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ボート

概要

 ボート競技は、水上の直線コースでオールを使ってボートを漕ぎ、順位を競う競技。カヌーと逆で、進行方向に背中を向けて漕ぎます。ボートに足を固定し、レール上に設置されたシートが前後に動き、主に脚力を使って進みます。オリンピックでは2,000mで行われます。

 シングルスカルを除き、2人以上のチームで行うため1人1人の能力も必要ですが、何よりチームワークが求められます。全員の息がぴったりと合ったときの美しさは、まさにボート観戦の醍醐味といえます。

 オリンピックでは歴史が古く、第2回の1900年パリ大会から実施されており、女子は1976年モントリオール大会から行われています。

 種目は大きく分けてスカルとスウィープの2つの種類があります。スカルはオールを右手と左手に1本ずつ、合わせて2本持って漕ぐ競技。一方スウィープはオールを1人1本ずつ持って漕ぐ競技です。

 漕ぎ手の人数で分けると、スカルにはシングル(1人)、ダブル(2人)、クオドルプル(4人)の3種類があり、スウィープにはペア(2人)、フォア(4人)エイト(8人)の3種類があります。オリンピックでは、スウィープの「エイト」のみ漕手8人のほかに舵手(コックス)が乗ります。また、種目により体重制限の設けられた「軽量級」があります。軽量級は、男子の漕手各人が72.5kg以下で平均体重が70.0kg以下、女子は漕手各人が59.0kg以下で平均体重が57.0kg以下となっています。

 東京2020大会からは男女の種目数が同じ7種目ずつになることが決定しています。軽量級があるのはダブルスカルだけになり、男子にあった軽量級舵手なしフォアがなくなります。また、女子に舵手なしフォアが新たに加わります。

ルール・見どころ

 ボート競技は、スタートからフィニッシュまで、艇がいかに速くたどり着くかを競うシンプルな競技ですが、実は奥が深く、魅力、見どころも多い競技です。

 まずは鏡のように静かで穏やかな水面を滑るように進むスピード感。人間の力だけでこんなに速く進むのかと驚かされる速さです。また、自然の中で競技する心地よさや開放感は見ている人にも伝わってきます。そして2人以上の種目では一糸乱れぬチームワークが魅力です。全員が完全にシンクロした統一感は圧巻。エイトでは、唯一前を向いて状況を判断し、レース戦略やスパートのタイミングを指示する舵手の駆け引きも見ものです。

 順に観戦ポイントを見ていきましょう。まずはスタート。固定されたスタートポンツーン(桟橋)に船尾をつけ、合図とともに一斉に飛び出します。序盤では各艇とも高いピッチで力を爆発させ、一気にトップスピードまでもっていきます。ここではボートが加速する迫力や選手の熱気が伝わってきます。

 中盤では各艇の特徴や戦略が見えてきます。序盤のスピードを維持すると体力が続かなくなるので、体力を温存しながら最大のスピードを出すための無駄のないリズミカルな動きとなります。エイトではコックスがほかの艇の位置や動きを見てペース配分を指示する重要な場面。勝負所でスパートを仕掛けることもあり、各艇の駆け引きが見ものです。

 終盤になると、一気にスピードが上がります。気力、体力を振り絞ってのデッドヒートが繰り広げられるラストスパートです。そして固唾を飲んで皆が見守るゴールでは、100分の1秒の差が勝敗を分けます。白熱したレースは最後まで一瞬も目が離せません。

 エイトなどチーム種目が多い中、1人で漕ぐシングルスカルにも注目です。バランスを保ち、まっすぐに進むのが難しいといわれる種目なので選手のテクニックをよく見てみましょう。

※東京2020大会組織委員会 公式サイトより


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