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2021.08.06 オリンピック

【メダリスト会見】空手・清水希容選手「時間が経てば経つほど悔しいが、この舞台に立てたことに感謝」

【メダリスト会見】空手・清水希容選手「時間が経てば経つほど悔しいが、この舞台に立てたことに感謝」
会見に臨んだ清水希容選手(写真:アフロスポーツ)

 東京2020大会の空手女子形で銀メダルを獲得した清水希容選手が6日、記者会見に出席し、メダル獲得から一夜明けた心境を語りました。

■「空手は人生そのもの」

――メダル獲得から一夜明けての感想を教えて下さい。

 まずはこの東京オリンピックという舞台を開催していただいたこと、空手競技を採用いただいて、この舞台に立ったことを本当に感謝しています。ありがとうございました。

 結果は悔しくて、時間が経てば経つほどすごく悔しい思いなんですけど、あの舞台に立てたことは本当に良かったと思っています。

――夏休み中ということで、子どもたちもご覧になられていたと思います。子どもたちにエールをお願いします。

 東京オリンピックに空手が追加されたことで、たくさんの人たちに空手を知っていただけたと思います。東京オリンピックに入るまでは私のやっている「形」という種目を知られてはいなかったけれど、昨日の自分の演舞も見ていただけて、そこを通じてたくさんの子どもたちやたくさんの人たちに空手の形というものを知っていただけたことが、まず第一歩だと思っています。

 これからもまだまだ、空手はパリオリンピックでは外れてしまいましたが、空手の良さや魅力を広げていきたいですし、世界大会(11月にドバイで開催予定の世界空手道選手権大会、以下同)が控えているので、しっかり金メダルをとり返せるように頑張りたいなと今は思っています。

――ひと言で、空手とはどんな競技でしょうか?

 私にとって空手は人生そのものだと思っています。空手の武道というものは歴史がすごく深くて、ただのスポーツというものだけではなくて、たくさんの先代の方たちがずっとつないできてくださった歴史を、今自分たちがこの形の中で演舞できるということは、自分は生きた歴史だと思っているので、空手は生きた歴史そのものなんじゃないかなと思っています。

【メダリスト会見】空手・清水希容選手「時間が経てば経つほど悔しいが、この舞台に立てたことに感謝」
初採用となった空手で銀メダルを獲得した(写真:アフロスポーツ)

■「人として、しっかりと見本になれる選手になりたい」

――決勝の演舞は相手のサンドラ・サンチェス選手(スペイン)も同じ「チャタンヤラクーサンクー」でしたが、技の思い入れについては?

 決勝でさせていただいた「チャタンヤラクーサンクー」は、初めて世界大会を取った時も含め、連覇した時もこの形でずっと勝ってきましたし、大事な舞台ではこの形で戦ってきました。私にとっては戦友のような思いで戦ってきた形ではあるので、すごく愛情を持って稽古にも励んできましたし、東京オリンピックでこの形を打てたことが本当に良かったなと思っています。

――昨日の試合が終わった後に、サンチェス選手がコーチに挨拶しにいったシーンが印象的でした。空手を通して世界にどういったことを伝えたいという思いがありますか?

 武道とは「礼に始まり礼に終わる」と、子どもの頃からずっと教わってきていますし、礼儀作法は本当に大事にしてきているものです。自分自身も人として、しっかりと見本になれる選手になりたいと思って、大きな舞台を目指してやってきました。これからもしっかりと自分自身も向上していけるようにしっかり成長できるよう、また精進していきたいと思っています。

――男子の形、組手など、他の種目も行われています。これから金メダルを目指して戦っている選手たちのどこを見てほしい、どういうふうにエールを送ってほしいというものがあれば教えてください。

 この舞台に立つために各種目、世界から各10人しか立てないこの舞台に、世界中のみんながここに立つために戦ってきた姿を、自分自身もそうですし、皆を見てきたので、ここに立っている選手には自分の力を精いっぱい発揮してほしいなと思います。空手の形や組手というものが、こんなにも魅力的なんだとたくさんの人たちに思っていただけるように残りの試合もしっかり応援したいし、たくさんの人に応援していただけるとすごくうれしく思います。

――形を初めて見た人が多いと思います。周囲からの反響は?

 知り合いもそうですが、その周りの方たちからもたくさんメッセージをいただきました。空手を初めて見て、かっこよかったとか、スピードがあったとか、そういうふうに見ていただけたのはうれしいですし、初めて見てくださった方たちの目に触れていただけたのが何よりも良かったと思います。

【メダリスト会見】空手・清水希容選手「時間が経てば経つほど悔しいが、この舞台に立てたことに感謝」
気迫あふれる演舞を見せた(写真:ロイター/アフロ)

■3カ月後の世界大会に向けて「稽古に励みたい」

――準決勝から決勝まで8時間のインターバルがありました、どんなことを考えていましたか?

 まず、トーナメントのスケジュールが出た時点で8時間を空ける練習をしていましたが、8時間空けての決勝は初めての経験でした。

 かなり大変なスケジュールではありましたが、実際にそれほど時間がたくさんあるという感じではなくて。自分の中では落ち着きながら自分の計画通りに、落ち着いて仮眠をとったり、少し瞑想してみたりだとか、気持ちを落ち着かせながら決勝の舞台でどう演舞したいか、ここまでやってきたことをどこまで出せるかということを自問自答しながら、しっかりと8時間過ごさせていただきました。

――昨日の試合後に「ここまでしんどかった」というコメントがありましたが、ここまで頑張ってこられた原動力は何でしょうか?

 勝つことを経験させていただいた時期もあったんですけど、東京オリンピックが決まってからは負けることもすごく増えてしまって、そういう時期がすごくしんどくて辛かったんです。空手自体も離れたいというくらい、しんどい時期もありました。近くで支えてくれている家族だとか先生たちだとか、たくさんの人たちが常に自分に寄り添って支えてきてくださったおかげで舞台に立つことができたと思っています。

――日本で初めて新種目として採用され、オリンピックの場で空手が行われた意義を教えて下さい。また、今後の課題も教えてください。

 日本武道館という舞台は小さい頃から憧れていた舞台でしたし、自分にとって昔から特別な舞台でもありました。武道をやっている人たちは皆、そこの舞台に憧れて目指しているので、まずは東京オリンピックができたことをうれしく思いますし、日本発祥の空手でもあるので優勝したかった思いが強かったんですけれども、あの舞台で自分の演舞ができたことは良かったなと思います。この悔しい思いは世界大会で晴らすしかないと思っているので、3カ月後に迫った世界大会に向けて稽古に励みたいと思っています。

――決勝戦の舞台ではサンチェス選手の演舞を実際にはご覧になっていなかったと思いますが、その後に映像で見返されましたか?

 本番は彼女の演舞は見ていませんでしたし、まだ自分の演舞も彼女の演舞も映像としては見ていないので。今回は彼女の演舞がどうこうというよりも、自分自身がもっと出し切りたかったというか、そこの後悔がいちばん悔しい部分だったので、次の世界大会では今回の予選のように相手を気にせず自分を超えられる演舞をして、優勝できるようにしたいなと思っています。

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