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2023.04.19 その他活動

「令和4年度第2回JOC/NFアスリート委員会合同ミーティング」を開催

「令和4年度第2回JOC/NFアスリート委員会合同ミーティング」を開催
令和4年度第2回JOC/NFアスリート委員会合同ミーティングを開催
「令和4年度第2回JOC/NFアスリート委員会合同ミーティング」を開催
NF間でアスリート委員会の意見交換や事例紹介を実施

 日本オリンピック委員会(JOC)は3月14日、「令和4年度第2回JOC/NFアスリート委員会合同ミーティング」をJapan Sport Olympic Squareにて対面及びオンラインで開催しました。

 JOCでは、アスリートを取り巻く環境が日々変化する中、アスリートの声を汲み上げ、組織の意思決定に意見を反映できる仕組みの構築と、各国内競技団体(NF)とアスリートの意思疎通が行われる環境を整えることが不可欠と考え、NFにアスリート委員会の設置を推奨しています。
 本ミーティングは、各NFアスリート委員会の現状や課題、JOC アスリート委員会との横断施策企画立案等について、参加者と意見交換を行い、JOC 及び NF アスリート委員会との更なる連携強化を図り、今後のNFアスリート委員会における活動指針決定等の際の有益な情報共有を行う目的で開催されました。
 今回は、JOC役員、JOCアスリート委員会とNFアスリート委員会のメンバーら62名が参加。NF間でアスリート委員会の意見交換や事例紹介が行われました。

■松田JOCアスリート委員長からメッセージ

 最初に挨拶に立ったJOC理事でJOCアスリート委員会の松田丈志委員長から、前回行ったJOC/NFアスリート委員会合同ミーティングのアンケート結果が報告されました。前回は意見交換の場をわずかしか設けられなかったことから「率直な意見として課題を聞かせていただきながら、意見交換を行っていきたい。JOCとしてもNFの皆さんのリアルな声を聞いた上で、今後の活動や連携作りに活かしていきたいと思います」と語りました。

■NFアスリート委員会との意見交換

 続いて、「NFアスリート委員会との意見交換」では、前回のJOC/NFアスリート委員会合同ミーティング後のアンケートで多く寄せられた意見を「①アスリート委員会の方針やあり方について」「②体制作り」「③実際の活動はどうするべきか」「④各NFの実績」の4点に区分し、本ミーティング前に行ったアンケートの回答をもとに、日本スケート連盟や日本アイスホッケー連盟等のアスリート委員が、各委員会の状況や事例を紹介しました。

 また、各NFアスリート委員会の開催頻度や、選手の意見を集めるためのアンケート内容等について、日本陸上競技連盟や全日本柔道連盟、日本セーリング連盟等から、事例をまじえて共有がありました。最後に、松田委員長は「今後もJOCアスリート委員会とこのような場を設けながら各NFアスリート委員会が活発に活動し、限られた時間、人材で機能しているようにサポートしていきたいと思いますので、引き続き、率直なご意見をお願いします」と述べ、本プログラムが締めくくられました。

「令和4年度第2回JOC/NFアスリート委員会合同ミーティング」を開催
全日本柔道連盟アスリート委員会の吉田優也委員長
「令和4年度第2回JOC/NFアスリート委員会合同ミーティング」を開催
日本スケート連盟アスリート委員の三宮恵利子氏

■子育て世代が持続的に活躍できる環境整備について

 次に、「子育て世代が持続的に活躍できる環境整備について」では、NFアスリート委員会と一般社団法人MANの活動事例が紹介されました。

 まず全日本柔道連盟アスリート委員会の吉田優也委員長から、2013年よりスタートした託児室「スマイルルーム」について、設置の背景や利用状況、現在は協賛企業の支援を受けながら実施している事例が説明されました。今後の課題は、設置の拡大と大会会場内のスペース確保とし、選手のみならず、その家族も利用できるようにしていく目標を掲げ、「スマイルルームは多くの関係者に利用され、子育て世代の方々に安心して現場に携わることができる環境を非常に高く評価いただいています。課題解決に向けて、連盟として取り組んでいきたいと思います」と語りました。

 次に、日本スケート連盟アスリート委員の三宮恵利子氏が、長野市との連携で会場内に託児所を設置した取り組みが紹介されました。大会会場の託児所運営を、長野市にある大学等と連携し、保育を学ぶ学生が授業の一環として手伝うことで、両者にとってメリットがあることを説明しました。今後の展望として「保育を学ぶ学生の研修先と連携し、女性審判を増やすことや、現役を終えて子育て中の方が気軽に子供を連れて応援に来られるような環境作りをしていくことなどを実現していきたいと思います」と語りました。

「令和4年度第2回JOC/NFアスリート委員会合同ミーティング」を開催
一般社団法人MANから中山由起枝代表理事

 最後に、一般社団法人MANの中山由起枝代表理事が、活動の一部である「人生設計プログラム」の紹介を行いました。中山代表理事は、この法人が女性アスリートの育成支援プロジェクトとしてスタートし、後に一般社団法人化され、活動の軸は主にトークイベントを通じてライフイベントと競技の両立経験を発信すること、育児と競技を両立しているアスリート同士のネットワーク構築を実施している等を説明しました。また「人生設計プログラム」の目標を「アスリートの視野を広げ、人生の選択肢を増やすこと」とし、期待できる効果として「①視野が広がり、人生の選択肢が増える」「②自分自身の事を知り、自身で人生設計していくきっかけになる」「③女性特有の健康管理の重要性に気づけるようになる」の3点を挙げました。中山代表理事は「全てのアスリートが自分らしい人生を送れるよう、私たちは全力で応援したいと思います。NFも問題をたくさん抱えていると思いますので、私たちがその受け皿になっていきたく、ぜひ頼ってください」とメッセージを送りました。

■競技団体×1252プロジェクトの事例紹介

 次のプログラムでは、一般社団法人スポーツを止めるな、から、JOCアスリート委員でもある伊藤華英氏が事例紹介を行いました。まず、1年間(約52週間)のうち、約12週間は訪れる生理とそれに伴う体調の変化をもとに名付けられた「1252プロジェクト」の概要を説明しました。次に、全日本柔道連盟との取り組み事例として昨年12月に行われたグランドスラム東京大会で啓発ブースを出展したこと、成長期である10代の女性に向けてスポーツ界のロールモデル構築や競技イメージの向上等が、競技力向上につながっていることが共有されました。

 今後のさらなる認知拡大や知識を発信していくためには「大事なのは正しい情報が必要な方に届くことだと思いますので、課題がある方はお声がけいただき、一緒に解決していければと思います」と語りました。

■アンチ・ドーピング教育及び啓発に関する情報提供

 次のプログラムでは、「アンチ・ドーピング教育及び啓発に関する情報提供」と題し、日本アンチ・ドーピング機構(JADA)の齋藤里香氏から情報共有が行われました。齋藤氏は、2021年から世界アンチ・ドーピングプログラムの国際基準に「教育」が追加されたことに触れると、「クリーンスポーツを実現するためにはアスリートのみならず、サポートスタッフ、政府、大会主催者、そしてNF、JOCなどの包括団体などスポーツに関わるすべての人、組織が協力して実現していくことが非常に重要です」と話しました。また、クリーンな大会を実現するために、大会に派遣する前の段階で検査を行うことや、大会の定めるウェビナーの受講を必須要件とするなどの取り組みが始まっていることが共有されました。そして、バドミントンや競泳の事例を紹介し、「クリーンスポーツを実現するためには、アスリートも含めて多くの方々が一緒になって作るものです。今後、クリーンスポーツを一緒に作るアスリートとしてご協力いただければと思います」と述べました。

■スポーツDXに関する情報提供

 続いて、「スポーツDXに関する情報提供」では、松田丈志委員長が海外のスポーツベッティング市場について周知を行いました。日本のスポーツが海外から5兆円ほどベッティングされている状況を報告するとともに、現在このようなベッティングサイトでは、チームのロゴや選手の肖像が無断で使われている状態があり、この課題に対して「コンテンツホルダーであるアスリートが肖像等を活用できておらず、ルール化できていない問題があります。まずは注意喚起としてアスリート委員会を通じて状況を理解していただき、所属のNFアスリートが知らず知らずのうちに、日本では違法となるスポーツベッティングに加担しないように注意喚起してほしいと思います。また、コンテンツホルダーでありながら、権利が侵害されている状態が続いており、日本のスポーツ界としてどのようにベッティング市場に向き合っていくのか、それぞれで課題意識を持ってほしいと思います」とメッセージを送りました。

 最後に、事務局からIOCの行うソーシャルメディアに関する情報提供が行われた後、松田丈志委員長が閉会の挨拶に立ち、登壇者ならびに参加者に感謝の言葉を述べ、「今後も定期的にJOC/NFアスリート委員会を行い、日本のスポーツ界の発展に貢献できればと思います。みなさん、本日はありがとうございました」と述べ、ミーティングを締めくくりました。

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