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荻原健司さん、小塚崇彦さんら参加 第4回「挑む 東京2020へ〜オリンピック教室 校外編〜」を開催

カテゴリ:イベント
2019.03.13
荻原健司さん、小塚崇彦さんら参加 第4回「挑む 東京2020へ〜オリンピック教室 校外編〜」を開催
第4回「挑む 東京2020へ〜オリンピック教室 校外編〜」を開催(写真:アフロスポーツ)

 日本オリンピック委員会(JOC)は3月12日、東京都・毎日ホールで第4回「挑む 東京2020へ〜オリンピック教室 校外編〜」を、毎日新聞社との共催で開催しました。

 東京2020オリンピック競技大会の開幕500日前を記念し行われた今回は、前日に東日本大震災から丸8年を迎えたことを踏まえて「福島から見るTokyo2020〜開催500日前に〜」をテーマに、2部形式のトークイベントが行われました。


荻原健司さん、小塚崇彦さんら参加 第4回「挑む 東京2020へ〜オリンピック教室 校外編〜」を開催
荻原健司さん(写真:アフロスポーツ)
荻原健司さん、小塚崇彦さんら参加 第4回「挑む 東京2020へ〜オリンピック教室 校外編〜」を開催
小塚崇彦さん(写真:アフロスポーツ)

■オリンピアンが被災地の子供たちに伝えたいこと

 第1部は、オリンピック・ムーブメントアンバサダーを務める宮下純一さん(競泳)司会のもと、小塚崇彦さん(フィギュアスケート)と荻原健司さん(スキー・ノルディック複合)が登壇し、「オリンピック教室」と「震災復興支援活動」について語りました。「オリンピック教室」は中学2年生を対象に、自身のさまざまな経験を通して感じた「オリンピズム」や「オリンピックバリュー(価値)」などを生徒たちに伝え、これらの価値は多くの人々が共有し、日常生活にも活かせるものであることを、授業を通して学習してもらうことを目的としています。

 子供たちに「エクセレンス(卓越)」「フレンドシップ(友情)」「リスペクト(敬意/尊重)」の3つのオリンピックバリューをどのように伝えているかに話題が移ると、荻原さんは「エクセレンス」を「皆さんが驚かれるスゴ技の裏側。練習をして苦しいトレーニングを積み上げて、ようやくオリンピックの舞台でいい演技ができる」ことと説明。また、小塚さんは「フレンドシップ」「リスペクト」について「『フレンドシップ』は仲間。試合の相手と握手をしたりすることで仲間意識が生まれる。『リスペクト』は『フレンドシップ』とつなげて話をするのですが、お互いを尊敬尊重し合わなかったら、そういうことはできないですよね」と語りました。


荻原健司さん、小塚崇彦さんら参加 第4回「挑む 東京2020へ〜オリンピック教室 校外編〜」を開催
宮下純一さん(写真:アフロスポーツ)
荻原健司さん、小塚崇彦さんら参加 第4回「挑む 東京2020へ〜オリンピック教室 校外編〜」を開催
荻原さんが自身のゴーグルと21年ぶりに“再会”(写真:アフロスポーツ)

 その後、JOCが取り組む震災復興支援活動「がんばれ!ニッポン!」プロジェクトや西日本豪雨災害支援活動、熊本地震復興支援活動について紹介。活動を通じて、小塚さんは「スポーツは人を笑顔にする力があると思っています。スポーツを共通言語にしてみんなと楽しむことができる。現地に行って触れ合うからこそ子供たちの気持ちがつながり、輪としてつながっていくというのが感じられるいい活動だと思っています」、また荻原さんは「私がくじけそうな時、応援してくれている人がいるという事実を感じるだけで『頑張ろう』という気持ちになることができました。被災地で会う子供たちには『応援しているからね』という気持ちだけは届けたいと思っていますし、自分たちには応援してくれる人がいるんだという思いを持っていただきたい」とそれぞれ感想を述べました。

 ここで、1998年長野オリンピックで荻原さんが観客席に投げ込んだゴーグルを手にしたという女性が登場。荻原さんは21年ぶりのゴーグルとの“再会”に大きな笑顔を見せました。

 この日で東京オリンピックまであと500日となったことを受け、最後に小塚さんから「オリンピック教室で話すのですが、3つのオリンピックバリューを自分たちの生活に当てはめてみると、『みんながやっていることと同じことをオリンピアンもやっているんだ』ということにつながっていきます。それをオリンピアンが伝えることで、よりオリンピック・パラリンピックが近い存在になっていくのかなと思います。近い存在になったオリンピック・パラリンピックの活動を、ぜひ一緒に盛り上げていただけたらと思います」と呼びかけ、第一部を締めくくりました。


荻原健司さん、小塚崇彦さんら参加 第4回「挑む 東京2020へ〜オリンピック教室 校外編〜」を開催
第2部は「福島開催『野球・ソフトボール』〜日本代表チームへの期待〜」をテーマにディスカッション(写真:アフロスポーツ)
荻原健司さん、小塚崇彦さんら参加 第4回「挑む 東京2020へ〜オリンピック教室 校外編〜」を開催
中畑清さん(写真:アフロスポーツ)

■福島での野球・ソフトボール開催に向けて

 第2部では、「福島開催『野球・ソフトボール』〜日本代表チームへの期待〜」と題して、2004年アテネオリンピック野球日本代表監督代行の中畑清さん、2000年シドニー大会、2004年アテネ大会と2大会連続でソフトボール日本代表監督を務めた宇津木妙子さん、2006年、2009年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表で現福島レッドホープス監督の岩村明憲さんの3人が、フリーアナウンサーの田中大貴さんの進行のもと、「監督」「野球・ソフトボールの普及」「東京2020オリンピック」などの9つのキーワードをもとに、ディスカッションを行いました。

 東京2020大会では、野球・ソフトボールの計7試合が福島県内で開催されることについて、同県出身の中畑さんは、東日本大震災からの復興が進む中、「いい意味で、東京2020大会で『元気ですよ、福島は!』と世界に発信できるすばらしいチャンスをいただいたと思います」と“復興オリンピック”への思いをはせました。


荻原健司さん、小塚崇彦さんら参加 第4回「挑む 東京2020へ〜オリンピック教室 校外編〜」を開催
宇津木妙子さん(写真:アフロスポーツ)
荻原健司さん、小塚崇彦さんら参加 第4回「挑む 東京2020へ〜オリンピック教室 校外編〜」を開催
岩村明憲さん(写真:アフロスポーツ)

 自身の経験の中でも、日の丸を背負う経験は3人にとって特別であり、2004年アテネオリンピックに参加した中畑さんは、監督を務めた長嶋茂雄さんが選手へ全力で声援を送るあまり、予選の段階で声を枯らしてしまったというエピソードを紹介し、「この世界で指揮を取る難しさ、プレッシャー、勝って当たり前という試合ほどプレッシャーを感じることはないなと初めて感じました」と当時を振り返りました。それを受けて宇津木さんも「選手たちには本当に強くなってほしい。ピッチャーの上野(由岐子)選手は相手に打たれると『キャッチャーが悪い、自分のせいじゃない』と言うんですけれど、(他の選手も)それくらいの気持ちでやってほしいし、強い意思で、監督以上に覚悟を持って取り組んでほしいと思います」と語りました。岩村さんも、連覇の懸かった2009年のWBCでは、事前合宿に球場に入りきらないほどのファンが集まるなど、周囲から大きな期待とプレッシャーを感じたそうで、「勝たないといけないという使命感。それはすごくきつかったです」と日の丸を背負うことの重みを話しました。

 最後に東京2020大会へ、そして被災地の皆さんに向けての思いを問われ、「ソフトボールの魅力を全世界に伝えていけたらうれしいです。東北・福島の皆さんとともに戦いたいと思いますので応援よろしくお願いします」(宇津木さん)、「今の(被災地の)現状を見てもらうということが2020年で一番大事になると思うので、福島県民の皆さんとともに野球もソフトボールも頑張っていきたいと思います」(岩村さん)、「オリンピックの成功は国民の協力なしにはありえないと思うので、皆さんぜひオリンピックに注目して、力を注いでください」(中畑さん)と3人がそれぞれメッセージを送り、盛況のうちにトークショーが終了しました。





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