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JOCの就職支援「アスナビ」:企業説明会を実施

2019.12.20  カテゴリ:就職支援

 日本オリンピック委員会(JOC)は11月20日、味の素ナショナルトレーニングセンター(味の素トレセン)で、トップアスリートの就職支援ナビゲーション「アスナビ」の説明会を行いました。

 アスナビは、アスリートの生活環境を安定させ、競技活動に専念できる環境を整えるために、アスリートと企業をマッチングする無料職業紹介事業です。年間を通じて「説明会」を複数回実施し、企業に対してトップアスリートの就職支援を呼びかけています。2010年から各地域の経済団体、教育関係機関に向けて本活動の説明会を行い、これまでに194社/団体302名(2019年11月20日時点)の採用が決まりました。

 今回の説明会には44社67名が参加しました。

 最初に主催者を代表して中森康弘JOC強化第二部部長が挨拶に立ち、アスナビを通じて採用されたアスリートの活躍について「選手たちは自身のために競技をするだけでなく、身近にいる職場の皆さんから応援されているという意気込みを持つことで力を発揮できます」と話すと、参加企業に向けて「選手は安心して競技に打ち込める環境が必要です。それには皆様のサポートが欠かせません。トップアスリートの明日を、そして未来を作っていくということで、選手をご支援ください」とアスリート採用を呼びかけました。

 続いて、中村裕樹JOCキャリアアカデミー事業ディレクターが、動画を用い、アスナビの概要と、過去にアスナビを通じて採用されたアスリートと採用企業の担当者のコメントを紹介。さらに資料をもとに夏季・冬季競技それぞれの採用人数、採用された競技などを説明しました。また、JOCアスナビチームが採用後に行っている選手を集めての社会人教育を目的とした研修会や企業向けの情報交換会などのサポートプログラムの事例が語られました。

プレゼンを行った7選手。前列左から山田義起選手、林伊吹選手、大濱真選手。後列左から東田旺洋選手、井上駆選手、高田一就選手、北川綾哉選手(写真:フォート・キシモト)
中森康弘JOC強化第二部部長(写真:フォート・キシモト)

 次に、1992年バルセロナオリンピック、1996年アトランタオリンピック柔道女子72kg級で銀メダルを獲得した田辺陽子さんが応援メッセージを送りました。田辺さんは社会人になって初めての全日本選抜柔道体重別選手権大会について「社長をはじめ新入社員の方まで応援に来てくれことは今でも覚えています。学生時代に2連覇をしていましたが3連覇に向け、不安やプレッシャーを感じていました。しかし、皆の応援もあり優勝することができました」と述べると、「大会毎に他の社員の方との距離感が縮まり、会社が女子柔道を応援してくれているということを感じられ、それが大きな力となりました」と当時を振り返りました。そしてスピーチする選手へ「ご自身の強みや弱み、経験を上手く話してアピールしてください」とエールを送りました。

 最後に、就職希望アスリート8名がプレゼンテーションを実施。スピーチをはじめ、映像での競技紹介などで自身をアピールしました。

田辺陽子さんが応援メッセージ(写真:フォート・キシモト)

■山田義起選手(レスリング)
「私の強みは考えて行動できることと、自分の可能性を信じて競技に打ち込めることです。また、大学のレスリング部では副主将を務めており、自身の事だけではなく、チーム全体の競技力向上を目指し、競技だけではなく私生活の面でも部員のサポートができるよう心掛けてきました。採用いただけましたら競技で結果を残すのはもちろん、社会人として一生懸命に業務に取り組み企業に貢献したいと思います」

■高田一就選手(陸上競技)
「何事も継続して努力し、最後まで諦めずにやり遂げられることが私の強みです。大学時代には記録が伸び悩んだ時もありましたが、自主性、計画力が足らなかったと反省し、与えられたメニューだけでは競技力向上は難しい考え、トレーニング方法を見直しました。それにより目標に向かって計画性を持ち、1つ1つやるべきことを考え、PDCAサイクルを回せるようになりました。社会人としては競技で培った物を生かし、社業やスポーツ振興に貢献していければと思っています」

■東田旺洋選手(陸上競技)
「私は来年の東京2020大会、2年後の世界選手権出場を目標としています。高いゴールですが、問題を明確にして、課題解決を行っていくことで十分に達成可能だと思っています。大学院では競技に主体的に取り組み、先入観に捉われず、新しいことに挑戦してきました。多くのことを試み、オーバーワークになった時もありましたが、現在はより良い方法を選択し、競技に取り組むことができています。これまでの競技活動、研究活動を振り返ると1人でコツコツと作業を行うことに向いていると思っており、今後は社会人として資格取得、スキル向上に努めていきたいと考えています」

■井上駆選手(陸上競技)
「私は約12年間の競技生活を通じて、どんな時でも諦めず努力を継続していく力、確実に成長していく力を身につけました。これまで怪我などで結果が出ずに苦しんだ時期もありましたが、どのような状況でも向上心を失わず、高い志を持って課題に1つ1つ取り組んできました。それらの経験を生かし社会人として成長し、企業の発展に貢献したいと思っていますので、採用のご検討よろしくお願いします」

山田義起選手(左)、高田一就選手(写真:フォート・キシモト)
東田旺洋選手(左)、井上駆選手(写真:フォート・キシモト)

■北川綾哉選手(ビーチバレー )
「私の目標は2024年のパリオリンピックでメダルを獲得することです。目標達成するため、本格的な練習と努力を重ね、フィジカルとスキルの向上を図っていくのと合わせて、JOC選手強化本部のスローガン『人間力なくして競技力の向上なし』にもあるようにアスリートとしても、社会人としても成長していきたいと思っています。私は高校でキャプテン、大学では副キャプテンを務めた経験からリーダーシップとチームワークの重要性を学びました。採用いただけましたら職場の皆さんと目標達成に向けて社業に取り組んでいきます」

■林伊吹選手(スケート/ショートトラック)
「私は小学2年生の時にコーチをしていた母の影響で競技をはじめました。現在はナショナルチームメンバーとして活動し、コーチであり、オリンピックメダリストの長島圭一郎さんの下でトレーニングしているほか、試合へどのように意識を持って行くかなどを日々学んでいます。また昨年、韓国へ合宿に行きました。1人での遠征で心が折れそうな時もありましたが、サポートしてくれていた両親のおかげで1ヵ月間の滞在期間を乗り越えられました。私は誰かに応援されることで、皆さんと一致団結することで大きな壁も越えられると信じています。応援してくださる企業がありましたら誠意を持って業務に取り組みますのでよろしくお願いします」

■大濱真選手(パラ・バドミントン)
「私は競技とともにパラ・バドミントンの普及と障害者の理解を深める活動を大事にしています。車いすバドミントンは誰でも同じ土俵で競い合える素晴らしい競技です。私は足が動かないだけでなく、体幹が使えません。ただ足が動かないだけではないという話を広めることで、心のバリアフリー化に努めていきたいです。また、企業に入りましたら、他の人が頑張るきっかけを与える存在となり、社内の一体感の醸成に貢献するのと合わせて、会社員時代の営業、システムメンテナンスなどの経験を生かし社業に取り組みたいと思います」

北川綾哉選手(左)、林伊吹選手(写真:フォート・キシモト)
大濱真選手(写真:フォート・キシモト)

■松井大和選手(スピードスケート)※ビデオメッセージ
「高校時代は世界大会への出場、日本のトップ選手が参加している大会で優勝することができませんでした。しかし、大学では実力のある選手と練習を重ね、ジュニアワールドカップに出場できるようになるなど成長することができました。そして、今シーズンからはナショナルチームに入ることができ、世界のトップを身近に感じながら練習を行っています。私は人間力なくして競技力は向上しないと思い、感謝の気持ちを持ち続けることを大事に日常生活を送っています。競技ができることは決して当たり前のことではなく、様々な方の支えがあるからだということを忘れず、今後も取り組んでいきます。メダルを獲得するという目標を一緒に追いかけ、サポートしていただける企業がありましたら、それに応えらるように頑張りますのでよろしくお願いします」

 説明会終了後には、選手と企業関係者との名刺交換、情報交換会が行われ、企業と選手がそれぞれ交流を深めました。

松井大和選手(写真:フォート・キシモト)
説明会終了後には選手と企業関係者が名刺交換などで交流を深めた(写真:フォート・キシモト)
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