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2021.07.28 オリンピック

【メダリスト会見】安藤選手「家族みんなにメダルをかけたいです」

【メダリスト会見】安藤選手「家族みんなにメダルをかけたいです」
銅メダルを獲得し会見に出席した安藤美希子選手(写真:アフロスポーツ)

 東京2020大会のウエイトリフティング女子59キロ級で銅メダルを獲得した安藤美希子選手が28日、記者会見に出席し、メダル獲得から一夜明けた心境を語りました。

■「重いメダルであり、価値のあるメダル」

――メダル獲得後、一夜明けての感想をお願いします。

 昨日銅メダルを獲得して、その瞬間は自分の仕事をしっかりできたなという達成感と、表彰式で自分の首にメダルをかけたときにメダルの重さを実感したのですが、朝になってもう一度メダルを持ってみたら、改めて重いメダルであり価値のあるメダルなんだと再認識しました。

――大会前は右膝のケガや(闘病中の)父・美生さんのことがあって、辛い状況だったと思います。その中で支えになったものは?

 母国開催、東京でのオリンピックだったこと、ウエイトリフティング競技でメダルをとり、競技人口が増えて次の世代につながってほしいという思い、あとはここまで支えてくださった方々への感謝の気持ちだけではなく、形に残して伝えたい思いが支えになりました。

――改めて、ケガをしてしまった瞬間、それを乗り越えたときの気持ちを教えて下さい。

 率直にケガをしてしまった瞬間は、完全に「終わったな」というのが心境で、その日のうちに整形外科に行って骨には異常がなかったんですけど、状況としてはなんとか歩けているけれどとても膝を曲げられない状態で、本当に絶望的でした。「骨に異常がないからどうにか間に合うだろう」という周りからの励ましをいただきました。

 次の日には(患部が)腫れあがってしまって、さらに(膝が)曲げられなくなって、歩けなくなってしまってという時に八木(かなえ)選手から連絡がきたんですけど、彼女に「こういう気持ちでどうしよう」と話をした時に、同じ競技者として重たい気持ちを触ろうとする気持ちも分かるし、でも周りから止められてしまう気持ちもあり、その中での葛藤をお互いに共有して「大変だけど頑張ろうね」と言ってもらいました。

 そこで気持ちが少し楽になったのと、少しずつ回復して歩けるようになり、しゃがむ角度も少しずつ深くなりましたけど、どうしてもウエイトリフティングで座らないといけない角度まではいけなくて。そこは医師にお願いをして一生懸命治療いただき、少しずつ回復を実感していても焦りはあって、ただ焦りが生んでしまったケガでもあったので、同じミスをするわけにはいかないので、気持ちを抑えて練習を重ねました。

 先週の頭頃からウエイトリフティングを再開できて、初めて少し安心したんですけど、それでも先週の時点で70~80%ぐらいしか重量としては扱えていなくて。かなり膝も痛い状態だったので、安心はできたけど本当に間に合うかと気持ちもあって。最終的には多少無理矢理にでもやらなきゃいけないのは、監督・コーチとは確認し合っていたので、いかに本番に痛みをなるべく軽減しながら、本番用の練習もしないといけない微妙な極限の状態の境目を見極めることが難しかったです。最後は限界突破をしてこうなってしまったのですが、結果メダルをとれてよかったと思います。

【メダリスト会見】安藤選手「家族みんなにメダルをかけたいです」
安藤美希子選手(写真:アフロスポーツ)

■「自分が努力した分が数字に表れる競技」

――競技人口を増やしたいとのことですが、ウエイトリフティングの魅力を教えて下さい。

 ウエイトリフティングの魅力というのは、陸上や水泳と数字に表れるところは同じで、自分が努力した分が数字に表れる。そこに面白さがあるんですけど、単純でシンプルで、ただ物を頭の上に持ち上げる、それも「重たければ勝ち」という分かりやすい競技だというのが魅力だと思います。

 何より健康に良いというか、ボディメイクにとてもいいんじゃないかというのもあると思います。ウエイトリフティングの選手は男女合わせてですけど、とても体型がきれいだなと思います。女性はお尻も大きくなるし、男性は筋肉がついてとてもかっこよくなります。そういう部分も含めてぜひ競技を始めてほしいなと思います。

――千葉県白井市のご出身ですが、千葉の皆さんへのメッセージをお願いできますか?

(ウエイトリフティング出場者のうち)千葉県出身者は今回は私一人だったのですが、白井市の皆さん、千葉県の皆さん、本当にたくさんの皆さんが応援してくださいました。私の場合は、埼玉県の高校・大学に通っていた関係で埼玉からも応援をいただきました。多くの方にサポートいただいて、メダルという形に残ったのかなと思います。本当にありがとうございました。

――ジャークの3回目、成功しなければメダルの可能性がなくなるというプレッシャーのかかる状況でしたが、どんな心境で挑みましたか?

 120キロという重量は、私が実際に挙げられる重量としてはかなり低いもので、本来はミスをするのが恥ずかしいぐらいのレベルですが、今の私にとってはすごく厳しい状態で。直前の練習では120キロを一度も成功しておらず、心理的に不安もある中で、「できて当たり前」という状況と「成功すればメダルをとれる」、「これが終われば脚の痛みから解放される」。その3つでどうにか挙げたというところです。

――昨日の試合後に「お父さんにメダルをかけたい」と話していましたが、電話などで話しましたか?

 父がいるのは施設なので直接連絡できていないんですが、選手村出てから母と施設に行って会おうと思います。父にもメダルをかけてあげたいですけど、母も姉にも家族みんなにメダルをかけたいです。

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