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令和3年度JOCナショナルコーチアカデミーが開講

カテゴリ:選手強化
2021.09.24
令和3年度JOCナショナルコーチアカデミーが開講
「令和3年度JOCナショナルコーチアカデミー開講式」が行われた(写真:フォート・キシモト)

 日本オリンピック委員会(JOC)は9月13日、味の素ナショナルトレーニングセンター(味の素トレセン)でオンラインを併用して「令和3年度JOCナショナルコーチアカデミー開講式」を行いました。

 JOCナショナルコーチアカデミーは、オリンピックで活躍できるアスリートを育成・指導するワールドクラスのコーチ及びスタッフの養成を目的に、JOC専任コーチングディレクターや各競技団体の強化スタッフ等を対象に実施。平成29年に策定された「第2期スポーツ基本計画」に明示され、JOCの長期的国際競技力向上計画の一環として位置づけられており、今年度は各競技団体から新たに22名の指導者が正規コースを受講します。


令和3年度JOCナショナルコーチアカデミーが開講
星野一朗JOC専務理事(写真:フォート・キシモト)
令和3年度JOCナショナルコーチアカデミーが開講
南野圭史スポーツ庁競技スポーツ課長(写真:フォート・キシモト)

 はじめに、主催者を代表して星野一朗JOC専務理事が登壇し、「北京冬季オリンピックまで間近に迫っています。そして、来年はアジア競技大会、3年後にはパリオリンピックが控えています。ぜひ、そうした大会にこれから学ばれる皆さまの活動がつながっていくことを期待しています」と挨拶しました。

 続いて、来賓を代表してスポーツ庁の南野圭史競技スポーツ課長が、東京2020大会における選手の活躍、ならびにコーチ、スタッフの尽力に感謝の言葉を伝えると「今回のような素晴らしい成績が一過性で終わることのないよう、来年の北京冬季オリンピック、また2024年パリオリンピックに向けまして、国際競技力の向上に向けた取り組みを引き続きしっかり支援できように努めていきたいと思います。本アカデミーに参加される皆さまにつきましては、この機会に他競技のコーチ、スタッフと競技の枠を超えた交流、絆を深めていただきますよう、よろしくお願いいたします」と述べました。


令和3年度JOCナショナルコーチアカデミーが開講
前原正浩JOCナショナルコーチアカデミー事業ディレクター(写真:フォート・キシモト)

 次に、前原正浩JOCナショナルコーチアカデミー事業ディレクターが本アカデミーの概要説明を行い、その目的や位置づけ、創設の経緯といった基本的な情報に加え、目指すべき人物像、プログラムのポリシーおよびコンセプト、どのようなカリキュラムが用意されているか、また、過去の受講者の声などを紹介しました。
 この中で、東京2020大会日本代表選手団における各競技・種目の監督に就任したナショナルコーチアカデミー修了者は29名、同じくコーチは75名おり、大会を重ねるごとにスタッフとして携わる修了者の割合が増えていることを説明。「メダル獲得者、入賞者をさらに多く輩出するために、このナショナルコーチアカデミーを修了して、現場で活躍していただければと思います」と力を込めた前原ディレクターは最後に、サッカーの元フランス代表監督のロジェ・ルメール氏の「学ぶことをやめたら教えることをやめなければならない」という言葉を紹介し、「新しい学びを自分の現場に入れていくことが必要。この言葉を皆さんの胸に入れて、ぜひとも前向きに取り組んでいただければと思います。8週間、頑張っていきましょう」と呼びかけて、開講式を締めくくりました。


令和3年度JOCナショナルコーチアカデミーが開講
尾縣貢JOC常務理事(写真:フォート・キシモト)
令和3年度JOCナショナルコーチアカデミーが開講
今年度もリモートを併用して講義が行われる(写真:フォート・キシモト)

■尾縣JOC常務理事による「トップスポーツ論」

 引き続き、今年度最初のプログラムとして、東京2020大会で日本代表選手団総監督を務めた尾縣貢JOC常務理事による「トップスポーツ論」として、「JOCの強化施策」「ナショナルコーチとして大切にしたいこと」の2つのテーマについて講義が行われました。

 ナショナルコーチアカデミーの一期生であり修了生でもある尾縣常務理事は、まず「JOCの強化施策」に関して、東京2020大会に向かっての重点施策として金メダル30個の目標を掲げていましたが、新型コロナウイルスの影響により「聖火到着式が行われた4日後にオリンピックの延期が決まり、競技会が一切やれない、大学でも授業もクラブもできないような状況下の中、それぞれの競技団体は万全と思える対策をして、7月からほとんど全ての競技会を始めることができました」と当時の状況について説明。続けて「ものすごく力になったのは、ナショナルトレーニングセンターを早期に開いていただいたこと。JISSの皆さん、JSCの皆さん、スポーツ庁の皆さん、そういった方々が理解を示してくれたおかげで、アスリートたちがトレーニングを始めることができました」と感謝を述べました。

 また「ナショナルコーチとして大切にしたいこと」について、「今回の東京2020大会ではメダルが男子25個、女子30個、混合3個と女子が上回りました。これらは男性がほとんど育てた選手かもしれません。成果は上がっているけれども、もしかしたら女性のコーチが増えてくれば、もっといいパフォーマンスをあげられる可能性だってあるわけです。これからは女性のコーチ・スタッフの数を増やしていくこと。特にコーチの世界では女性の活躍の場がまだまだ少ないと思います」と話し、指導者の育成・環境をさらに推し進めることを今後に向けての課題として挙げました。

 さらに、尾縣常務理事は現在会長を務めている日本陸上競技連盟の立場から、2020年に向けて強化してきた種目の一つであるマラソンについて「前回のリオデジャネイロオリンピック時の視聴率は一番上が男子マラソン、二番目が開会式、三番目が女子マラソン。それだけ国民が期待しているだけに、入賞者を出したいという気持ちがありました。だからオリンピックでは頑張ってもらいたいということで、マラソンを重点強化種目にしました」と説明。そうした背景もふまえ「東京オリンピックに向けたマラソンの課題として、夏に強いマラソンランナーの育成をあげました。日本のトップ選手たちを対象に夏の北海道で40km走を行い、走る前に飲み込んだ深部体温を測るセンサーからデータを、自分の体温の変動を把握したり、給水するタイミング、摂る水の温度を考える材料にしました。また強くて速いランナーを選ぶことができる選考としてMGC(マラソングランドチャンピオンシップ)、簡単にいうと一発選考を設定しました。東京で2名選んで、あとは2020年シーズンのレースで高い設定タイム以内で走った中から一番速い人を選びました」と、具体的な強化施策について紹介しました。

 最後に「これからスポーツは違うステージに向かいます。これからはさらにオリンピックでのトップアスリートの活躍を社会課題解決へ繋げることが大切になります。人間力あるアスリートが活躍して、多くの子どもたちがああなりたいと思うような、憧れにつなげないとなりません。そして、憧れをスポーツ参画につなげ、スポーツ人口が増えれば、健康寿命は延伸します。健康は体だけでなく心の健康にもつながります。こうしてスポーツの価値は高まっていくと思います」と述べ、講義を締めくくりました。

 本アカデミーは、(1)オリンピック日本代表選手団の一員としての品性・資質を兼ね備えた真のトップコーチを養成する『エリート(Elite)』、(2)職業観・倫理観・社会的責任において、専門家としての誇りを持つトップコーチを養成する『プロフェッショナル(Professional)』、(3)日本としての戦い方を追求するとともに、「国際基準」を踏まえた戦略、強化指導を行うことができ国際舞台で勝負ができるトップコーチを養成する『グローバル(Global)』、(4)知識や情報の一方通行ではなく、受講者と講師、受講者間の双方向による情報交換を主体とし、また指導現場において選手及び指導者間との双方向を意識できるトップコーチを養成する『インタラクティブ(Interactive)』、(5)競技及びスポーツの枠を超えた交流・連携を通し、日本スポーツ界及び日本社会の発展を目指す『チームジャパン(Team JAPAN)』の5つのコンセプトを掲げており、今年度は同日から11月18日の期間で実施されます。





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