日本オリンピック委員会(JOC)は、9月28日と29日に東京都の北区立桐ケ丘中学校にて、「JOCオリンピック教室」を開催した。JOCオリンピック教室は、オリンピック・ムーブメントの普及・啓発を目的とした取り組みで、オリンピアン(オリンピック出場選手)を講師として招き、オリンピズム(オリンピック精神)やオリンピックの3つの価値「オリンピックバリュー=卓越(Excellence)、友情(Friendship)、敬意/尊重(Respect)」を体験的に学ぶ授業だ。中学生を対象に、運動と座学を通して、オリンピックバリューを身近に感じてもらうことを目的としている。
最後まで諦めない、ルールを守ることを大切にして取り組もう
9月28日は、バレーボールの井上香織先生(ロンドン2012大会出場)の運動の時間。準備運動では、言うこと一緒、やること一緒に取り組み、生徒たちは大きな声を出しながら体を動かした。徐々にペースを上げ、言うこと一緒、やること逆へと難易度を高める中で、互いに声を掛け合い、チームワークを深めた。主運動では、体育館中央に置かれた得点の異なるボールを自陣へ運ぶ、チーム対抗のボール取り競争を実施。中央のボールがなくなると相手チームの陣地からも取ることができ、生徒たちは作戦タイムを通じて、狙うボールや取り方を工夫した。回を重ねるごとに各チームの特徴が表れ、得点にも変化が見られた。最後まで諦めずに取り組むことや、ルールを守りながら仲間と協力することを大切にして取り組んだ。
感謝の気持ちを大切にして、日々周りの人に伝えるようにしてほしい
井上先生の座学の時間では、初めに自身のプレー映像を紹介した。15歳でオリンピック出場を夢見てから、30歳でその夢を実現するまでに15年もの歳月がかかった。その過程では怪我や多くの挫折を経験したが、仲間や家族など周囲の支えがあったこと、そして明確な目標を持ち、後悔したくないという強い気持ちがあったから乗り越えられたと自身の経験を語った。個人ワークでは、運動の時間に体感したオリンピックバリューについて一人ひとりが振り返り、その後、グループで意見をまとめて発表した。最後に、3つのオリンピックバリューはいずれも実生活に活かせるものであり、特に感謝の気持ちを大切にし、その思いを積極的に伝えてほしいと伝えた。
初めての体験にも失敗を恐れずチャレンジしてほしい
9月29日は、ホッケーの小野真由美先生(北京2008大会、リオデジャネイロ2016大会出場)の運動の時間。ホッケーのスティックとボールを使い、初めにチーム対抗のボール取り競争を行った。体育館中央のボールを各チームから一人ずつ取りに行き、スティックで自陣へ運んだ個数を競った。小野先生は、初めての競技では失敗やうまくいかないこともあるが、できないことを恥ずかしがらずに挑戦してほしいと伝えた。また、スティックが人に当たると大けがにつながるため、ルールを守る大切さも説明した。生徒たちは、手だけでなく足にボールが当たっても反則になるホッケーのルールを意識し、丁寧に取り組んだ。その後、3時間目はシュート競争、5時間目は走らないルールで試合を実施。初めて経験する競技にも、チームで声を掛け合いながら挑戦する姿が見られ、失敗を恐れずチャレンジすることや、ルールを守ることの大切さを学んだ。
たくさんの気持ちや経験に出会ってほしい
4時限目と6時限目は小野先生の座学の時間。初めにホッケーの試合映像を紹介。自身が18歳の時に日本代表選考会に挑戦した経験をもとに、一歩踏み出す勇気の大切さを話した。選考会への参加を打診された際、落選を恐れて一度は断ったが、先生に背中を押されて挑戦を決意し、日本代表に選ばれたと振り返る。オリンピックバリューについて、実際のエピソードを題材にしたクイズを通じて、生徒たちがそれぞれの価値について考えた。個人ワークでは、勇気を出して取り組んでいることや、これまでに挑戦したことを考え、発表者が次の発表者を指名するリレー形式でクラス全体に共有した。最後に、今はやりたいことや頑張りたいことが見つからなくても、見つけた時に勇気を持って挑戦することで道は開けると生徒たちへメッセージを送った。
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