、毎日の練習に励むよう気持ちを新たにしています。私はフィギュアスケートというスポーツで競技に真摯に取り組む姿勢、また、どんな状況でも諦めない人間力を培ってきたと思っています。その能力や経験を生かして、自分の活動が企業のアピールなどに貢献できるよう精進していきたいと思っております。私のモットーである“努力は無限の力”であることを信じて、4年後の平昌オリンピック出場を目指して全力投球していきます」

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