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「平成30年度JOC地域タレント研修会(小学生)」を開催

カテゴリ:選手強化
2018.10.25
「平成30年度JOC地域タレント研修会(小学生)」を開催
平成30年度JOC地域タレント研修会を実施(写真:アフロスポーツ)
「平成30年度JOC地域タレント研修会(小学生)」を開催
中森康弘JOC強化部強化第二部部長が開会のあいさつ(写真:アフロスポーツ)

 日本オリンピック委員会(JOC)は「平成30年度JOC地域タレント研修会(小学生)」を10月13日、14日の2日間、味の素ナショナルトレーニングセンター(味の素トレセン)で開催しました。

 この研修会は、JOCが支援する全国各地のタレント発掘・育成事業の受講生を対象に各種プログラムを提供し、将来世界で活躍できるトップアスリートを目指す意識を醸成するとともに、スポーツを通した人間形成と競技力向上を図ることを目的としています。今回は「日本トップレベルを感じよう!」をテーマに、JOCが支援する15事業のうち11事業から集まった小学5、6年生の受講生22名と、指導者・引率者11名が参加。また、JOC加盟オリンピック実施競技団体(NF)の強化担当者、育成担当者なども参加し、未来のオリンピアン候補たちに熱い視線を送りました。

 プログラム開始に先立ち、主催者を代表して中森康弘JOC強化部強化第二部部長が開会のあいさつ。その中でスキー・ジャンプの小林陵侑選手が地域タレント発掘・育成事業出身のオリンピアン第1号として、今年の平昌冬季オリンピックで個人ノーマルヒル7位、ラージヒル団体6位入賞したことを報告すると、「皆さんは各地域の代表アスリートとして自信を持って今回の研修に臨んでいただいていることと思いますが、さらに今日ここで研修を受けたことを胸に、日本のトップアスリート、世界のトップアスリートを目指してぜひ頑張っていただきたいと思います。そして、目標をぜひ高く持ってください」と、小林選手に続くオリンピアンになれるよう期待の言葉を述べました。


「平成30年度JOC地域タレント研修会(小学生)」を開催
新体操の北京、ロンドンオリンピック日本代表、田中琴乃さんを講師に迎えて柔軟、ストレッチ、体幹トレーニングを行った(写真:アフロスポーツ)
「平成30年度JOC地域タレント研修会(小学生)」を開催
ハイパフォーマンスジムの最新機器を用い体力測定(写真:アフロスポーツ)

■柔軟講習、ハイパフォーマンスジムで体力測定

 本研修会の初日は2部構成で行われ、第1部のテーマは「ハイパフォーマンスセンターでの取り組み」。最初に受講生たちは共用コートに移動し、2008年北京オリンピック、12年ロンドンオリンピック新体操日本代表の田中琴乃さんを講師に迎え、アイスブレイクと柔軟講習を受けました。
 まず、競技を見ること・応援することの大切さを伝えるために、田中さんはリボンの演技を披露。次にジャンケンを使ったゲームで受講生たちの緊張をほぐすと、続いて柔軟体操、ストレッチの講義。新体操ならではの柔軟体操やストレッチ、さらに体幹を鍛えるボール運動に最初は苦戦する受講生もいましたが、後半は体が十分にほぐれてきた効果もあり、スムーズに運動をこなしていきました。最初の講習を通じて意気投合し始めた受講生を前に、田中さんは「スポーツは楽しいことばかりじゃありません。これからつらいこともあるかもしれませんが、たくさんの仲間を作れば、誰かがきっとサポートして助けてくれます。そういう意味では今日は皆さんにとってチャンスです。ここでたくさんの友だちを作って、これからのチャレンジのきっかけにしてほしいと思います」とアドバイスを送りました。

 次に受講生たちは「スポーツ科学を活用した体力の把握」を目的に、国立スポーツ科学センター(JISS)にあるハイパフォーマンスジムに移動。ハイパフォーマンスセンターのハイパフォーマンス戦略部・スポーツ科学部の皆さんを講師に迎え、同ジムの最先端のトレーニング機器・施設などを見学しました。
 その後、トップアスリートはスポーツ科学を用いてどのような体力テストを行っているかを体験する一環として、2種類の垂直跳び測定を実施。まず、通常の体力測定と同様にヤードスティックを使用した垂直跳びを行い、続けて、体の重心・力がどの方向へかかっているかが可視化される「フォースプレート」という機器を用いた垂直跳びを行いました。また、それらの結果から出た自身の数値と、日本トップアスリートの平均値などを比べることができるなど、受講生にとっては貴重な体験となりました。


「平成30年度JOC地域タレント研修会(小学生)」を開催
上田大介JOCインテグリティ教育ディレクターと指導者が意見交換(写真:アフロスポーツ)

■指導者とインテグリティ教育の共有、意見交換

 体力測定が終わると、受講生たちはアスリートヴィレッジへ移動し夕食と入浴。その間、指導者・引率者は研修室に移動し、「インテグリティ教育について」をテーマとした指導者向け研修会に参加しました。上田大介JOCインテグリティ教育ディレクターが講師を務め、JOCの教育プログラムやスポーツ界で昨今起こっている問題などを指導者と共有。「今、スポーツ界に求められているのは環境の変化への対応です。皆さんと一緒に手を取り合って、共通の課題認識をもって、それぞれの立場で何ができるのか。これを真剣に議論して実際に行動することが求められています」という上田ディレクターの訴えに対し、アスリートやスポーツの価値を守るべく「誰が何をするべきか、何ができるのか」をディスカッションし、それぞれの立場から意見を交換しました。


「平成30年度JOC地域タレント研修会(小学生)」を開催
リオデジャネイロオリンピックの陸上男子4×100mリレーで銀メダルを獲得した飯塚翔太選手が講話を行った(写真:アフロスポーツ)
「平成30年度JOC地域タレント研修会(小学生)」を開催
飯塚選手の話を踏まえ、自分の弱点を克服するにはどうすればいいかを話し合った(写真:アフロスポーツ)

■オリンピックメダリストの飯塚選手から学ぶ

 一方、受講生たちは夕食、入浴後は研修室に移動し、ここからはプログラム第2部「オリンピックメダリストから学ぶ」がスタート。オリンピアン講話として、2016年リオデジャネイロオリンピックの陸上競技男子4×100mリレーで銀メダルを獲得した飯塚翔太選手から体験談を聞きました。この講話の中で、陸上を始めたきっかけ、受講生と同じ小・中学生時代、海外での戦いで得たものなど、自身の競技生活から学んだ経験を伝えた飯塚選手。「良い環境を作るためには、目標設定が大事。それも、自分のためではなく誰かのために目標を立てる。また、僕自身が競技をやっていて一番うれしいことは、誰かが喜んでくれることです」と、家族や友人、サポートしてくれる人たちとのつながりが重要であるとアドバイスすると、「どんなことでも前向きにチャレンジしてください。ネガティブだと能力を引き出せなくなる。例え嫌なことでも『最高!』と思うと、続けることができます」と、常にポジティブでいることの大切さを合わせて伝えました。

 この講話を受けて、受講者たちは「メダリストの強みから自分たちに必要なこと」をテーマにグループワークを実施。5つのグループに分かれた受講生たちは、自分の弱み、飯塚選手の強みを比較し、どうすれば自分の弱みを克服できるかについてディスカッションしました。そして、「緊張をほぐすために深呼吸する」「ポジティブに楽しさを忘れない」「恥ずかしがらずに誰とでも仲良くする」など、それぞれの意見をまとめ、グループごとに発表しました。

 このグループワークをもって、1日目の全プログラムが終了。受講生たちは飯塚選手と記念撮影や、メダルを触らせてもらうなど、オリンピアンとの交流を最後まで楽しみました。


「平成30年度JOC地域タレント研修会(小学生)」を開催
本格的な卓球の練習にチャレンジ(写真:アフロスポーツ)
「平成30年度JOC地域タレント研修会(小学生)」を開催
最後に受講生は地域に戻って取り組みたいことを「アスリート宣言」として発表(写真:アフロスポーツ)

■本格的な卓球の練習に挑戦

 2日目の最初は、「第3部 トップアスリートのトレーニング」と題して、日本卓球協会の宮ア義仁強化本部長らによる卓球の体験が行われました。受講生は6グループに分かれて、ラケットの握り方、バックハンドやフォアハンドでの返球などの基本から、ドライブをかけた返球やロビングなど、難しい打ち方にも挑戦。最後にダブルスとシングルスのゲームを実施して、約2時間みっちり汗を流しました。最後に宮ア強化本部長は、卓球で世界で活躍している選手たちの多くは、才能以上に練習や努力を重ねた結果強くなれたことを強調すると、「皆さんも努力を忘れずに、頑張ってください!」とエールを送りました。

 その後、研修室に戻って2日間の研修の振り返りを実施。受講者は「振り返りシート」に、全体の感想や、研修会を終えて自分自身がどう変わったかなどを書き込みました。そして、地域に戻って取り組みたいことを「アスリート宣言」として一人ずつ発表。「けがをしないように柔軟やストレッチに毎日取り組んでいきたい」「自分の弱みを見つけて少しずつ強みに変えていきたい」など、それぞれが力強く決意を述べました。

 最後に、中森部長が閉会の挨拶をし、「2日間で培ったことを、それぞれの地域に帰って実践、実行してもらいたいと思います。そして、ご家族、指導者、仲間を大切にするということを実行してください。トップアスリートとして、ぜひまたNTCに戻ってきてください。JOCとして皆さんとオリンピックに行けることを楽しみにしています!」とメッセージを送り、1泊2日の研修会を締めくくりました。





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