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2016.10.22 キャリア支援

「第2回 アスナビ採用企業 情報交換会〜パラ・パワーリフティング編〜」を開催

「第2回 アスナビ採用企業 情報交換会〜パラ・パワーリフティング編〜」を開催
「第2回 アスナビ採用企業 情報交換会〜パラ・パワーリフティング編〜」が開催された

 公益財団法人日本オリンピック委員会(JOC)は10月4日、国立スポーツ科学センターで、「第2回 アスナビ採用企業 情報交換会〜パラ・パワーリフティング編〜」を開催しました。

 アスナビは、オリンピック・パラリンピックや世界選手権などを目指すトップアスリートの生活環境を安定させ、競技活動に専念できる環境を整えるために、企業の就職支援を呼びかける活動。2010年から各地域の経済団体、教育関係機関に向けて本活動の説明会を行い、来春入社予定選手を含めこれまでに88社/団体126名(2016年10月4日時点)の採用が決まりました。

 今回の情報交換会では、NPO法人日本パラ・パワーリフティング連盟2名、パラ・パワーリフティング選手を採用した企業から4社7名が参加し、「競技の魅力を知る。選手活用方法を考える。」をテーマにそれぞれ情報を交換、交流しました。なお、パラ・パワーリフティングは、パラリンピック実施競技において最も多くの選手がアスナビを通じて採用されています。

■パラ・パワーリフティング、東京2020大会の目標

 最初に主催者を代表して、八田茂JOCキャリアアカデミー事業ディレクターが挨拶に立ち、「テーマにあるように、今日はぜひ競技のことをもっと知って、企業さん同士で横のつながりを作っていただいて選手の活用を深めていただければと思います。また、連盟の皆さんともご縁を深めていただき、企業同士、競技団体、統括団体の皆さんが交流を深めていくきっかけになればと思います」と呼びかけました。

 続いて、公益財団法人日本障がい者スポーツ協会(JPSA)の井田朋宏企画情報部長が、リオデジャネイロパラリンピックで日本代表選手団が銀メダル10個、銅メダル14個を獲得したことを報告。「金メダルはありませんでしたが、日本史上初のメダル獲得種目が多くありました。特徴的だったのは女性と重度の障がい者の活躍。日本の障がい者スポーツがかなり成熟したと言えると思います」と評価しました。その上で東京2020パラリンピックでの金メダル獲得へ向けて「パワーリフティングはこれからまだまだ潜在能力のある競技ですので、ぜひ皆さんのお力をお借りしながら選手を発掘し、競技に集中できる環境など含めてご支援いただければと思います」と、更なる協力を訴えました。

 次に、日本パラ・パワーリフティング連盟の吉田進理事長がスライド資料や映像などをもとに、パラ・パワーリフティングが国際大会としての歴史が50年以上あることや、国内・海外の競技人口、競技が持つ魅力、リオ大会に出場した日本代表選手3名はすべてアスナビで採用された選手であること、そして東京2020大会を目指す国内トップ選手などを紹介しました。リオ大会でパラ・パワーリフティングは入賞が2つ。4年後に向けて吉田理事長が掲げる目標は「10選手以上が出場して全員入賞、メダル獲得」です。目標クリアのためにも「選手と企業、そして連盟が支えあう三角関係が必要です。そして三者の良い関係が良いらせん状で回っていけば、三者がますます伸びていくと思います」と呼びかけた吉田理事は「東京大会でのメダル獲得へ、オールジャパンで頑張っていきたいと思いますのでこれからのご支援もよろしくお願いいたします」と述べました。

■アスリート採用で生まれる相乗効果

 続いて行われたのは採用企業による活用事例紹介。まず、2014年11月に西崎哲男選手を採用した株式会社乃村工藝社の原山麻子スポーツぶんか事業開発室室長が、西崎選手を採用した経緯、勤務状況、応援体制などを紹介しました。乃村工藝社では西崎選手が初めてのアスリート採用だったため、当初はなかなか体制が整わず応援に行く社員もわずか5人、その上、西崎選手の記録も伸び悩んでいたそうです。そこから西崎選手本人とミーティングを行い、サポート体制を一新。トレーニング環境を強化し、社内広報や社内セミナーでパラ・パワーリフティングと西崎選手の認知度を深めていったことで、今年6月の全日本選手権では74名が応援に行き、リオ大会でも全社を挙げての応援が実現したと、原山室長は説明します。そして、西崎選手を採用したことで得られた効果として、社員の連帯感の醸成、士気の高揚のほか、「一番重要だと思っているのは、これからの共生社会に向けて西崎選手と仲間になれたこと。色々な気づきが生まれていますし、バリアフリーに対しての知見など、実際の我々の事業にも協力してもらっています」と報告しました。

 また、同じく活用事例紹介として、今年6月に三浦浩選手を採用した株式会社東京ビッグサイトの平井祐也総務部総務課人事担当課長が、三浦選手の活動、勤務状況などを説明しました。三浦選手にはすでに東京ビッグサイトが主催するイベント、今後開催するイベントなどで精力的に活動してもらっている一方、社内ではパラ・パワーリフティングや三浦選手についての啓発を行っている最中だと報告。東京ビッグサイトも初めてのアスリート採用でしたが、平井課長は「我々としても良い経験になっていますし、三浦選手が世界と戦う姿を見て社員一同も感じるところがあると思います。これまでやってきた動きをさらに進めていきたい」と、社内で相乗効果が生まれていることを述べました。

■マーケティングについてのレクチャー

 次に、JPSAの井田企画情報部長が「大会参加者の広告・宣伝への出演について」をテーマに、パラリンピックマーケティングに関してのレクチャーを行いました。ここではリオ大会を例に挙げて、パラリンピックに関する知的財産や、選手が広告・宣伝に出演できる時期、また出演できる・できない広告・宣伝の種類などについて説明。東京2020大会に向けて井田部長は「リオを終えて、もう少し規制を緩和してもいいと思う部分や、明らかに取り締まらなければいけない部分など、色々な課題が見えてきました。これらをもとに、純粋に選手を応援していただける皆さまには、よりその応援が促進されるような方向を考えていきたい」と、JPSAとしての今後の取り組みを語りました。

 最後に、日本パラ・パワーリフティング連盟、参加した企業の方たちが「企業にとってのWinをどう実現するか」をテーマに約1時間の情報交換。社内における認知度の向上、選手に対するサポート・コミュニケーションの取り方、応援体制などについて、活発に意見が交わされました。

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