ニュース

JOCの就職支援「アスナビ」:日本陸上競技連盟と説明会を共同開催

2020.12.03  カテゴリ:就職支援

 日本オリンピック委員会(JOC)は10月22日、陸上競技選手に焦点をあてたトップアスリートの就職支援ナビゲーション「アスナビ」の説明会を、オンライン形式により実施しました。

 アスナビは、アスリートの生活環境を安定させ、競技活動に専念できる環境を整えるために、アスリートと企業をマッチングする無料職業紹介事業です。年間を通じて「説明会」を複数回実施し、企業に対してトップアスリートの就職支援を呼びかけています。2010年から各地域の経済団体、教育関係機関に向けて本活動の説明会を行い、これまでに204社/団体324名(2020年10月22日時点)の採用が決まりました。

 今回の説明会は日本陸上競技連盟との共催で行われ、7社10名が参加しました。

 最初に主催者を代表して、日本陸上競技連盟専務理事でもある尾縣貢JOC常務理事がビデオメッセージで挨拶し、陸上競技選手はこれまでに競技別で最多となる約60名がアスナビを通じて採用されている実績を紹介。その理由について「陸上競技の特性にあるのではと考えております。陸上競技は個人種目で、自分で計画を立て、実行して、多角的に評価していき、そして課題を一つひとつ乗り越えていく。これはまさしくビジネスで言うPDCAサイクルを回していることにもなります。すなわち陸上競技のアスリートたちは、トレーニングをしながら企業にも必要な能力を高めているわけです」と述べると、「本日登壇する5名のアスリートは世界を目指すトップアスリートです。ぜひ背中を押して、私たちとともにその可能性を広げていただきたいと思います」と、参加企業に向けてアスリート採用を呼びかけました。

 続いて、中村裕樹JOCキャリアアカデミー事業ディレクターが、動画を用い、アスナビの概要と、過去にアスナビを通じて採用されたアスリートと採用企業の担当者のコメントを紹介。さらに資料をもとに夏季・冬季競技それぞれの採用人数、採用された競技などを説明しました。

尾縣貢JOC常務理事

 次に、オリンピアンからの応援メッセージとして、2004年アテネオリンピック、08年北京オリンピック、16年リオデジャネイロオリンピックに出場した陸上競技・棒高跳の澤野大地選手がビデオで登場。澤野選手も企業に所属して活動しているアスリートであることから、「競技を続けていくうえで、企業からのサポートは絶対に必要なことだと思っています。対して企業側としてはその選手をサポートするにあたり、企業にとってどんなメリットがあるのか、ここを一番に考えられていると思います。もし、学生時代の部活の延長線上でただ競技を続けられるということで、このアスナビに挑戦している方がいましたら、その考えはぜひ改めていただきたいと思います」と強調しました。
 そして、競技で結果を出すことはもちろん、それ以外のプラスアルファの部分で企業に対して何が還元できるのかを常に考えながら競技を続けているという経験談を話すとともに、就職を希望する陸上選手の後輩たちに向けて「企業の皆さん一人ひとりを大切なファンとして、そのファンの方々に何を還元できるのか、しっかりと考えながら競技を続けていただきたいと思います」とアドバイスを送りました。

 最後に、就職希望アスリート5名がそれぞれの場所からリモートでプレゼンテーションを実施。スピーチをはじめ、映像での競技紹介などで自身をアピールしました。

澤野大地選手

■石橋和也選手(棒高跳)
「今の目標は4年後のパリオリンピックです。そのためには来年以降の日本選手権で上位入賞を目指し、再来年行われる世界選手権に出場して、自分の存在をアピールしていきたいと考えております。私の強みは主体性と自己分析力です。私は社会人になるにあたって、引退後の自分の姿に大きな不安を抱いておりました。しかし、アスナビ説明会の際に聞いた『アスリートこそ働かなければいけない』という言葉に深く感銘を受けました。それ以来、競技と仕事の両立はもちろんですが、仕事をする上で社会人として新しいことにチャレンジしていきたいと考えております。競技者としても企業を盛り上げ、社内全体から応援していただけるような選手を目指します」

■諸田実咲選手(棒高跳)
「私は棒高跳で日本記録の更新、そしてその先には世界選手権、パリオリンピックへの出場を目指しております。また、私は陸上競技を通して継続力と分析力を培い、これらは目標達成に向け必要不可欠な要素だと思っております。今シーズンに入ってからは自己記録を20cm伸ばすことができ、日本記録である4m40まであと10cmというところまで迫ってきました。今後はさらに筋力を鍛え、技術の分析を続け、日本記録の更新、そしてその先の世界へ向かって精進してまいります。企業に入社させていただきましたら、これまで陸上競技を通じ培ってきた継続力と分析力を生かし、どのような業務にも精一杯務めさせていただきます。私が国内外の試合で活躍することで、企業や社員の皆さまの活力につなげられたらと思っています」

石橋和也選手
諸田実咲選手

■木村友大選手(ハンマー投)
「私の強みは諦めない忍耐力と地道な努力を惜しまないことです。採用していただけましたら、競技で培った能力や経験を生かし、運動不足解消のための運動活動や、健康的な体を作る食事メニューを提案し、積極的にコミュニケーションをとることで社内の皆さまに笑顔と活力を与えていきたいと考えています。また、競技面ではオリンピックで活躍することを目標に、社内を盛り上げるアスリートとして努力していきます。自身の目標である東京2020大会、パリオリンピックに出場するためには自己記録を更新していかなければなりませんが、私にはまだまだ伸びしろがあると考えております。自身の強みである忍耐力を生かし、大学院で学んだことを継続していくことで目標を達成していきます。仕事と競技を両立していくことは今までにない刺激が得られ、さらに成長していけると思いますので、そのような環境をいただけたらと思います」

■小舘充華選手(ハンマー投)
「私の強みは目標達成を目指し、忍耐強く最後まで諦めずに努力を続けられることです。私の自己ベストは先日行われました関東インカレで更新した61m87と、日本歴代7位ですが、記録にはまだまだ満足していません。いずれは日本記録を更新し、オリンピック、世界陸上など、世界大会への進出を目指しています。採用していただけましたら、陸上競技やアルバイトで培った経験や能力を生かし、目標達成に向けて努力を怠らず、企業の発展に努めてまいりたいと思います。世界大会への道は簡単なものではありませんが、遠いものでもないと思っています。目標達成に向けて仕事と競技の両立に努めてまいりますので、どうか採用のほど、よろしくお願いいたします」

木村友大選手
小舘充華選手

■山下祐樹選手(三段跳)
「私は大学時代のアルバイト、競技生活での経験をもとに状況判断能力、何事も楽しむ思考、集中力を身につけました。これらの能力は仕事でも競技でも自分に限界を決めず、より良い状態へと導けると考えています。また、今後の競技の目標は、2021年へ東京2020大会が延期になったことで、自分と向き合える時間が増えたというチャンスを生かし、三段跳の日本記録である17m15を更新するとともに、オリンピック、世界大会への出場、またその舞台で8位以内入賞を目指していきます。そして、ご採用いただいた際には自分の能力を最大限に発揮し、限界を決めず、パワフルに、エネルギッシュに活動していきます。よろしくお願いいたします」

 説明会終了後には、選手と企業関係者との情報交換会がオンラインで行われ、企業と選手がそれぞれ交流を深めました。

山下祐樹選手
ニュース一覧へ

前後のニュース