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1チーム7人ずつで、ボールを手で扱ってコートの相手ゴールへと投げ入れ、得点を競うハンドボール。19〜20世紀初頭のヨーロッパに起源をもち、世界へと広がったスポーツです。1946年創設の国際ハンドボール連盟には2017年時点で約200の国・地域の加盟があり、現在アジア、アフリカ、南米などでも普及が進んでいます。古くはドイツで発祥した11人制が主流でしたが、スカンジナビア中心にひろがった7人制が次第に支持を得て現在に至っています。オリンピックでは1936年ベルリン大会で初めて実施された後は正式競技から外れていましたが、1972年ミュンヘン大会から再び採用されました。競技は1936年ベルリン大会のみ屋外で、1972年ミュンヘン大会以降は屋内で行われています。女子は1976年モントリオール大会で初めて採用されました。
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7人のプレーヤーのうち1人はゴールキーパーとして自陣ゴールを守り、6人がドリブルとパスでボールをつないで相手ゴールを攻略するという点はサッカーと共通性があります。ボールを足で扱ってはならない、ボールを持ったまま3歩を超えて歩いてはならない、1人の選手がボールを扱える時間に期限があり、交代は無制限、といったルールはバスケットボールに近い要素といえます。
ハンドボールならではの要素は、ゴールから6mのゾーンにはゴールキーパーしか入ることができず、シュートはこのゾーンの外側から、またはゾーンの外側から内側に向かってジャンプしている状態で打たなければならないというルールや、体の正面からの接触プレーは許されるため格闘技に近いボディコンタクトが見られることなどがあります。
これら、複数の競技に共通するチームスポーツの楽しさと独自のダイナミックさ、双方合わさったものがハンドボール競技の魅力といえます。特に6m以上離れたゴールにボールを投げ込むために必要とされる力と勢いは並大抵ではなく、選手がジャンプをしながら全身のバネを使ってシュートを放つ場面は迫力満点です。時にはゴールキーパーが自陣から相手ゴールをめがけ超ロングシュートを放ち、プレー開始から数秒で得点が決まってしまう、そんなシーンもあるので、一瞬たりとも試合から目を離すことができません。他にも多彩な個人技や頭脳的な連携など、ぜひ試合を見てその魅力を体感してください。
コートの広さ40m×20mは、フットサルコートと同じ。前後半各30分を戦い、決着がつかなければ延長前後半各5分の延長戦が行われる場合もあります。ここ最近のハンドボールはよりスピード展開を重視しており、両チームとも攻撃回数が40回を数えるため、得点は20点以上になる試合がほとんどです。オリンピックでは12チームによるグループリーグから決勝トーナメント戦を経てメダルが争われます。
※東京2020大会組織委員会 公式サイトより